心美さんは、愛されるより愛したい

水無月 獅堂

第1話プロローグ インパクトの強い美少女

四月八日・・・とうとうこの日が来た。本日、僕こと瀬戸 双獅郎は聖蘭高校一年になる。

皆さんも高校生になる時に目標を立てたと思いますが、僕の目標はズバリ!穏やかな生活・・・これに限ります。中学の頃は、目つきが悪いせいで、ヤンキーに絡まれたり大人には常に誤解されまくり・・・女性、子供には恐怖され泣かれる・・・ヤバい・・・思い出して泣けてきた・・・

スマホを取り出し、時間を確かめる。現在7時47分。入学式まで時間はまだある。

少し探検してみようか・・・表通りから、一本小道に入り細道をどんどん進む。

すると、幻想的な桜のトンネルが現れた。

「すごい・・・本当に綺麗ですね・・・」

しばらく、桜のトンネルに見惚れながら、歩いていくと、古びた神社にたどり着いた。

「こんな所に神社があるん・・・・」

「うーにゃー(泣)助けーてー・・・」

んん・・・?なんか声が・・・?

声のする方に歩いていくと・・・・毛玉の山があった・・・何を言っているかわからないかもしれないが、大丈夫!僕もわからない・・・

「うにゃー(泣)暑いよ~肉球が気持イイよ~べっぴんさんやイケメンさんが多くて幸せだよ~(恍惚)」

あれ?喜んでらっしゃる・・・?助けなくていいのかしら・・・?

僕が困惑していると、毛玉の山・・・声から察するに女の子か・・・毛玉の山さん?から再度help要請が掛かった。

「にゃー(泣)そこの君!私を助けてー!入学式遅刻しちゃう~」

慌てて、スマホを見れば、8時15分・・・少し急がねば僕も遅刻してしまう。

僕は毛玉の山に突貫する。

「いてて・・・そこに爪を立てるな!そこは皮膚の薄い場所ーーーー!」

毛玉の山をかき分け、右手を伸ばす・・・手に温かな感触を感じ、思いっきり引っ張る。

小さいな、物体が勢いよく飛び込んできて、慌てて僕は抱きとめる。

ものっそい、やわらか!温かくていい匂いがする。それにものすごく綺麗な白い髪・・・白?

僕、二度目の困惑タイム突入・・・考慮時間いっぱいです。

「うに!ありがと~幸せすぎてお花畑が見えたよ~私、聖蘭高校一年の神鳴 心美かみなり ここみ・・・よろしくね。それと君に決めたよ!」

これが、僕こと、瀬戸 双獅郎と、神鳴 心美との希望と波乱に満ちた高校生活の幕開けだった。

色々、気になりますが君に決めたって、なんです?

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