かいしんのいちげき!

未桜

プロローグ

(もう、ダメだーーーーーー)


 一ノ瀬くんへの気持ちを全部封印したはずなのに...。



 キミの笑顔を見るだけで、キミの言葉を聞くだけで、ほら、好きという気持ちがこんなにも溢れだして止まらない。


 いつの間にか、こんなにもキミの事を好きになっていたなんて自分でも気付かなかった。


 いくら気持ちを封印しても、一度好きだと気付いてしまったその気持ちを、もう止めることなんてできない。


「綾瀬?」


 黙りこんでしまった私のことを心配そうに覗きこんでくる。

 そんな彼を見て私はさらに胸が苦しくなるのを感じた。



(この気持ちを一ノ瀬くんに伝えたい、どんな結果になったとしても伝えないで後悔するよりは全然いいもん)


 意を決して勢い良く顔を上げると一ノ瀬くんの顔が近くにあったので、びっくりして顔が赤くなったがそんなのはもう気にしない。


 それよりも大事なことが、伝えなければいけないことがあったから。



 キミのことが好きだから...。


 だから、今キミに伝えるよ

 ありったけの気持ちを込めてーーーーー



「君のことが好き!」

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