一太郎とワードの校正機能の比較

 さて、このエッセイを書き始めて、重大な見落としに気がつきました。


 なんと、ワードにも校正機能があるじゃないですか! しかも、上部リボン上に、思いっきり『校閲』のタブがあり、「スペルチェックと文章校正」のボタンがリボン左端にある!



 なぜ私がその存在に気づかなかったかというと、……私のウィンドウズ環境が英語版だからでした。

 ちなみになぜ英語版かというと、居住地と仕事の関係です。

 

 英語版のウィンドウズにマイクロソフトのオフィス製品、ここではワードをインストールすると、英語優先になります。メニューなども全て英語になります。もちろん日本語入力等の機能も設定できるので、通常は問題はありません。きちんと日本語の文章も書けます。


 しかしながら、特定の機能が隠れてしまいます。一つは、日本語用紙関係。原稿用紙設定などが使えません。


 もう一つが、日本語校正サポート機能です。全く隠れてしまいます。代わりに英語の校正(スペルチェックなど)が前面に出てくるのです。当然と言えば当然ですね。


 そして、なぜ今になってそれに気づいたのか?


 そこには、……深い理由があります。本当に深いんです。


 まず、一太郎を英語版のウィンドウズにインストールすると、メニューが文字化けします。


 そう、この国際化の時代にあって、一太郎は英語版ウィンドウズでの動作をサポートしないのです! ウィンドウズ自体は日本語サポートしているにもかかわらずです。普通のソフトは、マイクロソフトの開発標準に則っていれば、問題なく使えるはずなのです。


 しかし! 一太郎は違いました。メニューがことごとく文字化けするのです!

(さすが古いだけある……。ジャストシステムさん、今時……せめて文字化けしないようにしてくれませんか?)


 解決策としては、最終的にウィンドウズ自体を完全日本語モードにする必要があります。

(システム言語を日本語にした上で、UIも日本語を選ぶ)

 

 幸い、これはウィンドウズ自体の標準機能です。

 ただ、これをすると、逆に英語版のソフトに問題がない訳でもないのですが……まあ、今は執筆優先です。


 こうして、無事一太郎を正常に使えるようになって、そちらを使い始めたのですが、このエッセイを書き始めて、先ほど久しぶりにワードの機能を確認しようとして起動したら、メニューが見事日本語になっていたのはいいのですが、校閲のタブがでーんと、真ん中にあることに気づいた次第です。

 

 OSが日本語になったので、オフィス製品のメニューも機能も全て日本語優先になったから、それらの機能が前に出てきたということでしょう。


 

 ということで、気を取り直して、せっかくなので両者の日本語校正機能を簡単に比較してみました。

 一太郎2019とワード(Office365付属Ver 16)での比較です。

 

 ■一太郎

 

 ・ 校正のスタイルとして「小説」を選べます。ほかに、ですます調、である調なども選べます。カスタマイズでのオプション項目はワードより多いです。 

 ・ 選択範囲の校正は可能

 ・ 結果の一覧表示が可能

 ・ 校正の指摘の理由が表示されます

 ・ 置換候補、一括置換、辞書登録、無視が同じUI内で行えます。

 ・ 文章中でハイライトされた指摘箇所を元に修正できます。文書中任意の指摘箇所を任意に修正できます。

 

 ■ワード

 

 ・ 校正のスタイルは「通常」か「くだけた文」しかありません

 ・ 選択範囲の校正は可能

 ・ 結果の一覧表示が不可。検索のように、次へ次へのUI

 ・ 校正の指摘の理由が表示されます

 ・ 置換、無視、スキップのみ

 ・ 指摘箇所の常時ハイライトなし

 

 

 使い勝手は一太郎の方がはるかに上だと感じました。一太郎は、使い勝手を考慮したUI設計になっていますが、ワードの方は、とりあえず機能をつけたという感じです。


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