第21話 アジア・オープン

ゾンビ・ロバート氏は景山プロから招待されたアジア・オープンに参加することにした。行政との約束は破るが、大丈夫だろう。くろいぬ氏は仕事で行けない。小遣いとして、10万円だけもらった。

バス組は大阪駅集合だ。11人が集まった。知っている顔は、2人だけだった。

端的に言えば、バックギャモンとは、プロブレムである。このポジションで、どういうムーブが正しいのか、どういうキューブが正しいのか。それは何故かをディベートするのである。ある意味、数学好きの集まりだ。集まると問題を書いた紙が回ってくる。これに、一人ずつが答え、議論が始まるのだ。

バスの中でも紙が回る。各人が答えを書く。他のお客様もいるので議論は出来なかったが、それでも楽しい。不思議な人たちだ。バックギャモンに執りつかれている。

バスは夜の7時に、会場の大型ホテルの横に着いた。その横のレストランを東京組と合同で貸切っている。やること。それはもちろん、バックギャモン。

先着していた東京組は、一般組と将棋組に分かれていた。仲が悪いわけではない。和服組と洋服組だ。将棋界でも、バックギャモンがブームになっている。

何やら一つのポジションをめぐって、激論が戦わされている。うむ。難しい。ゾンビ・ロバート氏は唸った。

そこへ、突然、みゆきちが現れた。ドレスを着てトーシューズを履き、子供とダンスをしている。場違いだが面白い。みゆきちも、アジア・オープンに出るのだろうか。

受付は前日の午後8時半から。もうすぐだ。皆は支払いを済ませ、会場であるホテルに向かった。

受付にはタイの民族衣装を着たタイ人の女性が3人いた。既に何人かっは受付を済ませている。参加費は10万円。参加者は500人くらいだろうか。何しろ、3日制だから。

おっと、この話はここまでだ。現実が遥かに先行してしまった。次の話に移ろう。

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