とても好きな短編です。まず象の描写が印象的で、そして主人公の象に対する気持ちに引き込まれ(特に「生意気ながら、初孫が出来たような気持ち」という表現が主人公の気持ちを良く表しているなと思いました)、そこからさらに展開していく物語。同題異話の最後にふさわしい作品でした。タイトルの多彩さと同じく、夢月さんの作風も多彩でした。
作者からの返信
コメントとレビュー、ありがとうございます!
今作はシリーズものだけど、初めて読む人にも分かりやすいように書いていったので、最初の方は説明っぽくなってしまったかなと思いましたが、そう言ってもらえて嬉しいです。
実際に動物園で象を見に行った甲斐がありました。
この動物園と象の家族にはモデルがいるので、私自身の実感も込められた語りになっています。
同題異話は私自身もたくさんチャレンジした作品なので、新たな可能性を広げられて楽しかったです。
オレンジ11さんの作品からも多くを学べて、大変勉強になった一年間でした。
改めまして、今までありがとうございました!
一期一会とか、朝に紅顔ありて夕べに白骨となる、という言葉が頭に浮かびました。
出会いがあれば、必ず別れもある。それは数十年後かもしれないし、明日、いや今日この後すぐかもしれない。時間は巻き戻せずに進んでいく。この世は無常です。
そんな気持ちを乗り越えて、少しでも長く一緒にいたいと願う想い。
それが恋であったり、愛であったりするのかなと、お話を拝読させていただいて、そんな風に思いました。
そんな大切なことを理解しているふたりは、本当の幸せを得ることができると思います。
ステキなお話をありがとうございました。
作者からの返信
コメントとレビュー、ありがとうございます!
まさしく一期一会のお話です。出会いと別れが切り離せないこと、それでも今あった人と幸せな時間を過ごしたいことを、読み取ってもらえてとても嬉しいです。
本作のカップルは、徹頭徹尾プラトニックな関係を築いているのですが、それが「恋」「愛」なのかは、本人たちも悩ましいところだと思っています。ですので、二人なりの「恋愛」もあるのだと、そう思っていただけただけでも僥倖です。
こちらこそ、深く読み解いてもらえて有り難いです。