#きっと神さまが殺してくれる

々々


ちいさな、あまい、喘ぎ声が聞こえてくる。


女と呼ぶにはあまりに幼い、少女の快楽に溺れる吐息。


その、鼓膜を震わせる空気の振動に、わたしは微かな嫌悪感と、

得体の知れない感情が胸の底の方に、

暗く、澱のようにドロドロとしたものが年月とともに積み重なって。

わたしの知らない胸の底の底のところから、

静かに、ふつふつと、わき上がってくるのを自覚していた。



妹。



よくできた、わたしにはできすぎた、妹。



その部屋から、声が聞こえてくる。


妹のものではない、その声が。


わたしはそれを聞かなかったふりをして、自分の部屋に、ひとり戻った。



ドロドロ。

ドロドロ。

ドロドロ。



得体の知れない感情に、微かな吐き気を覚えながら。

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