第88話  密使


 


 ヨルグが死んで、再び師がいなくなった。

 ほとんど殺意に近い怒りを感じた男であったが、もはや土の中に消えてしまった。

 寂しいとも違うが、どうにも物足りない気がしてくるから妙なものだ。

 虚脱感で鍛錬などする気にもならず、妹と家でぼんやり過ごす。

 

 ワルトも一緒になってママゴト遊びをしたり、本を読んだりなどして闘争心の欠片も出てこない。

 やがて両親とシャーレが帰宅して料理を作り、家族と会話しながら幸せな夕べが始まる。


 母の手料理に葡萄酒。

 ついつい飲み過ぎてしまう。

 不足など何もない、何度でも繰り返したい一日のはずなのだが……。


 ところが心の奥底にある衝動は少しも消えない。

 むしろ、さらに重たくなっていく。

 それなのに、やはり身体が動かない。

 ヨルグの嘲り。

 ただ食って寝るだけの豚野郎。

 そんな声が聞こえてきそうだ。


 下手すれば引きこもりになりそうなところを破ってくれたのは、やはりカチェだった。

 朝早くに訪ねてきて、明るい笑顔で武帝流へ行こうと誘ってくれる。

 今は素直にありがたい気持ちが湧いてくる。


 馬を飛ばして鍛錬所に行けば、すっかり訓練生たちが受け入れてくれた。

 弛んだ体に気合を取り戻すべく、わざと激しく稽古に臨んだ。

 アベルと相対した者はいずれも真剣勝負と変わらない緊張感に冷や汗をかくことになった。

  

 その日、濃厚な運動が出来たので昼に帰ろうとするとリモン公爵家三男リッシュが話しかけてくる。

 公爵家の身内という高い身分であるが変にひねくれていない素直な男だった。

 たしか年齢は二十歳ぐらいだったはずだ。

 何度か手合わせをして、向こうはだいぶ親しみを感じているらしい。


「アベル。カチェ様。今日の午後は皆と乗馬遊びをしませんか。手狭ではありますがリモン家の庭を案内します」

「カチェ様のお望み次第かな」

「もちろん行くわ」


 よほど邸宅に戻りたくないのかカチェは嬉しそうだった。

 リッシュは武帝流のなかでも特に顔見知りの者ばかり十人ほどへ声を掛けていく。


 貴族区の道を素早く移動していると往来の者たちが注目して来る。

 それはそうだろうとアベルは思った。

 連れ立つ武帝流の仲間たちは誰も彼も公爵家か伯爵家を出自としている。

 全員、極めて高位の身分だ。


 いずれも毛並み艶やかな名馬に乗り、馬具に服にと全てが最高級で揃えられていた。

 それに誰しも若く、溌剌として輝くばかりの集団だった。


 すぐにリモン公爵家の正門へ到着。

 落とし格子まで備えた本格的な要塞の門構えだった。

 衛兵たちが直立不動している横を通過する。

 巧みに林や芝が造成された広大な庭へ馬を走らす。


 リモン公爵家の敷地を軽やかな蹄音を立てて馬群が進む。

 ダルネア伯爵家の長女レーティが話しかけてきた。


「カチェ様とアベル様は二人とも良い馬をお持ちですのね。でも、変わった品種ですこと。足腰の筋肉が素晴らしいですわ」

「ずっと東に草原があるんだ。そこにいる品種さ。あの大きな樹まで競争させてみようか」

「まぁ。よろしくてよ。剣ではアベル様に到底のこと敵いませんが馬では分かりません」


 さっそくレーティが馬に気合を入れる。

 素晴らしい速度で駆けだしていく。

 アベルも赤毛の愛馬に合図をくれると駆け足を始めた。

 流れる景色。

 二頭の馬は並び、やがて最後の瞬間に首ひとつ赤毛が勝った。


「私の負けね」


 レーティの軽やかな金髪が風に舞っている。

 負けたのに楽しそうだ。笑っていた。

 整った鼻梁に涼し気な眼など完全に貴族的としかいえないレーティは伯爵家の長女だけあって優雅かつ気品がある。

 レースのついた首飾りが似合っていて、皇帝国の上位貴族とはこうしたものかと納得してしまうような姿だ。


 乗馬を楽しんだ後は廃園風に設えてある静かな場に移動した。

 意図的に倒してある大理石の柱があり、そこにリッシュがマントを敷くとレーティを典雅な仕草でエスコートした。

 するとカチェがやたらと期待した顔で見てくる。


「ごめん、カチェ様。敷くもの持ってきていない」

「いいこと。側仕えとして、わたくし専用の敷き布を用意しておくこと。他の方が用意したものは使いませんからね」


 なんだか新しい仕事が増えてしまったみたいだ。

 それから葡萄酒などを飲みながら会話する。

 話題になるのは戦争のことばかりだった。

 父や兄が出征している。

 親戚の誰それが勇敢に戦った。

 肉親や友が戦死した……。


 皆、貴族であれば戦場に行くのは当然と考えていた。

 そして、栄光を掴むこともあれば無残に敗死する最後もあり得ると、嫌になるほど知っている。

 なにしろ負け戦が続いていた。騎士や親戚の葬儀には事欠かない。


 明日の見えない不安、あるいは恍惚とするような夢想の狭間で若者たちが悩んだり希望を抱いたりしていた。 

 同行している十人の若い貴族たちで実際に戦闘の経験があるのはアベルとカチェ、それにリッシュだけであった。


 だからアベルやカチェは他の未経験者たちから特別に尊敬を受けた。

 そうして、される質問は決まっている。

 戦場で恐怖を感じなかったか。

 敵を殺したときはどうだったか。


 アベルは答える。怖かったさ、と。

 逆にカチェは怖かったことなど一度もないと言う。

 正反対の返事が面白かったらしく、みんなはああだこうだと真剣に議論を始める。

 それから酒も入って、ますます会話に熱が帯びた。


 リモン家のリッシュやシャール家のロイクだけでなく、この場にいる者は誰しも社交的で見栄えがよく、ちょっとした冗談や洒落た話も出来る、本当の青年貴族だった。

 ありとあらゆる階層の者たちと付き合ってきたアベルにしてみると、生まれついての特権階級が持つ洗練された物腰に関心することもあった。

 同じ貴族でもロペスのような男とは別の種類の生き物ほど違う。


 ただ、貴族の世界に憧れる気持ちは少しも湧かなかった。

 剣の鍛錬をして、天気のいい日は馬遊びに興じ、こうして将来について語り合う。

 庶民のような飯の不安はないし、何かを学びたいと思えばいくらでも機会がある。綺麗な女の子も逞しい若者もすぐ傍にいた。

 刺激に溢れ魅力的な出来事ばかりなのに、むしろ、やはりここは居場所ではないと気付く……。


 午後の黄色い陽光の中に時間が消えて行った。





~~~~~~





 

 イースへの怨念に満ちたあの男が失せて何か言いようのない空白感は消えない。

 少なくとも精神的には似た者であったと認めないわけにはいかなかった。

 狂気じみた執念は死の間際まで消えることは無かったのに……最後は亡妻ソニアへの謝罪を繰り返していた。


 アベルは頭を振る。

 いずれにせよ、もう死んだ男の心は消え去った。

 強いて言えば、その残り滓が自分の中に留まっているだけ……。

 

 今日はバース公爵に呼び出されている。

 大邸宅に行き、二階にある執務室に通された。


「バース公爵様。ご用事ですか」

「アベル。来たか。そこに座れ」


 午前中の勢いに満ちた日光が執務室を照らしている。

 天井は高く、壁は白い大理石で造られていた。

 光が反射するので室内は明るい。

 装飾は、ほとんど排されていて美術品の類はなかった。

 その代わりに書類の入った棚がいくつも並んでいた。


 重厚な紫檀の机。奥に祖父が座っている。

 厳めしい顔つきをしていて、温厚さはどこにもない。

 若いころは美男子だったのだろうが、今は支配者側の人間が持つ、人を寄せ付けない尊大さばかりが漂っていた。

 ノアルト皇子と話しをしているときは別人のように穏やかな顔をしているのだが……。

 群青色の瞳だけは自分と似ているなと、アベルは思った。


「バース様。ご用事は何ですか」

「武帝流での稽古は上手くいっているらしいな」

「はい。なんか遊んでいるみたいで悪いなと思っています。クンケル様には良くしてもらっていますよ」

「儂の考えていた通りになっている。知り合いが増えただろう。誰と親しくなった」

「そうですね……。クンケル様の娘で副師範のルネ。ノアルト皇子様の側近ベルティエ。シャール伯爵家のロイク。バルボア公爵の次男シメオン。リモン公爵の三男リッシュ。女性の訓練生も何人か……。ダルネア伯爵家の長女レーティとか」


 アベルは思いついただけで二十人以上は名前を連想できた。

 公爵家、伯爵家という高位の貴族たちと対等に付き合い、男爵のような下位の爵位家の者でも分け隔てなく接したつもりだ。

 彼らは皆、武術に強い関心がある。

 必然的にアベルの剣技や魔力を知ろうとしてきた。

 見せたくないものは隠し、教えてもいいと思えるものは惜しみなく伝えてやった。

 棒手裏剣など、ずいぶん珍しく見られた。

 最初、彼らは大道芸みたいだと笑っていたが実戦でかなり効果的なのを見抜くと、しつこいほど扱い方を聞いてきたものだ。

 そうした遣り取りの中で彼らからアベルは尊敬のようなものすら受けた。


「武帝流の者たちは大事にしろ。いずれは皇帝国を支える人材たちだ。アベル。お前の将来に欠かすことのできない人脈となるだろう」

「……、バース様はそうした狙いがあって僕が武帝流に出入りしているのを許していたのですか?」

「無論だ。始めは突発的な事態であったが好都合だった。いずれはお前を紹介して交わらせるつもりであったのだ」

 

 アベルは納得して頷いた。

 何もかも計算通りというわけ……。


「アベル。今日、呼んだのはお前に与える任務を説明するためだ。重要な仕事である。言うまでもないが、決して人に話してはならぬぞ」

「……はい」

「ハイワンドというよりも、皇帝国の命運を切り開くような大仕事になる」

「でかい話しなんですか? そんなこと僕にできますかね……」

「これを頼める者は、お前しかいないのだ。なぜならロペスは交渉事に向いていない。モーンケも色々と足りないのは会話をしていれば分かる」

「カチェ様は……」

「あやつが男ならばと悔やまれるな。あれほどの武術、知性と魔力が宿るとは……。惜しいことだ。男ならあいつを使っていた」

「女だって別にいいじゃないですか」

「それはいかん、女はだめだ。女に情緒はあるが思想はない。打算は得意だから小商いはできる。しかし、忍苦を伴う遠大な事業はできない」


 バース公爵は、きっぱりと言い切った。

 アベルは苦笑を口の端に浮かべる。


――ははは。爺さん、ボロ糞だな。

  でも、ちょっと当たっているかも……。

  まぁ、カチェは例外のような気もするけれどな。


「アベル。儂はお前の言動を見てきた。人づてに聞きもしている。お前こそが適任だ」

「……どんな、任務ですか」

「和平交渉だ。皇帝国の和平派閥は王道国のイズファヤート王に過去、数回に渡って使者を派遣した。いずれも考え得る限り、最も優秀な者に有効と思われる条件を授けて送り出した」

「はい」

「だが、かの王には根本的に和平の意志が無い。使者は送るたびに四肢を切断され、死体となって返されてきた」

「いや、僕の手足だって外れるようにはできてないですからね」

「ふん。笑わせるな」


 笑わせるなと言うわりに、バース公爵は少しも笑っていなかった。

 血縁上は祖父にあたる目の前の男が何を考えているのかまるで分からない。


「安心しろ。儂はイズファヤート王を交渉相手としては諦めている。もはや死ぬか失権するのを待つだけだ。奴とて人間。いずれは寿命で死ぬ。王の推定年齢は現在四十八歳。病でも得れば、十年後には死んでおるかもしれん」

「そりゃそうですね。人間なんかいつ死ぬか分からない……」

「だからこそ次代の王になる者と、あらかじめ交渉をしておくのだ。和平への道筋。これだけは絶対に作る」

「王道国の次の王は誰ですか?」

「儂はそれを推測するために様々な情報を集めた。王子たちの資質、支援者、戦歴……このまま行けば次の王は第一王子イエルリングと考えている」


 アベルはイエルリングの人柄を思い出した。

 理知的で語り口は明朗であったが、根本的には氷のように冷たい人間ではなかったか。

 誠意など欠片もなく、すべての人と物事を利用する視点でしか見ていない、そういう男だった……。


「指導者の性格、才覚、手法、思考、そうしたものは治政や戦争に明確なものとして現れる。イエルリングに天才性というものは感じられないが、手堅いことに関しては抜きん出ている。さらに長男だけあって支援者が強力だ。王道国の大商人や政治家が幾人も支持している。しかも、ディド・ズマを配下に置いている。ディド・ズマは亜人界の出自で、あくまで傭兵どもの元締めであったのだが、イエルリングは重臣として扱っているようだ。その代りに膨大な数の傭兵を供給されている」

「では、僕はイエルリングのもとに行くのですか」

「いいや。違う。我々が有利に交渉する相手としてイエルリングは絶対にならん」

「どうしてですか? 次の王になるのはイエルリングの可能性が高いのでは」

「イエルリングは無理をせずとも自分が王になれると理解しているはずだ。これまで通りに間違えず、手堅く戦争と統治を行っていれば、いずれ王座が約束されている……。だから今の内に我々と和平交渉をする必要性が薄い。仮に交渉がなったとしても、皇帝国は和平か休戦のために多大の代償を支払うことになる。おそらく巨額の賠償金と領土割譲が必要だろう」

「なるほど……」

「よって王道国の王位継承権を保持している王族のうち、このままでは王となれない者と密約を結び、その者を支援するのだ。その代わりに我らは代償少なく和平を得る。そうでなくてはイエルリングの権勢はますます増大し、最終的には皇帝国にとって巨大な禍根となる。イエルリングは恐るべき敵である」

「このままでは王になれない者……。ガイアケロン?」


 アベルの記憶に残る、忘れられない王子。

 ガイアケロン。

 殺し合いをした相手なのに不思議と恨みは残っていない。

 接する者に安心感を与える大らかな態度、柔和とも思える笑み。

 王者の気品とは、ああしたものかと新鮮な驚きだった。

 それに約束を守る男だ。

 最後までポルトを攻撃しなかったこと。

 再三に渡って親切な態度で降服を勧めてきたことなど……。


 バース公爵は頷いた。

 分かるか分からないか程度、ほんの少しだけ笑っていた。

 まるで悪魔が笑っているようだった。


「ガイアケロン。奴こそ天才だ。英雄的なるものを、ほとんど全て持っている。さらにはハーディア王女とも密接な協力関係を築いている……しかしだ。三男という生まれの遅さが仇となった。出遅れたうえに、政治的には潔癖すぎる男だ。このまま行けば決して王にはなれぬ男。生まれ落ちた時から兄たちの後塵を拝し、天才でありながら歴史に消えていく運命の王子。まさに我々の交渉相手として相応しい。密約を結んだのなら、皇帝国が総力を挙げてイエルリングやリキメルを攻撃し、奴らを後継者として不能にさせ、イズファヤート王の死を待つのだ」

「……しかるのち、密かに支援したガイアケロンが王道国の王となれば、新しい世が来る」

「その通りだ」

「国と国を越え、敵味方も呑み込む、とてつもない陰謀です。それには交渉を持ちかける密使がいる。ガイアケロンへの密使……それが僕の任務」

「そうだ」


 アベルは溜め息を吐いた。

 途方に暮れる……。

 疑問が次々に湧いてくる。


「あの、運の要素が大きくないですか? 現王がいつ死ぬかも分からないのでは……」

「運があるかないか、やってみなくては分からない」

「まだ、大問題があります。皇帝国の後継者問題が解決していません。しかも、和平派は皇帝国で必ずしも主流ではないですよね。ましてや王道国は今のところ勝ち戦です。そう簡単に計画は進みますか。時間と労力を費やして、全てが上手くいったとしてもガイアケロンがどんな条件で和平に応じるか……」

「ぶあつい岩盤を穿つような行為である。だが、大変そうだからと諦めたら、穴は永遠に開かない。人と人は交渉し、交換することで協力がなる。今はお互いに奪い合っている状況だ。まずはガイアケロンを話し合いに引き摺りこむのだ。奴が欲しいもので与えられるものは与える。ただし、皇帝国にとって損になりすぎることは絶対に避ける。できることなら王道国の王位で満足させるのだ」


――なんか、デカすぎる話しだな……。

  どうすりゃいいんだろう。


「聞け、アベル。儂は六十四歳になる。人間がそろそろ死ぬ年齢だ。あと、何年生きられるか分からない。五年か……十年は望んでも叶わないかもしれない。しかし、諦めないぞ。諦めてなるものか。近年、皇帝国の財政は逼迫している。平民らの中には増税に不満を持ち、予算審議に加わらせろとまで主張する輩が出てくる始末だ」

「僕はこの有様では無理もないと思いますけれど。明日の飯も無ければ、どうしてこうなったと考えるでしょう」

「貴族の中にもお前のような者がいる。少しは平民議会の意見も聞いてやろうと……。その方が税収は増えるだろうという考えだ。しかし、平民議会などというものを認めれば、支配体制そのものが大変革に襲われる。決して容認できない。問題は混乱の源である戦争だ。そのことを見誤ってはいけない。戦争を終結させ、和平を。そして、皇帝国の治政を安定させなくてはならない。コンラート様では、およそその任に堪えず。万難を排して次男テオ様を皇帝陛下に据えるのだ。それはガイアケロンとの秘密交渉と同時に完遂する」


 バース公爵は平和のための平和主義者ではなかった。

 あくまで政治的安定、支配のために和平を追求するという信念を持っていた。

 単なる平和という、ぼやけた目標ではないだけに強烈な意思を感じる。


「壮大な計画です……」

「お前なら密使になれる。意義のある仕事だ。数えきれぬほどの民衆を救い、国を安んじる大任だぞ。貴族たる男子の本懐ではないか」

「……」

「言っておくが儂はお前を使い捨ての駒にするつもりはない。貴族は貴族しか人間扱いしないゆえに、お前には地位を用意してある。これを読め」


 バース公爵が渡してきたのは最高級の紙に直筆で書かれた遺言書だった。

 そこにはアベル・レイへの権利継承および財産分与についてと認められている。

 アベルは内容を声に出して読んだ。


「アベル・レイをハイワンド家の一族と認知し、ハイワンド姓を名乗る権利を認める。この私、バース公爵が死去したのちには、公爵家の資産の二割をアベルへ分与する。具体的な内容については目録に別記する。これは速やかに実行されること。なお、公爵位相続権は第四位を命ずる……」

「読んで意味は理解したな。お前はノアルト皇子様や武帝流を通じて人脈を作れ。そして、ガイアケロンと接触し、王道国との間でも関係を深めておくのだ。その活動の末にお前は世に出る。政治家としても軍人としても成功できるはずだ。やり方次第で、お前は偉大な人間になるだろう。長きに渡る戦乱を終結させる先導者だ」

「危険な役目でもあります」

「その通りだ。この任務はテオ様もノアルト様も承知はしている。だが、テオ様が皇帝陛下に即位する前に交渉が露見した場合は、コンラート派閥に攻撃材料を与えることになってしまう。また主戦派からは裏切り者とまで呼ばれることになる。よって交渉はハイワンドが独断でやったこととして処分される手筈になっている。失敗した時には、ありとあらゆる汚辱を引き受けなくてはならない」

「その場合の処分とは、どうなりますか」

「家は取り潰しだろう。儂はどんなに軽くても死罪といったところかな。悪ければ罪人として拷問のあとに殺される」

「あまりにも危険な賭けです」

「男が一つ大きなことを成そうというのだ。これぐらいのことは覚悟しておくものだ」


 アベルは思い当たる。


「……もしかして父上を呼び戻したのは、密使にするつもりだったのですか」

「ふむ。勘がいいな。そうだ。ウォルターを呼び寄せたのは初めはそのつもりであった」

「それなのに、どうして父上を後継者にしようと……?」

「人間には考えが変わるということが……あるものだ。儂も自分がそうなって驚いたが……。ベルルが行方不明、孫たちは全員戦死。実際にそう知らせを受けて、一人ぐらい死ななくてもよいように手を打っておくべきだったと深く後悔した。卑怯と思われようとも、武人として潔くないと見られようとも、そうしておくべきだったと……。

 孫たちがポルトの城で自爆してハイワンドの武功が轟いても、儂は少しも嬉しくなかった。むしろ失意と絶望の底であった。そんなときに呼び寄せていたウォルターが現れた」


 アベルは頷き、バースの話に聞き入った。

 腹の読めない怪物じみた政治家にして武人の男が、間違いなく本音を晒していた。


「ウォルターの姿を見たとき……儂は心から感謝した。あいつが今日まで生き延びてくれたことに、とてつもなく安堵した……。結局のところ、この儂とて孤独を感じる老人にすぎなかったということだ。様々な政治的な駆け引きの末、ハイワンドは公爵家に格上げされたが、真っ先に考えたのは築き上げてきたものを息子に継承したいということであった」

「それで父上に密使の役目をやらせるのは止めにした。後継者にしようと思ったのですか。……だからって、離婚はあんまりですよ」

「それもウォルターのためである。政治的に価値のある家と結べば、ますます地位は安泰だ。アイラは側室として愛でればよい。若い女と再婚すれば子も出来よう。子がさらに増えれば、なおのこと良し」


――貴族の考えだなぁ。

  でも、いまさら爺さんに考え方を変えろというのが無理か……。


「だいたいウォルターは愚か者ではない。資質は上等であった。ただ、庶民育ちが長すぎた。ベルルと仲違いしたのも儂の配慮不足であった。あいつについては後悔ばかりだ」

「僕にとっては最高の父親ですよ。今以上に望むものなんか何もない……。密使の役目。僕が断ったら、やはり父上に依頼するのですか。もう後継者問題は解決しているから」


 バース公爵は少しだけ考えた末に、頷いた。


「役目が役目だ。ウォルターは経験豊富で交渉の能力もある。腕も立つ。しかも、ハイワンド家とは離れていたから、素性は隠しやすい。好都合だ。そんな人材がそうそうあるものか」

「お願いですから父上をそんなことに巻き込まないでください。本来、医者をやっているのが適当な人です。妻子もいます。貴族の世界には合わない人でしょう」

「では儂に計画を諦めろというのか。命懸けでやっておる。止めたければ、殺すぐらいしかないぞ」


 冗談で言っているのか、本気で口にしているのか……アベルは後者だろうと思う。

 人間は生まれからは逃げられないと、思い知っていることを改めて反芻する。

 それからウォルターとアイラを思い浮かべた。

 両親というより恩人という印象のほうが強い。

 人間に価値があると……もう一度信じさせてもらった。

 与えてもらったものは、返さなくてはならない。


――皇帝国のことなんか正直どうでもいい。

  コンラートにテオ? 

  会ったことも無い。

  だが、どう考えても俺がやるしかないよな。

  もともと何かの間違いで、ここいるようなものなんだ。

  イースに出会えたのだって考えてみればあの人達のおかげなんだし……。

  それにものは考えようだ。

  ガイアケロンとはもう一度、会ってみたい気がする。

  それに、もしかしたらイースが再戦を求めて訪ねて来るかもしれない。


 前向きに考えれば都合のいい話しのような気がしてくる。

 決心がついた。


「分かりました。バース公爵様。ガイアケロンへの密使。引き受けます」


 バース公爵は深く頷いた。

 満足げだった。


「その代わり、頼みがあります。父上と母上は、これまで通りの生活をさせてもらえませんか。ロペス様だって戦場で戦えば、いつ死ぬか分からないけれど……後継者に困ったらまた父上が公爵家の跡取りとか、そういうのはもう止めてもらいたいのです」

「公爵家の一門衆は名誉のはずだが」

「父上の立場を考えてください。その……あえて爺様と呼ばせてもらうけれど。爺様は勘違いをしている。ウォルターは父親です。妻がいて、子供もいて……、自分の家庭を守ることで精一杯。公爵家の跡取りなんか、ありがた迷惑の極みでしょうよ。父上は、どこでだってやっていける男です。公爵家を捨ててどこか遠くで暮らす事もできる人なのに、それをしないでいます。爺様に義理立てしているのですよ」


 バース公爵は面食らったような、驚きを表していた。

 この人もこんな顔をするのかと思ってアベルは可笑しくなった。


「じゃあ、爺様。両親のことは頼みましたからね」

「……、密使としてガイアケロン王子へ伝えることは重要すぎるので具体的な手紙にはできない。奪われたときに取り返しがつかないからな。これから言うことを頭に叩き込め」


 バース公爵からは、交渉の前条件が列挙された。

 それから想定される問答も暗記しておかなくてはならない。


 ガイアケロンに、まずはこちらを信用させるか、あるいは利用できると考えさせなくてはならない。

 ともかく最初は誘惑するということだった。

 王道国の王家も皇帝国に負けず劣らず権力闘争が激しく、負けた者の未来は暗い。

 そこを考えれば、ガイアケロンと密かな協力関係が築ける可能性は……確かに皆無ではなかった。

 それからハイワンドと友好関係にある家、逆に敵対関係にある家の当主の名前や紋章の一覧を暗記するように命じられる。

 これから、さらに忙しくなりそうだった。

 夕方、そろそろ両親のもとに戻ろうとしたアベルにバース公爵が聞いてきた。


「ああ、それとな。今回の件とは無関係なのだが、皇帝城の宝物庫で異常があった」

「宝物庫?」

「そうだ。宝物庫はウェルス皇帝の親衛隊に守られているうえに無数の罠があるといわれている」

「はい」

「入る方法は皇帝自身か、宝物庫の守り役のみが知っておるというが……侵入者があったそうだ」

「ははあ……」

「皇帝国の宝物は神とて盗み取ることはできないと言われているのだがな」

「何が盗られたのですか」

「それが、侵入があっただけで物は盗られてはいないらしい。面子を守るために嘘を言っているのかもしれないが。ともかく不審者の問い合わせがあったのだ」

「何か良く分からない話ですね」

「盗賊は黒いローブを纏っていたそうだが……。なに、ただの世間話だ。世相がいよいよ荒れて来ておる。明日、正午ごろにまた来い。打ち合わせや、会わせたい者がいる」

「……はい」


 執務室を出て、家に戻る。

 すでに夕方なのでアイラが夕食の準備をほとんど終えていたところだった。

 ついに次の目標が決まった。

 イースに届くこともそうだが……、両親に恩返しもしなくてはならない。

 これでいいはずだとアベルは納得してみる。


 何も知らない家族たちと心穏やかな晩餐を楽しむ。

 それから寝る前に旅装の点検をした。

 いつでも旅立てるように準備をしておかなくてはならない。

 具体的な出発の日時は知らされていないが、祝賀会が終わったあたりだろうと想像する。

 両親に別れの挨拶をしなければならないし……シャーレにも上手い説明がいる。

 

 アベルの心に紫水晶の瞳を持つ少女の顔が浮かんできた。

 たぶん凄く怒るだろう。

 わたくしを放って、どこに遊びに行く気なのですか……とか言いながら殴ってくるに決まっていた。

 そのことは後回しにすることにした。

 良い解決法など端からない……。




 夜、暗闇の中で長椅子に横たわり思い描くのは結局のところイースであった。

 あの美しい姿と、清らかな精神。

 自分にとっては喉が渇いたときに現れた水のごとき恵みだったが、かたやヨルグにとっては怨敵であった。

 この差は何なのか……?


 ヨルグは目を覚ませと言っていた。

 イースは思想や愛情を持たない、単なる弱肉強食の体現者にすぎないと叫んでいた。

 そんなはずはないとアベルは否定してみる。


 冷徹なようで、どこか優しさとしか言えないものがイースにはあった。

 美意識を持っていたから醜い行為は絶対にしなかった。

 別れの前にイースは体まで与えてくれようとした。


――でも、あれは必死になっていた俺に合わせてくれただけ。

  別れの前に俺へ一つの満足感を与えようと……。

  いわば小さな小さな情けではなかったか。

  そして、そんなイースの行為に答えられなかったこの俺。


 暗闇の中、アベルはイースの清い裸体を思い出す。

 ところが脳裏のイースに、どうしたことか欲情を感じた。

 かつて自分に身を捧げてくれた本人を前にして微動すらしなかった男が屹立している。

 夢と現の境界で、イースは淫らなまでの像を結ぶ。

 滑らかで艶のある白い肌。

 桜色をした乳首。

 甘い曲線を描いた腰や腋へのライン。

 それらが反復し増幅していく。


 思い返してみればイースは二人の時にはあまり体を隠そうとしなかった。

 あれは子供扱いしているものと考えていたが、もしかするとイース自身すら無意識に誘っていたのではないか……。

 つまりはイースとて一人の女に過ぎず……。


 そうした妄想の果てに、どうしたことなのか今度は魔女アスの姿が浮かぶ。

 少女の体つきをしたイースと異なる、どこまでも肉感的なアスの肢体。

 くびれた腰や、思わず鷲づかみにしたくなる豊かな乳房。

 イースとアスの姿が混然一体となって……不可分となる。

 漆黒の髪と淡い金髪が混ざり合い、イースの少女の体とアスの成熟した豊満な女の体が、グチャグチャに入り乱れた。


 これはどういったことなのか。

 魔女アスが一種の性的なシンボルになっているのだろうか。

 しかし、イースの像がさらに揺らぎ、魔女アスに取って代わるのは寧ろ、ありがたかった。

 あいつこそ、淫靡そのものだ。

 異世界人と名乗る正体不明の女。


 何がしたいのか何が目的なのか、まるで理解できない。

 覇王にふさわしいだとか……、前世の世界に行ってみたいだとか……。

 下卑た欲情は、ああした女にぶちまけたほうがいい。


 イースは、そういう女じゃないんだ。

 もっと別の……俺を救ってくれる、聖女。





 ~~~~~~~





 珍しく寝坊をした。

 気が付くと、木戸は開け放たれていて両親は朝の支度をしていた。

 体を起こすと不調と言うほどでもないが、やや気怠い。


「あら。やっと起きたの? おねぼうさん、調子でも悪いの?」


 アイラが半ばからかうように聞いてくるので、そんなことはないと答える。

 変な夢だった。

 前半は素晴らしかった。

 夢の中でもイースに出会えたのだから……。

 幸福感のようなものが、じわじわ湧いてくる。

 しかし、途中から、おかしくなった。

 魔女アスと性を交わす夢に転じていた。


――あいつが会うたびに誘惑してくるからだ。

  そのせいで変な夢を見た……。


「アベル。ツァラが表に遊びに行ったから呼んできて。朝食だから」

「はい。母上」


 アベルは素早く服を着て、靴を履き、庭に出た。

 妹の姿はなかった。

 小規模な林の中にあるから、見通しはあまりよくない。

 気配を探り、勘を働かせる。

 真新しい小さな足跡が地面に残っていた。

 その痕跡を追って北の方へ歩いていく。

 小鳥の鳴き声がしている。空は快晴だった。

 明るい空色……。


 やがてアベルは何か魔力が蠢く気配を感じとる。

 緊張さぜるをえない。

 誰かいる……。


 アベルは武装をほとんど置いてきてしまったことに気づく。

 後悔したが遅い。

 腕にいつでも装着している短剣「心臓縛り」を抜いて、用心深く進む。

 そうやって林の中を進んでいくと、唖然とさせられる光景を見ることになった。

 

 魔女アスが切り株に座っている。

 そして、その膝の上にはツァラが、ちょこんと乗っていた。

 二人は親しそうに話しをしている。

 あまりにも唐突なので惚けてしまいそうだ


「アス……。こんなところで何をしている」


 魔女アスはいつぞやに会った時と全く変わらない姿だった。

 全身を覆う黒いローブ。

 額には黄金の台座、大きな赤いルビーの輝くサークレット。

 淡い金髪が美しく陽光を反射していて、プラチナ色のようにも見えた。

 中性的な、端正過ぎる相貌。

 アベルを見て微笑んだ。


わらべは可愛いわねぇ」

「お前、ツァラに何か変なことをしていないだろうな……」

「いやねぇ。子供を虐めたりするわけないでしょう」


 ツァラが膝の上から降りる。

 近寄ってきた。

 顔が何故か興奮ぎみだ。


「おにいさま。きいてください」

「どうした!」

「わたし、まほうをつかえるようになりました。いま、アスさまから教えていただいたのです」

「えっ?!」


 アベルは、ほとんど睨みつけるようにアスを見た。

 アスの澄んで濡れた空色の瞳が見詰め返してくる。


「その子、才能があるわ。治癒魔術と火魔術が格別に優れている」

「火魔術って……そんな。ツァラ。もう使えるのか?」

「はい。さっき、おそらに炎のはしらをだしました」

「だめだ!」


 アベルはいつになく厳しい声を出してしまった。


「火魔術なんて本当に危ないんだ! 下手したら人や自分も死ぬんだぞ。まず、父上からしっかり習え!」

「……ひっ」


 ツァラは青い顔をして後退った。

 泣きそうだった。


「あらあら。幼子を虐めているのはどっちかしら」


 魔女アスが、ニタニタと、さも面白いものを見たという風に笑っていた。

 アベルは舌打ちして睨む。


「他人の子供に余計なことをすんなよ」

「その子なら大丈夫よ。すごく賢いし、勘もいい。教育は早い方がいいわ」

「勝手なお世話というやつだ。今度、ツァラに変なことをしたら許さないからな」

「親切のつもりでしたのにねぇ」

「お前……こんなところで何をしているんだ」

「やあね。もちろん貴方を追いかけていたのよ。あとは皇剣を探すのと……他にもいろいろ忙しいの。察してくださいな」

「知るか。で、皇剣は見つかったのか?」

「こんなところにあるわけないわ。皇帝国の帝都なんかにあれば、とっくに世に出ているわよ」

「そりゃそうか……。あれ、待てよ。もしかしてお前、宝物庫に忍び込まなかったか」

「んふふ……。だってあそこにある物、昔に私が創ったやつがいくつもあるんだもの。何が悪いのよ」

「そういう問題じゃなくてさぁ……騒ぎになっているぞ」

「戯れに創ったものばかりで大した物はなかったわ。ちょっと使えそうな物はいただきましたけれど。そんなことより、アベル。そろそろ旅立ちが近いのではなくて。仕度をしていたでしょう」

「……」

「どこで何をするにしても貴方のような人間ですから、血と闘争は免れないでしょう。楽しそうね」

「何が楽しいものか」

「貴方の欲しいものは手に入るかしらねぇ……。今日はそろそろ失礼するわね」


 魔女アスは立ち上がり、林の奥へ歩いていく。

 しかし、振り返って言った。


「ああ、そうそう……。夢の中の私はどうだったかしら。現実に抱いた方が遥かに快楽を味わえますけれどねぇ」


 淫靡な笑みを残して、アスが去っていった。

 アベルは言葉を失う。


 夢の中までお見通しなのか……それとも魔法の一種で、あんな夢を見させていたのだろうか。

 もう、全く理解できない。

 いや、唯一、理由付けできるとするなら……遊びだ。

 弄んでいるのではなかろうか。


 アベルは半べそをかいている妹に、しゃがんで視線を合わせた。

 魔女アスとの会話は難しくて理解できていないだろう。


「知らない人に着いていったらダメだろう」

「はい。でも、アスさまは、とてもやさしい人でした……」

「そういうのが一番ヤバいんだよ。優しそうに見えたり、笑っている奴にこそ注意しろよ」

「まほうを、教えてくれました。すぐにつかえるようになりました……ほら」


 ツァラの左手から治癒魔法の発動と共に、白く淡い光が零れ出ていた。

 アベルは複雑な気持ちになる。

 あまりに優秀であったら、公爵家はなおのことツァラを欲しがるだろう。

 バース公爵にはレイ家に手を出さないで欲しいと頼んだが……、どうなるかは分からない。


「そういう特別な力だって、持っていると悪いこともあるんだ。例えば……人攫いに狙われるとかな」

「ひとさらい?」

「そうだよ。ツァラみたいな可愛い子供を連れ去って……食べちゃうんだよ」

「えっ!」

「さぁ、家に帰ろう。父上と母上には僕から説明する。アスっていう知り合いの魔法使いが、余計なことをしてツァラに魔法を教えてしまったと。怒られるぞ、きっと」

「ええっ。どうしよう……そうだ。ワルトに助けてもらおう……」

「あのデブ犬の飼い主は僕だ。それに母上には絶対服従しているのを知っているだろう? ワルトだって味方にならないぞ」

「え~っと! どうしよう!」

「人生には諦めなきゃならないときがある。いまがそれだ。覚悟しなさい」


 アベルはツァラを肩に担ぎ上げて家に連れて行った。

 家に帰り、事情を話すと思った通り二人から厳しく叱られだす。

 ツァラは、がっくりとうな垂れていた。


 ところが治療魔法の発動を目にすると態度が変わってしまった。

 両親とも、さっきまでの怒りは消え失せて、息子と同じ早熟の目覚めだと喜んでしまっている。

 本当に嬉しそうだった。


 この小さな家庭を守る為なら、自分を犠牲にすることがあっても後悔はしないだろう。

 

 

 



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