第2話  誕生会のインタビュー

保育園ではだいたいどこでも誕生会というものがある


それは年齢ごとに分かれたクラスが全部集まって、その月生まれの子を


お祝いするという行事だ


俺がいた保育園では「先生の出し物+歌+誕生日インタビュー」みたいな


感じで行事が行われていた


先生の出し物って?と思われる方には、後日また別のエピソードで説明します


今回はその中の誕生日インタビューについての話


大体において、大人から見るとインタビューなんて一言話すだけだろ、って


思いがちだけど、保育園の子たちは経験が少ないからそれぐらいのことでも


大緊張しちゃうんだよ


小さいクラスの子とかだと、前に出ただけで大勢に見られてるから泣きだしたり


大きい子でも、けっこうみんなカチンコチンになっちゃうんだよ


俺はそのとき3,4,5才の子たちの合同クラスを持ってて、その月はNちゃん


っていう、4歳の子の誕生月だったんだ


で、本番で緊張しないようにどうするかというと、前日とかにクラス内だけで、


遊びの延長のような形でインタビューの練習をするんだよ


で、その月はたまたま俺が誕生日会の司会の当番の月だったもんで


余裕だな、って思ってたんだ


で、前日にNちゃんとの練習で


俺:「好きな食べ物はなんですか?」


Nちゃん:「梨!」


俺:「好きなおもちゃはなんですか?」


Nちゃん:「プリキュア変身セット」


とかって、結構余裕で練習してたんだ


で、本番になって、余裕かましてたら俺が司会で緊張しちゃったんだよね


で、焦って予定してた順番間違えて質問しちゃったんだ


「Nちゃん。好きなおもちゃはなんですか?」って先に聞いちゃって


そしたら、まぁ普通に間違えるわな


Nちゃん「梨!」って大きな声で答えてくれたんだ


で、俺また焦ってフォロー入れようとして


「好きな食べ物答えてくれたんだね。ありがとう」って言ったら


Nちゃん「違うよ。梨のおもちゃが好きなんだも―ん」


って凄まじいアドリブで答えてくれて、会場大爆笑


確かにおままごとで使う梨のおもちゃあるけど


Nちゃんは末恐ろしい子だなって、今になっても思う


Nちゃんあの時は先生の方まで助けてくれてありがとう!

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