星屑のアーティファクト

ゆるは

序章

0話  星のアーティファクト

あらすじを読んでいなくても時代背景が把握できるように設けた話です。

主人公が登場するのは1話からですが、0話も読んでいただけると世界観がより分かりやすいかと思います。

応援や感想ありがとうございます。

とても励みになっています。

それではどうぞ、お楽しみください。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 かつて地球に住まう人類は、宇宙へと活動領域を広げた。


 宇宙に広がる資源は人類の暮らしを豊かにし、人口爆発を引き起こした。


 人口爆発による資源不足と、地球外の星の領地の奪い合いが発展し、やがて戦争が始まった。


 しかし地球上での戦争は、条約で禁止されているため、宇宙での戦争が繰り広げられた。


 ひとたび宇宙戦争が始まると、人類の科学は凄まじい勢いで進歩した。


 人々は軍艦を宙に浮かせ、戦闘機は星間の移動を可能にした。


 更にはそれらに人工知能を搭載し、無人化に成功させたのである。


 無人で戦争を行う兵器を人々は「アーティファクト」と呼んだ。


 各国が持つアーティファクト同士の戦争は、数年間にも及んだ。


 やがて、ある科学者が開発した小さな人型のアーティファクト部隊が、この宇宙戦争に終止符を打つこととなる。


 彼らはかつてないほどの驚異的な制圧力で、他のアーティファクトを滅ぼし、参戦中の国々を無力化していった。


 そして、その小さなアーティファクト部隊を生産した国が、宇宙を治めることとなった。


 とある人々は褒め称え、またある人々は恐怖し、彼らの集団を「星のアーティファクト」と呼んだ。


 終戦に導き、平和を取り戻した彼らだが、平和条約が結ばれる条件に、開発者である科学者の死刑と、「星のアーティファクトの解体」という残酷な結末が待っていた。


 しかし非常に強固に作られた彼らを、完全に破壊することは出来ず、メモリの消去をした上で、戦争で荒れた遠い星に、永久に隔離するという形でこの宇宙戦争は幕を閉じた。


 再び戦争が起こることを恐れた人々は、この宇宙戦争を空想のものとして後世に伝えていった。


 人々は戦争を忘れ、アーティファクト達の存在もまた、忘れられていった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る