第18話 景山プロからの返事

※この物語はフィクションであり、登場人物も現実と似ていようとも現実ではありません。フィクションです。


ロバート氏からのメールを見た景山プロは驚いた。ロバート氏は還暦の年に自殺したと聞いている。バックギャモン界では、精神を病み、破産して、アルコールに溺れて自殺したとして有名だ。

ゾンビ・ロバート。不気味だ。死んだというのはガセネタだったのか。それとも本当にゾンビになったのか。あれほど仲の良かったロバートだ。会いたい気持ちはある。しかし、俺はプロだ。タダで遊ぶようなことはしない。それに、今年はコロナ禍で海外遠征が無いものの、オンライン対戦で忙しい。神戸まで行けば半日仕事だ。半日あれば、10万円は稼げる。さて、どう返事をしようか。景山プロは少し考えた。そしてメールで返信した。


「ハイ、ロバート。ゾンビになったんだって。じゃあ、もう死なないな。国籍も住民票も無いのかな。くろいぬ氏の家に居候してるんだって。小遣いも貰ってるらしいじゃないか。いいな。

 俺に神戸まで来いということだけど、交通費は実費。移動時間手当はもらうよ。合わせて5万円でいいや。

 で、5ポイントマッチをやりたいということだけど、それは指導かな、勝負かな。

 指導なら3万円。賭け勝負なら3万円だね。5ポイントじゃ運の要素が大きいし、JBLの成績表をみたら、ロバートは33%も僕に勝っている。神戸まで出向いて赤字になるのは絶対に嫌だからね。

 まあ、勝負が終わったら、2025年の神戸オープンの話でもしよう。ロバートはマスコミや行政を動かすのが得意だからな。あれ、ゾンビじゃ無理か。

 とにかく、10万円用意できるなら、後は日程調整ですのう。僕は忙しいのよ。

 それでは、くろいぬ氏によろしく。再会を楽しみにしているよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る