どこか陰のあるうつくしい世界観。淡々とした丁寧な語り口で、非常に読みやすいです。
そして何よりキャラクターが魅力的。霊的な存在である主人公は定命の人々を遠くから見る目を持ちつつ、根底には誰にでも共感可能な切実な思いを持っています。壁を抜けたり人に取り付いたりできますが無敵とは程遠く、むしろ身体を持たないゆえの不自由さが物語の面白さを増しているようです。主人公と共にある「未言」たちもそれぞれに個性豊かです(ただみんな可愛い)。
読者参加型ということで作者の方にも展開コントロールできない部分もあるはずですが、全くそれを感じさせない、読みごたえある作品です。更新楽しみにしています!