第16話:デート前日に…。
いつものスタバでエリカの歓迎会が行われた次の日。
土・日は鈴ヶ丘は休みである。
現在、午後15時過ぎ。
飛鳥は、自分の部屋で、たくさんの春モノの服を出し、
明日、千春とのデートで着ていく為の服を選んでいた…が、何故だかしっくりしない。
と、そこへ、ドアをノックする音が。
「はぁい、どうぞー。」
ドアを開けて入って来たのは、直輝だった。
「うわっ!!どしたん?飛鳥?部屋中こんなに服を広げて。」
「ん?あ、直兄。んー…どれにしようかなー?って。」
「お?ひょっとしてデートでもするんか?明日、日曜やし?」
「えぇ?な、何で分かったん?」
「そらお前が考えてることくらい分かるわ。」
「で、相手は誰や?」
「え?同じ鈴ヶ丘の吹奏楽部の1コ上の先輩や?」
「そっかー。ついに飛鳥も恋をするようになったかー。」
「ちょ、直兄、このこと、お父様にはぜぇったい内緒にしといてや?」
「ん?あ、あぁ、いいで。親父の逆鱗に触れたら恐ろしいからな。で、着て行く服は決まったんかいな。」
「それがなー、なかなかしっくりこんのや。」
「ほな、今から新しい服、買いに行くか?」
「は?誰と?」
「僕や。」
「直兄と?」
「そや?イヤか?」
「イヤちゃう。むしろ行きたい!」
「お前が気に入りそうな服一式、僕が
「ホンマ?わーい、やったー。」
「ほな、準備しときや。」
「え?あ、う、うん。」
「あ、車で行くん?」
「そらそうやろ。久しぶりに僕の車で行くか?」
「うん。行きたい。車やったら、服買ったあと、明日、デート行く前に、デートの下見にも行きたい。」
「分かったよ。」
「ほな、15分後くらいにまた部屋に来るからな。で、デートってどこへ行くんや?」
「じゃーん。」
「なんやその本?あぁ、神戸か。分かった、えぇで。」
「わーい、やったー。」
「ほなあとでな。」
「はーい。」
そう言って直輝は部屋から出て行き、自分も外出の準備をした。
それから約15分。
直輝が飛鳥の部屋に戻って来た。
「飛鳥ー、準備えぇかー?」
「うん、えぇでー。」
と言い、飛鳥が私服でドアを開け、小さなバッグを持って出て来た。
「ほな行こか。」
「うん。」
そう言って2人は階段を下りて、玄関で靴を履いている時、父の雅輝がやって来た。
「お?2人とも、どこか行くのかい?」
「え?あ、お、お父様。え、えーと…。」
「あぁ、親父。最近僕、こいつと一緒に出掛けてないなー、って思って。」
「そうか。私の車使うかい?」
「いえ、僕ので行くから大丈夫です。」
「そうか。気を付けるんだよ?」
「はーい。じゃあお父様、行って来まーす。」
「はい。行ってらっしゃい。」
そして2人はドアを開け、駐車場に向かい、雅輝の車の隣に止まっている、
直輝がいつも乗る自分専用の外国製の高級スポーツカーに、飛鳥と2人で乗り込んだ。
車に乗った直輝は、駐車場の自動シャッターをリモコンで開けて、
エンジンをふかし、ゆっくりと家の外に車を出し、シャッターを下ろして、
車をゆっくり走らせ、家の前の路地から、上町線の通る表通りまで出て、
飛鳥を乗せ、阿倍野筋を北上した。
その車内…。
「いやー、さっきはビックリしたわ。」
「んー?何がぁ?」
「親父や親父。」
「あぁー…。」
「お前の服買いに行く、やなんて言うたらそれこそ何か探られそうやったからな。」
「まぁー…ね。」
「で?ドコ行こか?Q’sモールか?近鉄か?MIOか?」
「直兄はドコがえぇと思う?」
「そやなー…。お前ももう高校生やしな。Q’sのやとちょっと子供っぽいんちゃうか?」
「んー…ほな近鉄のむちゃ高いブランドでっ!!」
「何でそうなんねんっ!!」
「まぁえぇか。しゃあない、
「ホンマ?わーい。」
「記念やからな?」
「うん。」
「明日は、えーと、その、先輩と上手くやるんやで?分かったな?」
「うん、分かった。」
などと言う会話をしながら約15分で車は阿倍野に到着し、
直輝は、車を近鉄百貨店の近くにあるコインパーキングに車を止め、2人で車を降り、阿倍野筋商店街を歩いて近鉄百貨店へと向かっていた。
すると、後ろから、飛鳥に声を掛けて来る人物が居た。
「あーっ!悠生さんちゃうんか?!」
「は?」
と、振り向くとそこには鈴原が笑顔で手を振っていた。
「あぁ、鈴原さん。」
「あら?ひょっとして今、デート中?」
「えぇ?ちゃうちゃう、この人は私の真ん中のお兄ちゃんや。」
「え?お兄さん?」
「どもー、初めまして。飛鳥の兄の直輝と言いますー。」
「あ、ご、ご丁寧に。初めまして。私、悠生さんと同じ高校で同じ吹奏楽部の、鈴原唯華と申します。」
「鈴原さんは?今日はどうしたん?」
「う、ウチは今から彼氏とデートなんよ。」
「へぇー、鈴原さん、彼氏さん居たんやー。いいなぁ、羨ましい。私らのガッコの人?」
「ちゃうちゃう、中学までは一緒やったけど、今は別の高校や。悠生さんは?彼氏とか。」
「え?わ、私?私は居らんわ、彼氏なんて。」
「そうなの?可愛いのに。」
「って言うかね。」
「何?」
「この直兄がね、超・シスコンなの。」
「って、おいっ!飛鳥っ!いきなり何言い出すねんっ!!って言うか、飛鳥よぉ。」
「なぁによ?」
「はよ買い物済まさんと、このあと神戸までなんて行かれへんで?」
「あ、わ、忘れてた。」
「神戸行くの?」
「あ、う、うん。ちょっと用事があってね。せやから鈴原さん、私らはこれで。」
「うん、ほな、また部活とガッコで!」
「じゃあねー。」
そう言って2人は鈴原と別れ、飛鳥と直輝の2人は、近鉄百貨店のティーンガールズファッションのフロアへと向かった。
そして、飛鳥が好きなファッションブランドの店に入り、店内でいろいろ試着すること20分。
ようやく試着室から飛鳥が出て来た。
「なぁなぁ、直兄?」
「んー?」
「これなんかどう?幼く見えへんやろか?」
「おーおー。馬子にも衣装とは良く言ったもんやな。似合う似合う。」
「もー、なんなん?その言い方?」
「や、ホンマ、可愛いわ。それにするか?」
「んー…。そやなー。」
と、飛鳥は今、着ている春物のブラウスとスカートをマジマジと見ながらこう言った。
「うん、これにするわ!」
「分かった。」
と言って、直輝が店員を呼び、「すいません、これ、上下とも下さい。」と言い、
店員が、飛鳥が試着している上下のタグだけを取り、飛鳥は再びカーテンを閉め、
家から着て来た服に着替えている間、直輝は、自分のクレジットカードで清算し、
着替え終わった飛鳥が試着室から出て来た。
そして、店から出て来た2人、特に飛鳥は、「♪ふっふふっふふ~ん♪」などと、鼻歌交じりで軽くスキップしながら浮かれていた。
そこへ直輝が、伝票を見て一言。
「ちょ、おいっ!飛鳥っ!」
「なにー?直兄?」
「ってか、この伝票見てみぃやっ!」
「伝票~?」
「金額やき・ん・が・くっ!」
と、飛鳥が、直輝の持つ伝票の金額を見ると、予想以上の金額に驚いた。
「って、え~!これ、上下で5万以上もしたん?!」
「そうや?って言うか、金額も確認せんと買わしたやろ?お前は。それか、確信犯か?」
「べ、別にぃ~?そ、そんなことは、ない、でぇ~?」
「何で言い訳が途切れ途切れやねん。」
「まぁ、明日はお前の初デートやからな?最初はこれくらいやったら、と思てんけどな?」
「な、なんなん?」
「納得イカン!!」
「は?」
「そやから、やな。僕は納得イカンっ!、って言うとんのや。」
「なんで~?直兄、好きな服何でも
「ほな、このあと、ホテル行こか。」
「ほ、ホテル?」
「そや?」
「それって、ラ・ラブホ、デスカ?お兄様。」
「もちろんや。」
「いきなり何言い出すねん!この超シスコン兄貴っ!いややいややいやや。そんなところに連れ込んで、直兄、私の処女奪うつもりやろ?」
「奪うか!アホっ!」
「ほ、ほな何すんねん。」
「たまにはお前と2人っきりでベッドで寝たい、言うとんねん。」
「ね、寝るだけ?」
「そや?」
「エッチ…は?」
「するか、ボケが。」
「ほな、お風呂は?」
「風呂か…。そうやな。数年ぶりに一緒に入ろか?って、なんてな。冗談やじょう・だ・ん。」
「えー?!冗談て直兄、ホンマは現役JKと一緒にお風呂入りたいちゃうんか?」
「な、何言うとんねん。別に妹の裸なんか見たかて今更欲情なんかせぇへんわ。」
「ホンマか?」
「おうよ。」
「そないなこと言うて、こう見えても私、脱いだら昔より成長はしてんやで?まこちゃんほどではないけどな。」
「そらそうやろ?真琴とお前なんか白鳥とアヒルくらいの差や。」
「ひっどーぉっ!それは言い過ぎやっ!お父様に報告すんで?!」
「でっ?!そ、それだけはかんにん!」
「あはは、冗談やわ。言い返したっただけや。」
「そか…。悪かったな。」
「で、どうすんのん?ホテル、行くのん?あ、なぁなぁ?」
「なんや?」
「私、この上のホテルやったらええで?」
「は?」
「そやから、ハルカスの上のほ・て・るっ!」
「って、マリオットのことかいな?!」
「せや?」
「何言うとんねん。そこって、エリカたちが家に来るまで泊まってた超・高級ホテルやないか。」
「アカン?」
「こ、この世間知らず&常識知らずのお嬢様め~~~~~…。」
「何よその言い方。」
「お前な、マリオットの金額、一泊いくらするか知ってんか?」
「知らん。」
「はぁ~…。まぁえぇ。日帰りのショートステイやったら安いやろ。ええよ。連れったる。」
「うわーい。ひゃほー!」と、飛鳥はデパートのフロア内でくるくる回りながら喜んだ。
で、2人は、近鉄百貨店からとりあえず16階の展望台フロントの階層まで上がり、
そこからホテルのフロント行きのエレベーターに乗り換え、19階で降りて、2人でフロントカウンターへと向かった。
「すいません。」
「いらっしゃいませ。」
「あの、日帰りのショートステイって、今からでも大丈夫ですか?」
「この時間からはさすがに…。」
「そうですか。ちょっと待ってください。」
「飛鳥?」
「なにー?直兄。」
「部屋の希望はあるんか?」
「んー…55階。」
「…は?」
「そ・や・か・ら、55階の部屋っ!!」
「あー、はいはい、分かりましたぁ!!」
「55階だそうなんですが。」
「かしこまりました。それでしたら、1泊された方が夜景なども綺麗に見えますが。」
「飛鳥っ!ちょ、お前、こっち来いっ!」
と言って、直輝は、飛鳥の右耳を軽く引っ張り、少しカウンターから離れたところで話し合った。
「イデデデ、な、何すんねん、直兄っ!」
「お前、明日のデート、何時にドコで待ち合わせしとんねん?」
「ん?えーと、朝9時に阪急梅田駅の3階コンコースのコンビニ前やけど?」
「お前?ホンマに55階の部屋に入りたいんか?」
「うん。」
「なんでや、
「だって私、エリカさんたちがここ泊まってた時、まこちゃんと何度か部屋来ててんもん。」
「そっか、それでお前もここで泊まりたい、っちゅーわけやな?」
「うん。おねがーい、おにいさまぁ~。」
「こんな時だけ"お兄様"言うなっ!!」
「アカン?」
「あー、はいはい、分かった、分かりました!!55階やな。今回だけやからなっ!!」
「うわーい。」
そう言って直輝は再びフロントに戻り、先ほどの部屋で1泊する、
と伝え、自分のクレジットカードを出し、
宿泊前に清算を済ませ、住所と2人の名前と年齢など、必要事項を記入し、
フロントスタッフからルームキーを受け取った。
「それでは良い宿泊を。」
と、フロントスタッフに言われ、2人は55階まで上がるエレベーターに乗り込んだ。
「お前なぁ。」
「なによ。」
「僕な、彼女とも未だにこんな超・高級ホテルに泊まったことないんやで?」
「そうなん?」
「当たり前やろ!僕らの家なんかと違ってな、相手は普通の家の女の子やからな。」
などと言い合いしているうちにエレベーターは55階に到着し、ドアが開いて、飛鳥は廊下を早歩きした。
「直兄っ!何号室や?!」
「待て待て、こっちや。」と、飛鳥の手を引っ張り、部屋のドアの前まで飛鳥を連れて行く。
「ここや。」
そこで飛鳥は、部屋番号が書かれたプレートを見て、「んー…?」と考える。
「あー!」
「なんや?どうしたんや?」
「この部屋やっ!エリカさんと藤坂さんが長期滞在してた部屋っ!!」
「そ、そうなんか?」
「うん、間違いない。」
「ほ、ほな、鍵開けるで?」
「えぇよ。」
直輝がルームキーをスロットに入れ、ドアを開けると、飛鳥は走って部屋に入って行った。
「うわー!やっぱり!この部屋やー!!」
と言い、喜びながら、飛鳥は直輝に抱き付いて来た。
「直兄、ありがとー。」
「ま、まぁ、お前が嬉しいんやったらそれでえぇ。…にしても、ひっろい部屋やなぁ~?!」
と、驚く直輝。
「直兄?見てみてっ!!このベッド!!」
「うおっ!!デカっ!!」
「ここで、エリカさんたち寝てたんやで?」
「そ、そうなんか…。」
直輝と飛鳥の2人は、キングサイズのダブルベッドの上で、靴を脱ぎ、
くつろぎながら明日のデートの会話をしていた。
「なぁ飛鳥?」
「な、何?」
「お前、明日のデート、どんな風にするつもりなんや?」
「わ、分からん。」
「分からん、てお前。」
「だって、人生初のデートやもん。」
「その先輩は、女の子と付き合ったことあるんやろ?」
「え?ううん、無い言うてたで?」
「は?ほな、童貞か…。」
「そう、みたい。」
「なぁ、直兄?」
「なんや?」
「私、どうしたらええかな?」
「どうしたら、って、流れに任すしかないやろ?」
「それはもうまこちゃんや響香ちゃんたちからさんざん聞かされてる。」
「まぁ、あの2人は彼氏おるからな。」
「うん。」
と、そこへ、飛鳥のスマホのLINEが鳴った。
「な、直兄、ちょいゴメン。」
「あ、おぅ。」
直輝の膝の上で膝枕し、横になってくつろいでいた飛鳥は、そのままの体勢で軽く服装を整え、LINEに出た。
「あ、はい、もしもし?」
「あ、悠生さん?僕、鷹梨やけど。」
「あ、せ、先輩っ!ど、どうしたんですか?先輩から連絡くれるやなんて、珍しいやないですか。」
「明日のデートなんやけどな。」
「あぁ、はい。」
「ホンマに行く?」
「は?」
「せやから、悠生さんは、ホンマに行きたい?」
「行きたいに決まってますやんかっ!」
「そ、そうなんや。」
「いきなり何臆病風出してますのんっ!」
「そ、そんなんじゃ…。」
「悠生さん、今、ドコ?」
「い、今、ですか?」
「うん。」
「い、今は、家で、す。」
「家?」
「はい。」
「ホンマに?」
「はい、何で疑うんですか?」
「い、いや、さっきな、鈴原さんからメールあってな。」
「げ。」
「"げ"って?」
「あ、い、いえ、何でも無いです、どうぞ。」
「阿倍野筋の商店街で男の人と歩いてるトコ見た、ってメールがあってん。」
「そ、そんなメールが?」
「うん。」
「ってかオトコ言うても、兄と一緒に居たんですよ?」
「兄?お兄さん?悠生さんの?」
「そう。」
「ほな、今もまだ阿倍野に?」
「あ、は、はい。ごめんなさい、嘘付いて。まだ兄と一緒に居ます。」
「そうなんや…。」
「なんですのん?先輩、私のこと疑ってるんですか?」
「そ、そんなつもりじゃ…。」
「ほな、兄と代わりましょか?」
「え?あ、ちょ、ま、、、」と、千春に有無を言わさず、飛鳥は直輝に電話に出るように言って、スマホを直輝に渡した。
「もしもし?」
「あ、は、はい。」
「君が、えーと、明日、飛鳥とデートする相手かい?」
「あ、は、はい、鷹梨…千春、と申します。初めまして…。」
「初めまして。って言うか何やお前。はっきり喋らんヤツやなー。」
「オトコやったらどーんとせぇ!」
「は、はい、すいません。」
「僕は、悠生直輝。悠生家の次男で、飛鳥の兄や。大学2回生の20才や。」
「ご、ご丁寧に、どうも。」
「で、なんや?お前。お前は、飛鳥がお前以外の男と阿倍野の街で遊んでた思たんかいな?」
「い、いえ、そんなつもりは…。」
「飛鳥はな!明日のお前とのデートな、ムチャクチャ楽しみにしとんねんっ!」
「そ、そうなんですか?」
「"そうなんですか?"ちゃうわ!!」
「そやからな、明日はな、お前もオトコやったら、飛鳥をしっかりリードせぇっ!」
「そ、そんな…。」
「なんやねん、ホンマ、はっきりせぇへんヤツやなー。藤坂とはえらい違いや。」
「は?」
「や、お前には関係ないことや。」
「とにかく、や!明日は飛鳥に告れるくらいの勇気と度胸を持って、デートに挑むようにっ!!兄からの忠告はそれだけや!以上っ!!」
と言い、直輝は、晴喜に思い切り喝を入れ、飛鳥に電話を渡した。
「あ、先輩?」
「え?あ、うん。」
「ご、ごめんなさい、うちの兄が無理難題吹っかけて。」
「い、いや、大丈夫。」
「ほな私、明日のデート、楽しみにしてますよ?」
「う、うん。分かった。僕も。」
「じゃあ、今日はこれで。」
「うん、じゃあ、明日ね。」
そう言って2人は電話を切った。そして飛鳥は、直輝の身体を、両手をグーにして、思い切り、「バカバカバカっ!」と言いながら叩き続けた。
「バカ兄っ!何であんなこと言って先輩にプレッシャーかけるんや?!」
「は?プレッシャー?」
「そうやっ!」
「別にそんなんかけてない。僕はただ、オトコやったらもちっとはっきりせぇ、言うただけや。」
「それがプレッシャーや、ちゅうにっ!!はぁ~…。」
そんなやり取りがあり、2人の言い合いも収まり、「はぁ~…。」とため息を付き、
直輝がふと、窓の外を見ると、外はもう真っ暗になっていて、大阪市内の夜景が一望出来た
「飛鳥?」
「なに?」
「こっち来てみぃ?」
「なによ?」
「いいから、この景色見てみろ。」
「うわー…。凄い…。大阪の夜景が全部見える。」
「そやな。」
「飛鳥?」
「んー?」
「明日のデート、頑張りや。」
「な、どうしたん?急に優しくなって。」
「とりあえず今夜はここに泊まるから、僕が親父にそれとなく連絡しとくし。」
「ありがとう。」
「晩ご飯どうしよか?」
「何でもええよ。」
「ルームサービスでも取ろか?」
「うん、それでいい。」
そして、ルームサービスを食べ終わった2人は、明日の飛鳥のデートの話しをしてから2人は、キングサイズのダブルベッドに一緒に入って眠った。
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