転移!〜目指すもの〜

Nought

序章

~プロローグ~

 昨日、夜遅くまで小説と武術の指南書を読んでいたから、起きるのが遅くなってしまった。

 って、いつもの事なんだけど。今日も今日とて、いつも通り、食パンと牛乳だけ口の中に入れて、学校へダッシュ!しても、家を出るのが遅すぎて教室に入ったのは、遅刻もぎりぎりもぎりぎり、入ると同時にチャイムが鳴りやがって、でも、まぁセーフ。




「おはよう、極夜君」と、ボッチの俺に挨拶をしてくるのは、このクラス、いや、この学校の天使と言われる柊美鈴ひいらぎみすず

「あっおはよう、美鈴」そう言って、眠そうに欠伸しながら返事を返すと、クラスの男子からは嫉妬と殺気の籠った目線、数人の女子は、何やら温かく見守る視線、当の本人、美鈴はと言うと、少し前かがみになり口に人差し指を当てて、心配そうに俺の顔を覗き込んでいて、これまたびっくり。


 いつもならこんなことしないのに、今日は何か起こるのか?と、これまたくだらないことを、考えていたら、ぼぉーっとしていたせいか、また美鈴に、

「ほんとに、極夜君大丈夫、昨日寝てなかったりするの?」

 

 なんと、この子ピンポイントで正解を当ててきましたよ。でも、ここで本当のことを言うと、またいろいろと面倒になりそうなので、テキトーにはぐらかしつつ、自分の席に向かう。

「あー、ちょっと、今日朝早く起き過ぎてな。気にするな」 そういうと、美鈴は「ふぅーん」と言いながら、自分の席に向かう。

 ここで皆からの視線も無くなる。これが俺の朝学校に来てからの担任が来るまでの、日常だったりするわけで、美鈴は善意というかなんというか、よくわからないが美鈴と話すのは、結構好きだったりするから、男子になんて思われようが、全然関係ないし、喧嘩吹っかけてきた奴は全員返り討ちにしてるから、恨んだような視線を向けてくるだけで、直接的な被害は、何もないからいいんだけど… 


「あぁ、早く学校終わらないかなぁ~」とか、独り言を言いながら、担任が来るのを待つと、暫くして担任が来たようで扉を開けようとしている音が聞こえるが、一向に扉があかないので、担任が「おい、お前たちいたづらもその辺にして、早くこの扉の鍵を開けなさい。もう高校二年生なんだから、こんなふざけたことしてんじゃね~ぞ!。」と言って外から怒っているのですが、誰も扉の鍵を、閉めていないので、中からクラスメイト達が「先生―、何ふざけたこと言ってるんですか?俺ら誰もそんなことしてませんよ」


「わかってるぞ。現にこの扉全然開かないじゃないか。早くしろよ。今なら許してやるからよ。」と、言われたクラスメイトが扉に近づきとってに手をかけ、開けようとするも、びくともしない扉が… 




「おい、お前らこれ、マジで開かねえぞ。」と言うと、クラスの中がとても強い光に飲み込まれ意識が遠のいて行く直前に頑張ってあたりを見渡すと、床に魔法陣みたいなものがあり、教室の扉が開いて担任が入ってきているのを見たのを、最後に俺たちは、完全に光に飲み込まれ意識がなくなってしまった。

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