第3話

《クエスト3 〈種族、役割、名前を決めよう!〉を始めます。》

というパネルが表示された。


「まず、種族の選択を行います。これをご覧ください。」


春馬の目の前に、パネルが出現した。パネルには、様々な種類が書いてあった。


「これは種族についての情報を記したものです。これを参考にして、種族をお選び下さい。なお、特殊種族に関しましては、適性によって決まりますが、殆どの方に適性がございません。なので、適性がなくても落ち込む必要はございません。」


と言われて一通り眺めてみる…。


【基本種族】


《人族》

特徴はない。

〈種族追加スキル〉

〈ラックアップ〉→LUK上昇・小

〈獲得経験値上昇〉→獲得経験値1.1倍


《エルフ族》

耳が長い。

〈種族追加スキル〉

〈精霊魔法〉→精霊魔法が使用可能になる

〈精霊眼〉→精霊の認識が可能になる


《ドワーフ族》

背が低い。

〈種族追加スキル〉

〈重量軽減〉→装備の重量を制限する

〈鉱石判別〉→鉱石の種類の判別が可能になる


《魔族》

肌が黒い。

〈種族追加スキル〉

〈眷族召喚〉→眷族を召喚できる

〈嫌悪の象徴〉→ステータス上昇・中 カルマ値低下・中


《獣人族》

ランダムで選ばれた動物の特徴を少し受け継ぐ。

〈種族追加スキル〉

〈獣の血〉→選ばれた動物のスキルを一部受け継ぐ

〈脳筋〉→ATK・AGI上昇・中 DEF・MDEF低下・中 INT低下・小


【特殊種族】


《鬼族》

角がある。余程の戦闘狂にしかこの種族は現れない。『適性度:最高』

〈種族追加スキル〉

〈鬼神の加護〉→ATK上昇・特大 AGI上昇・中 DEF・MDEF低下・大

〈野生児〉→AGI上昇・大 重防具・装備不可

《適性度:最高専用スキル》

〈極限の集中〉→集中時、体感時間10分の1・半径2mの空間把握


《麗人族》

美しい人にしかこの種族は現れない。『適性度:最高』

〈種族追加スキル〉

〈麗神の加護〉→全ステータス上昇・小 隠しステータス:魅力上昇・大

〈美の象徴〉→魔物テイム率上昇・大

《適性度:最高専用スキル》

〈ふつくしい!〉→一定確率で魅了・全ステータス低下・中を付与(視線が向けられた時)


は?と春馬が固まる。声の主が怪訝に思い種族を確認、共に固まる。

1分程経った後、声の主が、


「と、取り敢えず種族を決めましょう。」


と言い、何事も無かったかのように話を再開した。

春馬は、暫くの間考えていたが、戦闘を楽しむ為にこのゲームを始めたので、《鬼族》を選んだ。


「次に役割の説明をさせていただきます。役割は、アタッカー、タンク、サポーター、ヒーラーの4種類です。変更は出来ません。役割に沿って、モンスター討伐などを行わなければ、経験値は入りません。アタッカーは、主にモンスターへの攻撃によって、タンクは主にモンスターのヘイト、つまり注目を集める事によって、サポーターは他プレイヤーのサポート、ヒーラーは回復などによって、経験値を獲得します。」


説明を聞き、少し考え込む。通常ならばアタッカーを選ぶべきだろう。しかし、春馬はタンクの説明を聞いた時に違和感を覚えた。


「タンクは、ヘイトを集めるだけで良いのですか?」


「はい。」


この回答を聞いて、(なら、1人で戦えば、経験値は獲得できるのでは?)と思い決心。タンクを選択した。


「次に、職業です。職業は役割に関係無く選択出来ますが、職業によって経験値が獲得出来なくなる場合もございます。それでは、お選び下さい。」


パネルが表示された。その中には、ポピュラーな戦士や魔法使いから、マイナーな農民、漁師などまで数百の職業があった。春馬は、最も自分に合いそうだと狂戦士を選択した。


「それでは、最後に名前を決めて下さい。」


と言われて、少し考える。


「それじゃあ…。アレスでお願いします。」


軍神の名前からとって、アレスと名付ける。

すると、目の前に鏡が出現した。中性的な顔、細い線の身体、少し長めの髪が映し出される。

何故、鏡が出現したか疑問に思っていると。


「最後に見た目の変更をしてしまいましょう。現在、あなたの現実世界での姿が映っています。そのままでは、個人が特定されてしまうので、最低限の見た目を調整しましょう。」


と言われたので、髪を肩まで伸ばし、目の色を少し暗めの赤、髪の色をそれに反するように明るい銀色に調整した。


「鬼族の角の大きさを調整して下さい。」


と声の主が言うと、額に2本の角が出現した。自分の小さめの身体に合うように角を小さめに調整した。

すると、パネルが表示され、《クエスト3〈種族、役割、名前を決めよう!〉をクリアしました。チュートリアルを全てクリアしました。新世界転生後にアイテムが配布されます。》と書いてあった。


「これで、チュートリアルは終了しました。分からないことがあれば、メニュー覧のヘルプをご覧下さい。それでは、あなたが良いAO生活送れますよう願っております。」


という言葉が発された瞬間、身体が光り出し、やがて目が開けられなくなった。







気がついたら、待ちに待った新世界。アルカトリアに到着していた。






ーーto be continuedーー

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