#きっと神さまが殺してくれる
々々
①
ちいさな、あまい、喘ぎ声が聞こえてくる。
女と呼ぶにはあまりに幼い、少女の快楽に溺れる吐息。
その、鼓膜を震わせる空気の振動に、わたしは微かな嫌悪感と、
得体の知れない感情が胸の底の方に、
暗く、澱のようにドロドロとしたものが年月とともに積み重なって。
わたしの知らない胸の底の底のところから、
静かに、ふつふつと、わき上がってくるのを自覚していた。
妹。
よくできた、わたしにはできすぎた、妹。
その部屋から、声が聞こえてくる。
妹のものではない、その声が。
わたしはそれを聞かなかったふりをして、自分の部屋に、ひとり戻った。
ドロドロ。
ドロドロ。
ドロドロ。
得体の知れない感情に、微かな吐き気を覚えながら。
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