暴・走・義・妹 ヤンデレになり切る為に.....。
アキノリ@pokkey11.1
???サイド
第1話 一つの出会いから始まるストーリー
この世界は狭い。
だから全てが暗く見える。
それがこの世界だと思っている。
影が有りまくる。
俺はこの地獄からは抜け出せないだろう。
親父を殺したから、だ。
☆
高校二年生で16歳、俺の名は佐賀宗介(さがそうすけ)と言う。
成績が少し危うくだったがギリで通えたこの街の県立高校に通っている。
凡人と言っても過言じゃ無い凡人。
そんな俺の容姿。
黒髪に茶色がかった髪の毛に.....身長170センチ。
ああ、黒髪については太陽に照らされれば茶色になるので黒髪に茶色がかったと言っている。
顔立ちはそこら辺の高校生のイケメンでも無く特にブサイクでも無い奴と同じの顔立ちだ。
痩せても無ければ太っても無い中肉。
なので.....本当に平凡且つ凡人の部活帰宅部の人間で有る。
友人も少ないのでボッチに近いかも知れない。
だけど俺の唯一違う点は.....親父が違うのだ。
家族関係だけ.....平凡じゃ無い。
俺は二年前まで一人っ子だった。
つまり端的に言うと再婚したのだ、母親が、だ。
俺は結構衝撃だった。
父親が電車の事故で亡くなった2年前までずっと母親と共に二人三脚で生活して来ていたから、だ。
母親を.....大切にして来たのだ。
その中での再婚だったからそれはそれは衝撃だった。
会社の紹介で知り合ったと言うが.....。
母親は子供が居る智久さんという方と再婚した。
当然だけど反対だった。
でも今では仕方が無いかと思っている。
以来そのまま、+2年間。
智久さんとその子供と一緒に生活する事になって今に至る。
子供は女の子で、俺に義妹が出来る事になった。
義妹の名前は吉田夏帆(よしだかほ)。
父親で45歳の吉田智久(よしだともひさ)さんの前の奥さんとの子供だ。
だけど.....。
俺はそんな夏帆を心底から嫌っていた。
何故、嫌っているかって?
どうしても好きになれなかったのだ。
そうだな。
簡単に言い表すと犬猿の仲、と言える。
先ず夏帆だが、宝塚にでも居そうな感じの猛烈な美少女の義妹だ。
一度歩けば周りから視線を注がれる。
それほど、男装すれば似合いそうな奴だ。
黒髪のツヤツヤの短い髪の毛、黒いダイヤの様な目。
真白なキャンバスの様な肌にプルンとした唇に、細い眉毛。
当然ながら.....いや、当然じゃ無いけど成績も相当に優秀と聞いている。
俺は.....天地が有り過ぎると思って嫉妬しているのだ。
余りにも嫉妬する部分が多い。
しかし俺がイラついているのはそこでは無い。
それらも本当にイラつくけど、そこだけじゃ無いのだ。
周りの奴らは、幸せだなぁ、羨ましいなぁ、とか思うかも知れない。
だけど俺は相当に不幸過ぎて笑いが出なかった。
不幸過ぎて.....本当に悲しいぐらいだ。
原因としては再婚から2年経った今でも夏帆は俺を嫌ってそれ相応に俺を敵視しているのだ。
まるで鷹の様な目をして.....俺が邪魔だと思うぐらいに、だ。
多分、思春期だからだろうけどそれをされると実に不愉快極まりない。
そして悲しかった。
だから俺もずっと敵視している。
頭に来るから。
智久さんはまだ俺に心を打ち明けて親密にしてくれるから良いとしても。
夏帆とは一緒に生活している時点で不愉快だった。
なんで睨むのか分からないし.....だ。
マジに不愉快だった。
初めは仕方が無いと思っていたのだ。
これも思春期かな、と思って、だ。
しかも再婚だしなとも。
だけど2年経った今もそんな睨む様な目をされると俺も嫌わざるを得ない状態で.....とにかく俺も嫌っていたのだ。
いつかは仲良くなれるだろうという気持ちも今じゃ消え失せた。
俺と夏帆が会話する事は滅多に無い。
分かるかもだけど朝食、昼食、夕食などの食事の時も、だ。
今日もそうである、クソ義妹め。
本気で出て行ってくれないかと言えるレベルだ。
何故俺が.....こんなに腹を立てなければいけないのだろうか。
今年の4月1日の放課後で帰って来た時。
それは自宅の階段を上がっている時だったが
廊下に居た義妹に思いっきり舌打ちされたのだ。
俺はとてもじゃ無いけど.....そろそろ怒りが爆発しそうだったけど。
不愉快な舌打ちを忘れる為に俺は読書をした。
なんであんなに懐かないのだ。
2年も経ったのに、だ。
俺を邪魔者扱いしているしな。
因みに俺の読んでいるのはライトノベルだ。
通称ラノベだが一応、文章の勉強になるから読んでいる。
たまに別の本も読むが、ラノベが多い。
教科書の様に勉強にならないのかも知れないけど、面白いから読む。
そんなラノベの.....読んでない分のクレジットが無くなった様だ。
全部の本を読んでしまった様だ。
そうだな.....新しい本を買ってこないといけないな。
面倒臭いと思うが。
「.....ハァ.....」
俺の趣味は読書なので本のクレジットが無くなるのは仕方が無いが.....まぁいいや、新刊も出ている事だろう。
取り敢えずは嫌だけど外に出よう。
引き篭もっている方が好きなのだが.....。
その様に考えて俺は部屋から出るなり階段を降りて近所の本屋に向かう。
義妹の部屋をチラッと見て舌打ちした。
近所と言うのでそれなりに本屋は近く、歩いて2分ぐらいで着く場所だ。
瞬間移動したよ、と言えるぐらい。
それぐらい近いのだ。
本屋の名は、もとや書店、と言う。
俺が数年前から頻繁に足繁く通っている本屋で有る。
数年前に参考書を買いにきて顔馴染みになった。
その為、ここの店主の爺ちゃんとは当然の事ながら馴染みが有った。
「お、いらっしゃい。そーちゃん」
この書店。
古店舗で築60年だったか。
俺は相変わらずの古ぼけた香りを嗜みながら.....ども、と頭を下げる。
少しだけ髪の毛が後退した白髪頭の眼鏡。
しわの有る顔に右目の下に黒いシミが有る、78歳。
ハッスル元気な、おじいちゃんだ。
南春穂(ミナミハルホ)さん。
俺の事を赤ちゃんの頃から知っているらしいけど。
この場所が築60年ってのは本当か嘘か今でも分からない。
爺ちゃん.....たまに嘘を吐くから、だ。
笑いながら。
でも何時もそれで元気を貰っている。
俺は爺ちゃんを見る。
爺ちゃんは元気に俺に笑みを浮かべた。
「また、らのべ、かい?新刊が入ったからバンバン買ってくれよ」
「いや、爺ちゃん。そんなに金持ってないから.....」
「ワハハ。まぁそれは冗談だ。好きなモノを買っていきな」
全くな。
しかしまるで冗談に聞こえない。
火事が有ったよとかで騙された事が有るのだ。
その為、申し訳無いとは思うけど爺ちゃんの事は半分しか信じてない。
とは言え、生きの良いお爺ちゃんで有るな、と思う。
俺も圧巻される程に、だ。
柔和にその様に思っていると、爺ちゃんはニコニコしながらよっこらしょと立ち上がってそのままお茶を淹れに行った。
何時もの通り俺に飲ませてくれる為だろう。
店を放ったらかしで良いのかよ、と思ったりもするが。
そして収益金の金も、だ。
でも.....相変わらずの優しさに俺は赤くなる。
その瞳に籠っているからよく分かる。
本当に.....優しいから。
俺は少しだけ思い出し笑いをしながら本を見ていく。
そうしていると、丁度俺の横に誰か立っているのに気が付いた。
フランス人形とかかと思ったら違って俺は驚愕する。
何だこの子は!?
俺はまさかの事に思いっきりドン引きした。
青い目をした様な、書店のエプロンを着けている、やけに顔立ちが整っている感じのとても可愛らしい女の子。
髪の毛が茶髪でもあったりする。
可愛らしいと言えるな。
笑顔がチャーミングと言えて、泣き黒子が有る。
俺はクエスチョンマークを浮かべながら見た。
誰だろう、この娘。
この書店にはこの前まで居なかったような。
「あ、もしかして新入りの店員さんですか?」
「そうです。山下はるか、って言います♪よろしくお願いします」
俺は礼儀正しいなこの娘と思う。
義妹にこの娘の煎じた垢を飲ませてやりたいぐらいだ。
しかしこんなに若い子がこんな古書店.....でバイトをしているのか?
そんな事を思っていると.....爺ちゃんに殺されるかもだけど。
.....山下はるかさん、か。
俺はその女の子に赤くなりながらもう一度、見る。
人形の様な凄い可愛さで有る。
その和かな娘を見つめると.....一瞬だけ夏帆に似ているなと思った。
でも全然、名前も違うし、泣き黒子とか髪の色とか.....色々違うしな。
俺はその様に納得して山下さんと話していると。
戻って来た爺ちゃんにハタキで思いっきり叩かれてそのまま怒られた。
「宗ちゃん!色恋はしなくて良いから本は何にするのか!」
「爺ちゃん.....痛い.....ってちょっと待ってくれよ選ぶから。.....つーか新入りの店員さんを雇うとか聞いてないんだけど爺ちゃん」
「ん?ああ、そりゃ昨日から勤めているからのう。その子。この近所に住んでいる様だけど.....採用したんじゃ」
え?この辺りに住んでいる?
こんな美少女が、か?
俺は目をパチクリして思いながら山下さんをもう一度見る。
えっと.....何でこんなに見つめてくるのか、この娘。
思っていると山下さんはいきなり俺の手を取って見て.....え!?
俺はビックリしながら、山下さんを見つめる。
そのままとんでもない事を言い出した。
「その、南さんから話は聞いています。文学がお好きで、貴方は優しいって!.....その私、今ずっと友達が居ないんです。もし良かったら.....LI○Eとかで連絡先を交換.....してくれませんか?」
「.....へ?!.....へぇ!?」
なんでそうなるのだ。
出会ったばかりだぞ俺達!?
そして俺は一度も女性にモテた事は無いんだけど!
そこら辺のチリの様な感じが俺だから。
女性に相手されるのは珍しいのだが。
俺はその様に思いながら、真っ赤に後頭部を掻きつつ赤面した。
横に居た爺ちゃんがジト目で見てくる。
俺を流し目で.....見てきた。
「.....のう。.....この書店内では純愛は厳禁だからな」
「.....いや、爺ちゃん.....そんな法律無いだろ。初めて聞いたぞ.....」
「ふふっ」
それから.....俺は何故か、猛烈に顔立ちが可愛いその山下さんと連絡先を交換する羽目になり。
暫く山下さんと爺ちゃんと世間話や色々話してからラノベを買って帰った。
.....モテ期なのか?俺は?よく分からんが。
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