夏帆サイド

第25話 母親を殺してから

お兄ちゃんに私の全部がバレて、病院に行かない条件としてお兄ちゃんと一緒の学校に行く事になったけど。

とっても嬉しいから歓迎だけど。


少しだけ首を捻る。

私の性格ってやっぱりおかしいのかな。

だってみんな否定するし。

そして、みんな私を嫌っている。


いつも思うけど、お兄ちゃん以外みんなぶっ殺したくなるけどそれじゃダメなの?

全くと意味が分からない。

何で人間も生物も殺しちゃいけないの?

邪魔な物を消しちゃ駄目なの?


妨げる壁を.....取り除いたら駄目なの?

何でなのか意味が分からない。

私は.....。


横でお兄ちゃんが必死に頭を下げている。

だから私は.....仕方が無いから頭を同じ様に下げてそして今。

夜中に至るけど.....。


私は混乱している。

どうしたら良いのか、という感じで。

本当に私はこれから先.....どう生活すれば良いのだろう。

全く分からない。



でも思えば私は学校では独りだった。

常に独り、孤独、ボッチ。


暗闇の中で独り。

何故ならクラスメイト達は私の事を恐れたり、変人扱いしているから。

だから私は.....独りだった。


そんな私に天から手を差し伸べる存在が次々に出来た。

誰かって?それはお兄ちゃん。

更に言えば巫女さんやお父さん。


松添、菊池とかそういうの。

みんなお前は独りじゃ無いとそう言っている。

私はその手を強く握る。


そんな中でクラスメイト達などは皆んな駄目だった。

みんな青ざめてドン引きする。


思えば、その全てで独りになったのもそれが原因だ。

解剖実験とか余りに好き過ぎてやっていたら誰も居なくなった。

いつの間にか全てが無くなってしまい。

まるで積み上げたガラクタが崩れ落ちる様に。



私の全てがおかしくなった原因は母親の様な気がする。

でもあんな感じでもお母さんは.....私に.....愛情を注いでくれたんだと思う。

お母さんはきっと私を愛してくれたんだ、そう思いたい。


皆んな暴力って言うけど違うと思う。

私も暴力だと思ったけど.....違うと思いたい。


あの時はカッとなってしまってそのまま殴って殺しちゃったけど.....。

今でもお母さんの事は忘れられないと思う。

何故かって涙が出るから。


だけど、そんなお母さんに接してから私はやっぱりおかしい。

私は.....お母さんに暴力を受けていただけなの?

そうは思いたく無いけど.....そう思うしか無い感じだ。


それは何故かと言うと、お兄ちゃんに嫌われてしまった。

だからこれからは絶対に嫌われない様に生活する、と、そう、心に決めた。

だけど.....何もかもがズレている気がする。


テストも満点、全て満点。

だけど、笑顔は作り笑いが基本。

それじゃ駄目だって言われた。


お兄ちゃんに再び好かれるにはどうしたら良いのだろう?

駄目だ、分からない。

全然分からない。


混乱の末に思い付いた私は。

お母さんに会いに行く。

そう思った。


私は死ぬしか無い気がする、と。

不安定だから。

だから死にたかったのに。

だけどみんな死なせてくれなかったのだ。


何故、青ざめる対象の人間を止める?

私は静かにお兄ちゃんを少しだけ恨んだりした。

だけど、そんなお兄ちゃんは言ってくる。

この様に、だ。


『お前を必要としない人間なんてこの世に居ない。ってか、生物で産まれてきて必要無い奴なんか.....この世に居ないんだ』


『アンタなんか産まなきゃ良かったんだ!!!!!』


私はお兄ちゃんを。

私はお母さんを。

どっちのルートを行けば.....良いの?


リプレイボタンが無いから、一度決めてしまえば終わりだ。

これから先、私は.....一体.....どうしたら?



私は自分の答えを自分で求め続けている。

.....終わりなき旅を続ける。

その答えを探して、だ、でも。


周りを見渡しても空は青い。


周りを見渡しても家族は家族。


周りを見渡しても家は家。


周りを見渡してもお兄ちゃんはお兄ちゃん。


やっぱり何もかもが同じだ。

それは鏡の自分の様に。

何も答えが出ない。

そして何処が欠落しているのか分からない。


私は何も欠落してない普通の人間だと思っている。

だけど出会ったみんな違うって言った。

まぁだから何かが違うんだろうけど.....と思う。


その為に私は私に問いかけても何も答えが出ない。

心の箱庭に居る自分に問いかける様な。

だから外部に連絡する為に問いかけたいけど、怖い。

だから私は.....死ぬべきだと、そう思ったのに死ねなかった。


私はこの先も自殺はせずに生きるべきなのだろう。

そして答えを探すべきなのだろう。


それはまるで、幾つもの島に有る宝箱を探す様な。

そんな感じだろうね。


でもやっぱり。

生きているうちは私はやっぱり他の女にお兄ちゃんが取られるのが嫌だから。

他の女は殺したくなっちゃう。

そう、思っているのだけどそれは駄目だという事になっている。


つまり、これ以外なら良いと思ったのだけどそれも駄目。

.....お兄ちゃんを狂おしい程愛すのは良いのに?

この辺りなんだろうね、欠落しているのはきっと。


だから私は.....考える日々を過ごす。

これから先はお兄ちゃんを.....信じる。

お兄ちゃんならきっと......そう。


お兄ちゃんなら私の欠落している部分を探してくれるだろう。

だから信じて、私も.....頑張って行こう。

それしか今が無いなら、だ。


私は.....お兄ちゃんが居ればそれで良い。

だけど社会はそれじゃ通じない様だ。

だったら私は.....。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る