国家文学者は、事件にまみえる

きりぎりす

第1話プロローグ

まぁ、これから少し堅苦しいが、しかたないか説明は大事だからな王都ーーそれがこの国の中心地だ、議会制となった今でも王はいる

表の王様に、認印をもらい人は国家文学者となる

「紀蔵長谷(こうくらはせ)これより国家文学者を認めます」

「ありがとうございます、陛下」

 女王様はなるほど、親しみやすい笑顔、柔らかい雰囲気だけれどどこか

侵しがたい気品を感じる

わざわざ議会まで言ったかいがあるものだ

(これが、陛下か、なるほどねー)

300年もの間ーー「おらるど共和国」が攻めてくるまでこの国の政治を担ってきた一族その末裔

 今は、政治の中心から外され外交や、国家のプロジェクトの認印などをしている

一族なのだが「偉大だ」しか出てこない

それはそうとして、この男少しワクワクしている

自らが歴史のその一場面に立ち会えたような感動

「それではーーあなたの言葉を聞かせてください」

500と続く、その問答

 回答者は、自らの魂にかけてこういうのが決まりだ

「この命を、この血を使い―必ずや人々を幸せに導きましょう、そしてそれを陛下

あなたに見せてごらんに入れましょう」


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