第2話 自己紹介
まず、自己紹介をしよう。私の名前は荒木優太。日本で生まれて日本で育ち自衛隊に入った。が、2年程で除隊した。理由は簡単、精神的に耐えきれなくなったからだ。戦地に行くたびに私は大きなショックを受ける。それが、積み重なるうちにうつ病になってしまった。
ようやく戦場から離れて普通の生活が送れると思っていた。
いくら自衛隊時代にたまった金があると言ったって、やはりそれもいつかは底をつく。
なので久々に就職活動をしてみた。が、そこら辺にある上流企業は全て落ちてしまった。なぜなら、私が高卒だったからだ。私はこの時、つくづく学歴社会の厳しさを思い知った。途方にくれているある時、傭兵をやっている友人、鈴木健が私に声をかけてきた。
「自衛隊をやっていたなら傭兵をやらないか」と、ものすごく爽やかな笑顔で聞いてきた。私はまたあの戦場に行くのかと思うと正直死ぬほど嫌だったが、他に選択肢もなかったので仕方なく「じゃあそうすることにしよう」といった。そして、一年程、海外の紛争地帯を巡って、ようやく休暇が取れたので日本に帰ることにした。空港からタクシーで自分の実家に向かう途中花を買っていった。
私の両親は、私が18歳位の時にあの世へ行ってしまっていた。実家に着いたらまず着替えて花を持って墓参りに行った。銃声の代わりに鳥の鳴き声が聞こえて、怒鳴り声や悲鳴の代わりに子供たちの叫び声がきこえるここがとても平和に思えた。そのあとしばらく歩いていると突然右肩にとてつもない衝撃が来た。右を見たら五十歳位の運転手が驚いた顔をしてこちらを見ていた。なぜ?と思った瞬間、私の意識は途切れた。
砂漠の明日は? @emepu
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