水戸肛門

昆布 海胆

水戸肛門

「そうか、そうすればこの秘薬がこれで売れまくるという訳じゃな」

「その通りでございます」

「越前屋、お主も悪よのぅ」

「いえいえお代寛さまこそ」

「ぬはは」

「くふふ」

「ぎゃははははは!!」


とある屋敷の一室で男達が悪巧みの話をしていた。

しかし、それを屋根裏で聞き耳を立てている者が居ることに二人は気付かない。

そして、翌日…


「これを井戸に入れれば一生遊んで暮らせるぜ」


嬉しそうに道を歩く越前屋の店主、その前に3人の男が立ちはだかった。

左には非常にエロそうな顔をした猿みたいな農民。

右には下半身を丸出しにした変態。

そして、中央には杖をついた黄色い服装の老人が居た。


「なんですかな?」

「やいのやいのやい!おめぇさんの悪巧みは全て丸っとお見通しでゴザンスヨ!」

「なっなにをいきなり?!」

「その手にしたクスリを井戸に入れるつもりだろうが、既に捕らえた大官が白状しているぞ!」


下半身を丸出しにした男の真面目な台詞に吹き出しそうになりながらも越前屋はしらを切ろうとする。


「なにを言ってるのか分からんが俺を愚弄するって事がどういう事か分かってないみたいだな!」


その言葉にどこに隠れていたのか数人の部下が駆け付けてきた。

それを見た老人は小さく溜め息を吐いて杖を地面へ突き刺した。

それに合わせて横の二人が動き出す。


「控えおろう!この方をどなたと心得る!頭が高いぞ!」


下半身を露出した男が叫び、エロそうな男が老人の着ている着物を一気に脱がした!?

そこに立っていたのは亀甲縛りで体を縛ったフンドシ姿の老人である。


「こちらにおわすお方はさきの福将軍、水戸肛門様でおわされるぞ!」


そう言われるのに合わせて四つん這いになり尻を丸出しにする老人。

全く意味が理解できない越前屋達は唖然と固まっていた。


「貴様達!この淫老が目に入らぬか!」

「助平さん、隠さん、こらしめて犯っておしまいなさい」


そこからは二人の男によるアーッ!な惨劇が繰り広げられた。

それを見ていた越前屋は怯えながら逃げようとするが…

ムニュッと何かを踏んで止まった。

恐る恐る足元を見ると…


「残念だがそれはワシのおいなりさんじゃ」

「ひっひぃぃぃぃぃ!!!??」


悲鳴を上げて後退る越前屋、越前屋は見てしまったのだ。

御淫居の股間がみるみる暴れん坊将軍に変化するのを!

そして、背後に誰かの気配を感じた時には首にロープが巻き付いていた。


「っ?!」


叫ぼうとする瞬間その体は宙へ浮かぶ。

首に巻かれたロープは垂れ下がったまま、いつの間にか越前屋の股間にもう一本のロープが巻き付き引き上げられていたのだ!


「ひっひぎぃぃらめぇぇぇぇ!!!」


叫ぶ越前屋、だがそのロープは近くの建物の屋根を経由し下半身を露出した隠さんが握っていた。

そして、そのロープを自身の暴れん坊将軍で…


「天誅!」


ピィーン!

と弾くと共に越前屋の股間から液体が飛び散る。

斯くして越前屋を成敗した一行は御淫居の元へ移動する。


「助平さん、この肛紋所を見てくれ、どう思う?」

「凄く…恐れ多いです」

「うむ、これにて一件落着!」




こうして、また悪が1つ成敗された。

水戸肛門御一行は明日もまた悪を成敗しに行くのであろう…


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