夢追い人
愛原 夢音
第1章 カフェ・テリーヌ
第1話 営業外の喫茶店
星川美優は、あるカフェで働いていた。カフェといっても、こじんまりとした隠れ家的な場所だった。
星川美優は、親戚が経営している
このカフェでアルバイトとして働いている。事情があって北海道からこの東京に引っ越してきた。
このカフェの2階にはいくつかの部屋があり、そのうちの一部屋を借りて美優は生活していた。このカフェは、美優の親戚とその夫が経営している。美優の事情を知り不憫に思った親戚が、美優をアルバイトとしてカフェで働かせようと夫に相談をし、今現在、このカフェの店員として雇っているところだ。美優は人見知りでおとなしく、あまり話すほうではないが、仕事は一生懸命こなし、慣れないながらも仕事をこなしていた。そんな一生懸命な姿に心打たれる客も少なくなかった。そのため、美優は"みーちゃん"という愛称で呼ばれていた。
そんなある日ーカフェが閉店の時間になり春彦が店を閉めた途端、美優の心の声が漏れた。
「疲れた〜!」
「みーちゃん、お疲れ様」
「桃さん!お疲れ様です!」
「みーちゃん、お疲れ」
「マスターも、お疲れ様です!」
桃というのは美優の親戚の戸田桃で、マスターというのは、桃の夫で戸田春彦だ。
「もう上がっていいわよ」
「はい、ありがとうございます」
「そうだ、みーちゃん、どうなんだ最近」
「最近?」
「ほら、あれだ、書いてるんだろ、小説」
「小説だけじゃないですよ。エッセイも書いてます」
「あー、そうだったな」春彦が笑った。
「調子はどう?進んでる?」桃も前のめりになって言った。
「そうですね、少しずつですけど。」
「よかったわね!書き終わったら見せて!楽しみにしてるね」
「はい、わかりました。ありがとうございます。」美優は嬉しく思ったが、その反面、プレッシャーも重くのしかかった。
「俺も読みたいな。みーちゃんの物語、楽しみだな」
「ありがとうございます!そう言ってくれると、嬉しいです」美優は笑った。
「そろそろ、寝る準備して寝ないと…じゃあ、おやすみなさい!また明日、よろしくお願いします」
「うん、また明日ね!」桃が言った。
「おやすみ」春彦が言った。
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