なけなしの

 有り金をはたいて

 馬券や宝くじを買う人を

 世間では理解しようとしない

 だが私には

 その気持ちが良く分かる

 ギャンブルと言うだけで

 みな目を背けてしまうが

 ちょっと待ってほしい

 彼等は必死なのである

 私もそうであるが

 これまでの人生で

 己の無力さを

 骨の髄まで叩き込まれていて

 どうにもならない

 どうにもならないが

 それでも生きたい

 生きようとするときに

 最後に頼るのがそこなのである

 頭の良い人には分かるまい

 だがそれしかないのだ

 宝くじの一枚はその時

 生きる希望に変わっている

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