第135話 ロイヤルブリティッシュコロンビア博物館

特別展示が絶妙なタイミングで、1942年から49年の日系人の隔離政策についての展示でした。Broken Promisesという展示で、11月まで展示されているそうです。

日系人たちは、戦前移民して、米ワシントン州では主にイチゴの栽培、カナダブリティッシュコロンビアでは漁業などを営んで生活していました。第二次世界大戦中アメリカでもカナダでも彼らは財産を没収されて収容所送りになり、戦後も多くの人がもとの暮らしには戻れませんでした。


知事から「ここは白人の土地だ」と宣言され、法的に正式な手続きで購入したにもかかわらず土地を没収された話や、日本人が作った農場などもそのまま取られていて、土地の没収の嘆願に記名した白人住民の名簿が残っていたり。着の身着のまま送られた収容所で強制労働とか。いやぁもうキツイ。昔キツイ。しかも今も表立っては言えないけど同じような考えの人がいるよね、アメリカにしろカナダにしろ。「この国は白人の国だ」とかいう。原住民を殺して、建国され移民によって成り立ったんだから、いろいろな人種でやってくしかないんだけどねえ。


…そんな展示の説明をいちいち読んでは娘が説明してくれました。

大きくなったなあ。すごいなあ。前回来た時は原住民アボリジニの展示見て、売店できれいな石を買ってきただけだったのに。感慨深い。


日本にルーツを持つものの、3年しか日本に住んだことがない娘。日本語は漢字があまり読めない。当然日本の学校にも行ったことがない。この頃見た目は日本人で、アメリカ人(6年居住)でもカナダ人(5年居住)でもない自分に思うところがあるらしいのだけど、母親の私は、娘のいら立ちをどうしていいかわからない。いろいろ真剣に考えさせられてしまった展示だったわ。

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