ディセント魔法學校生徒会日誌
妃芽歌
第1話 Beginning Ⅰ
地球と同じ周期にあって、真裏の時空軸に位置する惑星があった。
その惑星は至る所で「ガーネット」が地面から自生しており、
鬱蒼と生い茂る森になっているところも在った。
そこに脱出ポッドのようなものが不時着した。
その脱出ポッドから一人の男性が這い出てきた。
森の木々がクッションになって助かったようだ。
来訪者はあたりを見渡す。
森の木々(?)が陽の光に照れされて幻想的な光景が確かにそこにあった。
感動を覚えた来訪者はギリシャ語で「ガーネット」の意味を表す
「グラナティス」
と、未だ無名だったその惑星に名前をつけた。
この惑星に在るのは広大な大地に豊かなる自然。
地球においてはかつて存在し、現在は刻一刻と失われつつあるものだった。
来訪者はここに新たなる文明を創ることにした。
だが、それには問題点が存在した。
この惑星に住む種族との共存である。
来訪者は飽くまでも部外者。
勝手に文明創りを行おうものならば、一瞬にして戦争へと発展するだろう。
それだけは回避したい。
そう思った来訪者は種族の代表の下へ向かうことにした。
丁度、拠点としているガーネットの森の北端から南端まで貫く大通りで
銀髪・碧眼それに狼の耳を持つ「銀狼族」の12歳くらいの少女と出会った。
来訪者の年齢は30代前半。具体的に言うと32歳。
傍から見れば「ロリコン」扱いされるだろう。
が、「善は急げ」とも言うし、背に腹はかえられない。
なので、ダメ元であったが、その少女に事情を話した。
*****
一通り説明し終えたあと、来訪者は
「警戒されてるんだろうなぁ・・・・・」と話を聞き終え、何処かに通信している
少女を見て思っていた。
しばらくして、少女の通信が終わった。
「私達の種族・・・・銀狼族の巫女様があなたと会ってお話がしたいそうです」
「え・・・・・?本当ですか・・・・??」
今しがた銀狼族の少女から聞いた言葉が信じられなくて思わず聞き返す。
「はい。嘘ではなくマジです。なので私についてきてください。いいですね?」
「アッ・・・・ハイ」
何故か忍殺語風に答えを返し、少女についていく。
大通りを抜けた後、景観は文句がないくらいに素晴らしいが、手摺など一切存在せず、高頻度で飛竜が横行する落ちたら間違いなくお陀仏の空中回廊を登頂し、
着いたのは小さな社だった。
ここに到達するまで危うく落ちそうになって何度死を覚悟したことか覚えてない。
とにかく生きていることに感謝である。
「巫女様にお声をかけてきますのでしばしお待ちください。いいですね?」
「アッ・・・・・ハイ」
また、忍殺語だ。元ネタを知っているのだろうか・・・?
そんなことを考えていたら先ほどの少女が戻ってきた。
「現在、巫女様は銀狼族以外の種族の長と会談中です」
「え、それじゃあまだ待たないといけないですね・・・・・」
「え?誰もそんなこと言ってないじゃないですか」
「は・・・・?どゆこと?」
あまりの驚きによって丁寧語が消失した。
「丁度全種族の長揃ってんだから、今行って納得させてこい・・・ですよ」
「え?マジ?」
「だから、嘘ついてどうするんですか。さっさと行ってきなさいよ!」
「え・・・・、でも・・・・」
「『心の準備が・・・・』じゃないですよ!どんだけビビりなんですか!」
「んなこと言われたって・・・・・」
「『人前に出ると緊張して頭真っ白になるんだよ!』でしょ?」
「その通りだよぉ・・・・。どうしろっていうんだよ!」
「逆ギレしてどうするんですか!いいからさっさと逝ってきなさい!」
「なんか文字が違う気が・・・・・」
「逝け」
「アッハイ・・・・・・」
少女に最後は脅迫され、来訪者は社の中に入っていった。
続く。
ディセント魔法學校生徒会日誌 妃芽歌 @Toka_Luna
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