「敷居が高い」?

 突然ですが、前のエピソードで、私は以下のように表現しました。


「本当は、もっと前から、レビューとか感想コメントを書きたかったのですが、敷居が非常に高かったのです」


 さて、この文を読んで、間違っているぞ! と思うでしょうか? それとも、別におかしくないのでは? と思うでしょうか?


 シュレーディンガーの猫さんに指摘いただいて(いつもありがとうございます!)コメントを読んだとき、実は私は「なぜ???」だったのです。

 しかし、シュレーディンガーの猫さんが間違っているはずはないので、急いでネットで検索、辞書の確認をしました。

 

 すると、面白い事実がわかりました。


 まず、本来の意味は、「不義理や面目のないことがあって、その人の家に行きにくい」(広辞苑第七版)です。

 なので、私のこの場合の使い方は間違いです。


 しかし! ネットを検索してみてください。

 

 例 https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/gimon/198.html

 このNHK文化放送研究所のページの説明によると、平成20年度文化庁「国語に関する世論調査」による結果として、


「敷居が高い」の意味について:

(ア)相手に不義理などをしてしまい、行きにくい・・・42.1%

(イ)高級過ぎたり、上品過ぎたりして、入りにくい・・45.6%


 という結果だというのです。そして、年代が下がるにつれ(イ)の意味を選ぶ人が多くなるそうです。


 私は、完全に(イ)の意味としてしか把握していませんでした。(いえ特に若くはないのですが……)

 特に、私の場合は「難易度が高い」という意味で捉えていました。


 変化していく言い回しの例ですかね?


 さて、いずれにせよ現在のところ、正式には上記(ア)の意味と用法が正しいということになっているので、前のエピソードは修正しました。

 勉強になりました!



 

 さて、こんな間違いを減らすようにと購入した辞書引き機能と「共同通信社 記者ハンドブック辞書」は、いったいどうしたのだ? 自分でも、なぜ?という気持ちでした。

 

 まず、記者ハンドブック辞書の名誉のために言いますと、「非常に敷居が高いのです」を変換すると、赤字できちんと「記:確認」の警告が出ます。そして、変換中、辞書がポップアップされ、意味がちゃんと表示されます。そこで辞書にきちんと目を通していれば、こんな間違いにはならなかったのです。


 つまり、単に自分がその警告に気がつかなかったと言うことです。

 

 そして、なぜ警告に気がつかなかったかというと、文章をどんどん早く打ち込み変換しながら書いていると、あっという間に警告が消え、警告の意味をなさなくなるからなのです。


 ということで、今回の件の教訓。


 もっとゆっくり入力して、変換の結果を一つ一つ確認しながら、そして、言い回しがあったときに警告が出ていないか気をつける。

 丁寧な入力こそ、誤字脱字や用法の間違いを防ぐ一番の方法だということです。

 

 結局ツールも使う人次第ですね……。せっかく導入したツール、使いこなせていないと、宝の持ち腐れ、ですね。今後はしっかり活用できるよう経験値を積むことにします!



 

 宝の持ち腐れ:役に立つものを持ちながら、利用しないこと(広辞苑)。この場合、「役に立つものを持ちながら、使いこなせない」場合は、使い方を間違っているのでしょうか……???

 日本語、難しい。


 追記:

 なお、校正ツールでは、この間違いは見つけることができませんでした。一太郎、ワード、日本語校正サポート、いずれも指摘はありませんでした。

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