2025 ここからが本番
C.E.2063_0501_1216
「お嬢さん方、俺たちの船は近づけませんので、確かお嬢さん方は飛べますよね?」
船は、海岸から約300メートルの距離を置き、これ以上は近づけないだそうだ。
「ええ、まあ、でもどうしてですか?」
「ここ数年、本島の戦争はかなり激しくなり、巨大で凶暴な野生動物も多い、これ以上近づいたら、巻き込まれる恐れがあります。」
「そうですか、わかりました、ありがとうございました、船長さん。」
まあ仕方ない、大した問題じゃないしな。
「ゆうちゃん、あそこの崖の上に門を開いて。」
「了解ですわ!」
佐佑が付いて来てよかったな、千月だけだったら、大問題だ。
「わぁーー!」
「もうさーちゃんったら。」
「だってゆうちゃん、こんなに広い所、見たことないじゃん!?」
「確かにそうですね、ちょっと感動しましたわ。」
目の前に映したのは、広い平野だ、嘉南平原という、多数の川によって出て来た、沖積平野だな。
うちらは、東石埠頭の南方約3kmの崖から降りて、丁度この嘉南平原の真ん中にいるだろう、まあ23年前の内蔵マップだし、推測しかできない。
「あれは……」
「お姉様…あれは、廃墟ですね?」
ああ、想像をしたが、やはり実際に目の当たりにすると、感触は全然違うな。
果てしのない廃墟だ、まるで、廃墟の森だ、ここからではよく見えないが、廃墟全体に絡まっているのは蔓だけではないようだ、なんだあれは…?
「大きな花ですわね。」
「ねえちゃん、ここって、本当に人間がいるの?」
ああ、確かにそんな錯覚があったな、この雰囲気、いわゆる天外魔境だな、もしかしてここにいるのは人間じゃなく、魔物の世界、あと魔王もいる、とにかくそんな感じだ。
「ねえちゃん、僕、このあたりにちょっと回していい?」
「いいよ、ゆうちゃんも一緒に行って、あまり離れないてね。」
「わかりましたわ、お姉様。」
「…………」
千月?さっきから廃墟をじっと見つめて、どうかしたか?
「……私、一体、どうしてこんな所にいるの…?」
千月?どうした?なんか具合が悪いぞ?
「……私、もう、帰りたい…こんなの、私の居るべき場所では…ない。」
ヤバイ、千月のやつ、またいきなり落ち込んてる。
『おい!しっかりしろ!おまえがいないと、あの子達死んちゃうぞ!?』
「……っ!」
『前向きで考えろ、うちらは早く隔離空間を解除すれば、他の任務をやる必要も自然となくなるぞ?おまえ、大金持ちになれるんだぞ?』
「いーちゃん、わかってないね…」
『何を…?』
「私が帰っても、大金持ちにはなれないよ、それところか、政府に囚われ、生産道具になると思うよ、前もいったでしょう?」
『……ああ、まさか、おまえはここで死ぬつもりか?』
「あんなことをされるくらい、死んた方がマシよ!」
ちっ、落ち込んたら、マイナス思考になるのか、こういう時は年頃の女の子と変わらないな、面倒なやつだ。
「お姉様!!」
うん?なんだ?
「ねえちゃん!変なのが来たぜ!」
変…?え?ええーー!?
「ふええーー!?」
な、なんだあれは…ドラゴンか!?
「アハハ!すごい!こんなものもあるなんて!」
『てめえ!笑う場合か!?』
全く持って面倒だ!いきなり笑ったり落ち込んたり、あといきなり興奮したり凶暴になったり、忙しいやつめ!
とにかくヤバイことになったのだ、なぜかうちらは、巨大なドラゴンみたいな生き物に襲われているのだ!
「さーちゃん!あいつの周りを真空状態にして!」
「しんくうってなんだよ!?」
あ!ダイブしてきた!
「わあー!」
おお?佑芳は間一髪で地面を隆起し、ダイブ攻撃を防いた!
「ゆうちゃん!」
「危ないじゃないですか!このトンボ!」
いやせめて鳥っていってよ。
そうだ、こいつドラゴンなんかじゃない、ハゲワシだ!しかしなぜか頭部以外全部西洋の想像生物のドラゴンみたいだ!5メートルくらいの大きさがあるぞ!
「さーちゃん!やつの周りの空気を全部消して!」
「そんなことできないよ!」
マジかよ…風の操作ができるのに、空気を抜けることができない?いやもしかして方法はわからないのか?
「ゆうちゃん!あいつの周りの重力を増強して!」
「じゅうりょくってなんですの?」
がああぁぁー!?湧にい!おまえは一体どんな教育をしてたんだよ!こんなこともわからないのか!?
「お姉様!危ない!」
ああ!あいつは千月に向けて飛んて来た!
《イブ・システムー身体機能サポートプログラム、起動しました、出力10%。》
「へっ!こんな鈍い攻撃よっと!」
おお!?やはり当たらないな、イブは久々に起動したぞ。
「おお?ねえちゃん早い!すごい!」
「ふん!」
千月は間一髪であいつの爪を避けたあと、一回転してあいつの顔面にキック!
……びくともしない。
「あっちゃー、物理攻撃無効みたい。」
『そんなわけあるかボケ!おまえ攻撃力がないだけだろうが!』
ちっ、あいつは地面から飛び掛ってきたぞ!
「さーちゃん!風であいつの上から地面に押し込んて!」
「あいよ!」
ガァァーーーーーー!
こいつ、鳴き声すらドラゴンに似ているぞ!
「よし!ゆうちゃん、あいつの周りの地面を陥落させて!」
「かんらく…」
「穴になって!」
「わ、わかりましたわ!」
こりゃ駄目だな、見聞を広める以前の問題だぞ。
そしてあいつは、穴に落ち、時間切れたあと、地中に封じ込められ、露出したのは頭だけになった、これで終わったな、この子達がいれば楽勝だ。
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