未来

自他ともに認める豪邸。

真っ赤なスポーツカー。

休日はゴルフ、音楽をやり

仕事では今ノリにノっている会社の社長。

そんな未来を想像していた。

忘れもしない。あのログハウス。

あそこで俺の人生が変わった。

今、俺は無職。

会社から退社を勧められたので応じた。

もう2年無職だ。

アルバイトと貯金で食べていけるが

もう貯金も残っていない。

求人募集の貼り紙を探そうと

町内の商店街を歩いていた。

すると電化製品店の展示テレビで

豪邸訪問の番組がやっていた。

まさに自他ともに認める豪邸。

そこには真っ赤なスポーツカー。

彼は休日はゴルフと音楽を楽しみ

仕事では好成績の社長だそうだ。

女性キャスターがそいつに話しかけた。


「こんなに大成功したキッカケなどってありますか?」


彼は愛想よく答えた。


「忘れもしませんよ。あのログハウスで僕は

自分の未来を想像していたんです。

成績は残せず

会社から退社を勧められ、

アルバイト生活をしている自分を。

その日から人生が急激に変化したんです。」

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