4話  ヤクワリ

 ガラクタの山から這い出てきた5体のミニN2達は、N2の前に横並びで整列した。

 ミニN2達はパーツの材料がガラクタなだけあって、皆それぞれ体のつくりは不揃いだ。

 足があるもの、足の代わりに車輪がついてるもの、腕が太いもの、腕は細いが指先まであるものといった感じだ。


 仕組みは詳しく聞かなかったが、ICチップをばらけた金属などの中に放り込むと、適当なパーツを見繕って自分の体を形成出来るらしい。

 電磁石の切り替えでチップだけの状態に戻ったり、パーツをくっつけなおしたりが出来るようだ。

 なるほどーという風に聞いていたが、ひとまずこの子達を操作し、シェルターづくりを行うようだ。

 規模は宇宙船を覆える程度ということなので、大掛かりな作業になりそうだ。


「シェルター作成の作業に取り掛かってみないと分からないこともあるから、色々なパーツでどの個体がどの作業に向いているかを見るために形成をアレンジしてみたよ。

 金属の溶接は私が行うとして、ミニN2の主な作業は、

 ・端材の選別

 ・端材の運搬

 ・端材の整形

 といったところかな。

 選別に1体、運送に2体、整形に1体でひとまず作業に取り掛かり、定期的にローテーションしていこうと思う。む、一体余るな」


 と、N2の相談というか一方的な報告に、分かったというしかなかった。

 非常によくできた部下を持った気分だ。

 いや、もはや上司か?


「余った一体はメンテナンスとアップグレードに回そう。時期を見て私が行う。レイは作業効率を見ておいてくれ。恐らく私は、作業と操作で個体別作業効率までは見れない。重要な役割だ、よろしく頼む」


 N2はそういうと、さっそく準備に取り掛かった。

 ミニN2達も、各々の持ち場に付き作業に取り掛かる。

 まだ怠さの抜けない俺を気遣ってなのかは分からないが、俺は体を使う作業以外の役割を持った。


 選別役のミニN2が、ガラクタの山からシェルターに使えそうな端材を見つける。

 見つけた端材を、運搬役が宇宙船付近まで運ぶ。

 運ばれてきた端材を、整形役が溶接しやすいように整形し、それをN2が溶接していく。


 本当に操作されているのかと思う程、可愛らしく作業を進めるミニN2達。

 操作をしているN2は、やはり効率化を分析するほどの余裕はなさそうだった。

 さて、俺も役割を全うしよう。


 ある程度それぞれの個体がローテーションして、分かったことがいくつかある。

 選別役には2足歩行が必須だ。

 車輪の個体だと上層部まで手が届かずに下層部のパーツしか回収出来ていない。

 そのため、運搬役の待ち時間が発生してしまう時があった。


 逆に運搬役は車輪のほうが効率的だ。

 運ぶ道に落差はないので、車輪のほうが速度が増していた。

 

 整形役に関しては、どの個体も大差はないようだった。

 しかし腕だけの個体よりも、指先まで保有する個体の方が、整形物の質が高いように感じた。


 以上のことをN2に伝えると、

「分かった。作業割振りは、今の報告の個体にして稼働してみよう。それと私も気づいたのだが、私が操作するまでもない単純操作は、ミニN2達のチップをアップグレードして各々が行えるようにしておこうと思う。そうすれば私が操作できる個体も増やせるかもしれない。引き続き監督を頼む」


 了解、と返事をN2に返し再び持ち場に戻る。

 改善を行ってからは、作業効率が体感的にだが2倍ほどになった。

 金属製の壁がどんどん高くなっていき、宇宙船の半分ほどの高さに差し掛かった頃あることに気付く。

 そう、空が徐々に暗くなっていた。


 夜が来る。

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