始まりの祈り

一文だけでいい

たった一文だけ

むかしむかしに紡がれた、「光あれ」という言葉

そんな大げさなものでなくてよい

読む人の心に

次の文を読む気持ちを呼び起こす

ただそれだけの一文を

どうぞ書かせてほしい

最初の一文

それは荘重で、それでいて軽やか

それは読む人を突き放し、それでいて引きつける

なにか不吉なことが起こるざわめきを感じさせるに足り

なにか素敵なことが始まる予感を抱かせるに十分な

そんな一文が書けたらと

思うわたしの贅沢

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