バフォメットの世話係

第1話

　人間の社会では、人を侵す様々な厄を祓うために、スケープゴートを用いました。

　この世界で産まれる山羊は原則的に白い毛で生まれます。

　山羊は様々な厄を吸って体毛が黒色に向かって変色します。変化量は厄の強さに比例する。

　体毛が真っ黒に染まった山羊は人間の様な身体に角を生やした悪魔に変容します。

　厄の力で魔法を用いる人間を超越する悪魔は人々をから恐れられました。

　厄を祓いつつ悪魔を生まない為に人々は厄を吸わせた山羊が真っ黒に染まる前に殺しました。

　山羊を殺す剣は厄を祓う力を有していますが、人体を切れない関係で山羊に移してから剣が使われてます。

　これが、スケープゴートの内容です。　厄は主に病気など。

　人間の少女（Ａ）は厄を吸わせた末、悪魔祓いに殺される山羊（Ｂ）を育てています。

　殺す代わりには成り得なくても精一杯の幸せを経験して欲しいと願う少女（Ａ）は山羊（Ｂ）を可愛がっていました。罪悪感から？

　自分が厄に侵されていると気付けなかった少女（Ａ）は、想定外の厄を山羊（Ｂ）に吸われました。

　少女（Ａ）が侵されている厄を吸った山羊（Ｂ）は悪魔に成りました。

　悪魔祓いから逃げる悪魔（Ｂ）と遭遇した少女（Ａ）は、人として間違っていても悪魔（Ｂ）を逃がしました。

　悪魔への加担を責められた少女（Ａ）は、激情する悪魔祓いから殺されそうに成りましたが、戻ってきた悪魔（Ｂ）に助けられました。

　悪魔（Ｂ）から厄を受けた悪魔祓いは少女（Ａ）を抱えて逃げる悪魔（Ｂ）の討伐に失敗しました。

　悪魔祓いは山羊に厄を吸わせて元気に成りましたが悪魔（Ｂ）と逃走に加担した少女（Ａ）を憎んでいます。