病院での山登りは楽しそうですね。職場は安らげますでしょうか。私はといえば、変わらず毎日朝に散歩しています。この町にもだいぶ慣れてきました。生きるのは苦しいことですが、貴方が生きていると思えば少しは心が和らぎます。貴方もどうか無理をしないでください。昔から努力家でしたから。


言葉というものは不思議ですね、私は貴方に届ける言葉を走っているときには思いつきますが、いざこうパソコンを目の前にすると、それはすべて私の手からこぼれ落ちてしまいます。いくら言葉がそもそも不完全だからって、こんな事ったらないよ、と思います。本当です。


貴方のことはよく考えますが、実のところもう6年の月日が経ちましたから、今では薄ぼんやりとした記憶になっています。サランラップがかかったような記憶です。貴方にはお友達がいましたよね。2歳からの友達が。お元気ですか?


私は貴方もそうですが、貴方の友達も愛しておりました。6年前ですらお会いできなかったのが残念です。彼女が貴方を支えてくれていたらと思います。

ところで、私の本が出ました。ささやがで、役に立つかどうかはわかりません。ドーナツでも食べてやり過ごすしかないですね。


-------------------------------


横からありがとうございます。そうです、レイモンドカーヴァーです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る