宗介サイド

第11話 夏帆と、たっちゃん

義妹の夏帆がラノベを俺に貸せと前に要求して読み始めたと思われる日から約1週間が経過した。

ラノベを貸した事などは簡単に言えば俺にとっては良かったと思うのだ。

何故かと言われると、義妹とそれなりに仲良くなれそうだからだ。


義妹が遊びに行くと言った火曜日から2日経過した木曜日の放課後の事。

俺は何時もの通りラノベを読みながら考える。

仲良くなれる.....か、と。


しかし.....最近の義妹は.....何かおかしな点が幾つか有る。

俺はその点についてクエスチョンマークを浮かべる日々を続けていた。

どの点がおかしいかと言われると。


最近、義妹の目が充血していたり、義妹の部屋から変な声が漏れたりしたり。

頻繁に何処かに行ったりしている。

何をしているんだろうなマジに.....。


俺はその様に時計を見つつ考えるが、予測不能で答えは出なかった。

当たり前だが、俺は義妹じゃ無い。


そんな今の時刻は午後4時。

何故か今日は学校の授業が早かったから時間が早いのだ。

俺はふあっと欠伸をする。


取り敢えず勉強してその後に何をしようかな、と思っていた時。

唐突にスマホが震えた。


プルルルル!


「うお!?」


一体何だよ!?

慌てながら俺はスマホを見る。

普段、俺のスマホに電話とか掛かって来ないのに。

俺は思いながら、スマホを見つめる。


電話主は.....たっちゃんだった。

うん?マジかよ。

俺は直ぐに電話に出てみる。

そして話した。


「.....もしもし?」


『もしもし?ソーちゃんか?』


「結構、久々だな!お前、何でメッセージくれないんだよ?メッセージアプリの」


『え?メッセージ送ってるぞ?頻繁に。そっちこそ何でメッセージくれないんだ?』


.....は?

何だそりゃ?俺は首を傾げる。

通信エラーだろうか。


じゃあ別のメッセージアプリのL〇NEはどうなのか、と俺は直ぐに聞いてみた。

すると、あ、そうか。LI◯Eとか有ったね、L〇NEなら大丈夫だよ。

交換しようかと話す、たっちゃん。

俺はよし、じゃあと言う。


LI〇Eアドレスを聞いて交換して。

たっちゃんのLI〇Eにアクセスしようとして、LIN〇を開きLI◯Eのパスコードを入力したのだが、何故か思いっきり番号が違うと弾かれた。


.....ちょっと待て、何だこれ?

なんで追加出来ない。

俺は???を浮かべながら、パスコードをもう一度入力する。

だが、弾かれる。


おかしいぞ絶対に。

何でパスコードが違うと出るんだ。

俺は?を浮かべながらL〇NEを見つめる。

すると、たっちゃんが言葉を発した。


『えっと、出来たか?』


「いや.....何かLI〇Eのパスコードが違うって出る。分からん」


『?.....じゃあ、パスコードを変えたら良いんじゃないのか?』


「.....あ、ああ。そうだな.....」


取り敢えず、LIN〇のパスコード再設定画面からメルアド入力してそして送信した。

何でこんな面倒な事を.....と思ったが。

届かない。


一切、メールが届かないのだ。

メッセージボックスに届いた気配も無い。

ちょ、マジで何がどうなっている?


そう言えば.....2日前?から宣伝メールもスマホに届かなくなっている気が。

ちょっと待ってくれよ。

マジにおかしくねぇかこれ。


俺は迷惑メールフィルターは掛けたけどL〇NEのメッセージが、宣伝メールが届かない程に固くはして無いぞ、どういう事なんだ?

これ.....なんか人為的操作の様な気がするんだが.....?


思っていると、背後のドアがゆっくりと開いた。

俺は突然の事にビクッとする。

そして夏帆が入ってきた。


「.....宗介」


「.....な、何だ?夏帆」


「誰かと話してる?誰なの?」


比較的穏やかな顔で聞いてくる。

ああ良かった、マジで胃痛がするから。

顔が穏やかだから安心した。


誰と言われたら.....ああ。

たっちゃんを夏帆に全然、紹介して無かったか?

俺はその様に考えて俺は和かに答える。


たっちゃん。

松添龍っていう昔の幼馴染だ、と紹介する様に話す俺。

で、その話をした瞬間。


夏帆の目付きが変わった。

ギンッと効果音が鳴りそうな感じで、だ。

冷ややかな視線になった気がした.....が気の所為だよな?


まるで、邪魔人かよ、と言わんばかりに、だ。

それから、こう感じた。

殺してやる、と。


俺は顔を一瞬だけ引き攣らせた。

その変化したのは一瞬だけだったので直ぐに何時もの夏帆に戻った.....が。

何だ今のは。

かなりビックリしたんだが?


『もしもし?そこに誰か居るのか?』


「あ、ああ。夏帆だ。お前に話したっけ?俺、再婚して義妹が出来たんだ」


『再婚!?義妹!?マジか!?』


側に居るのか?

義妹ちゃんと話せるか?

と話して来た、たっちゃん。

俺は話すか?と夏帆にスマホを渡そうとした。


だが、夏帆は首を振って。

そして別に良いから。

と、手だけ差し出してラノベのクレジットが尽きたからまた貸してと話してきた。

俺は溜息混じりに、そうかよ、と電話を耳元に当てる。


「すまん、たっちゃん、夏帆は話したくないってよ」


『ありゃ残念。義妹ちゃんと話したかったけどね』


俺は側に有ったラノベを夏帆に貸しながら、話す。

その間、全くこういうのに興味無い筈の夏帆が目を鋭くして腕を組み立っていた。

.....何をやってんだコイツ?


「お前興味無いのか有るのかどっちだよ.....」


「別に。お兄ちゃんの事は.....あ.....」


何だって?

今コイツ、お兄ちゃん言ったか?

俺は目をパチクリしながら、夏帆を見つめる。

すると赤面で口篭りながら夏帆は勢い良くバァンとドアを閉めた。


俺は電話しているだぞ.....お前と思いながらスマホを見ると。

スピーカーになっている。

しまった。


「スピーカーにしちまってた。悪りぃ」


『.....今の義妹ちゃん?』


「ああ、そうだけど?」


『あれ?.....えっと、どっかで聞いた事がある声だけど.....』


俺はそんなたっちゃんの言葉に見開いて。

冷や汗をかいて、それは無いだろ、と言った。

そんな馬鹿な、ともだ。

初めて会ったからな。


でも.....何だこのパーツが組み合わさる頭の.....感覚は.....?

夏帆がたっちゃんに会うのは初めての筈なのに、だ。

おかしい気がしないか?

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