紙とペンと高校生活の出来事

立花戦

第零 未来を司るもの

一時的な幸運なる憩いは終わった。

ただの月曜日されど、イヤな想いをさせる

月曜日が訪れた。

「・・・今日も学校か。」

自分の部屋で誰もいない空間で愚痴る。

答えは、外の喧騒と煩わしい鳥のさえずり。いつも起床すれば耳に入るが

気持ちによっては、聞こえる音も別の

響き。これは、感情で音も変化して

音が感情も変化させるだろうと

一人、勝手なる哲学を考える。

億劫なる体と心をなんとかして、立ち上がろうと試みる。こういうときは決まって

良いことを夢想させる。

スカウトされる、スカウトされる・・・

よし立つか。そんな下ないそんな古い

考えをしている。

高校生だから、どこかそんな事を期待

している。今時そんな熱心的でテレビや

ドラマのような人はいないとわかっても。

高校1年の3月は特にあるのか

ないのか、分からないそんな学校の日常が

戻るわけだ。

2年になれば少しは落ち着くだろう。

学校に慣れ、次の年には受験や就職など

考えないといけないくなる。

両親のいる居間に階段を降りれば、

徒歩3歩さあ、右に回れで暖簾を越えれば

いつもの平日の朝7時の居間である。

「ほら、早く食べて準備なさい。」

「・・・わーってる。」

母が毎度の催促に気力なく返事する。

定位置に椅子に座り箸を持ち口に入れる。

卵焼き、レタス、味噌汁、ごはん。

「・・・・・」

父はスマホを見て食事、母も座り食事に

入る。黙々と食べる。端から見れば

悪そうに見えるだろうが、俺は知っている。

実は、家族が無言で食事というのは

当たり前で変な気を遣わないでいられる

平穏があるのを。

「そろそろ行ってくる。」

俺と両親の三人家族は普通にいい家族。

喧嘩はするが、離婚とか別々で暮らすほど

嫌悪感はない。テレビの中にいる人物

や知り合いはそうでもないのが多いので

きっと、一般的に俺の思う普通の家族は

一般には羨望するようなものだろう。

「行ってくる。」

先に食べ終えた俺は鞄を持ち登校しようと

すると二人は、いってらっしゃい。っと

返事だけする。

玄関のドアを開くと強い陽光に目を細める。

車、バイク、往来する会話の喧騒に

一日の平日の再開が訪れに辟易する。

嘆息し、対して変わらない同じ道を

一人、歩く。

父のは、語っていたなあ・・・高校の時は

友達とファミレスで駄弁っていて

いつも登校して帰りもなんて言っていた。

この現代でそんな事をする必要性が理解

出来なかった・・・それを

過去の栄誉、誇りのように語るのを。

(・・・ずっと、俺は一人で登校しているから、今更、誰かと登校するのは

考えていない。誰かと隣り合って話すのは

疲れるしなぁ。)

一人の時は自由だ。なにかに絆されることも

気を遣うこともない。いつも

考えたり英単語カードを見れるので楽しい。

「おはようございます。」

俺は校門に不動直立する教諭に挨拶する。

「おはよう。」

いつものやりとり。なんだか、運動部に

加入したようなルールだな、なんて

どうでもよさそうなことを考える。

思考を巡らしながら昇降口にローファから

学校指定の古い靴に履き替え廊下を

欠伸をして歩く。

教室。とにかくうるさい。小学校のときは

矢鱈と元気に叫ぶ輩は自然に外に出たの

だが、中学高校に上がると教室など

たかるようになった。

まぁ、小学生の時のように煩くないが。

俺は自分の机に座れば本の世界に没頭。

予鈴が響き少しは静かになる本に集中

しやすくなる。

だが、それは一瞬の一時で教諭が

「おはよう」と入ってくる。

読書タイムが終わりの言葉でもある。

他の人も似たような反応で、自分の机に

向かう人と、会話をやめる、やめない。

まさしく、これをまだら。

放課後。月曜の授業を終われば帰宅部の

俺は一目散に帰ようと鞄を持つ。

そんなつまんない場所をいたくない!

早く読書の続きを読みたい。

「あの、高坂こうさかさん!」

廊下を早足で歩いていると、俺の名字を

呼ぶ声に危うく振り返る所だった。

一人ぼっちを孤高に独歩する

俺に声を掛ける者は皆無のはず。

「待って、待って待って!!」

俺の前に回り込むのは、長い黒の髪を

腰まで伸ばす女の子であった。

(・・・俺なのか。どこか見たこと

あるけど、思い出せないなぁ。)

その人は自分の行動に驚いたのか

しどろもどろになる。なにがしたいのかな?

「なにかご用ですか?」

いつまで経ってもなにも言わないので

作り笑いで対応する。

「は、はい・・・・・付き合って

くれませんか!」

礼儀正しく頭を下げられ告白される。

この人は、普通に可愛いく声もカナリアや

ウグイスのような透き通ったキレイな声。

だけど、俺はこの人を知らない。

どこか、俺を好きになるきっかけがあった

のだろうけど、俺はそうでもなく

一目惚れするような感情は、中学のときに

死んだのだ。

「わるい、俺は好きでもないんだ。」

そう断るしかない。下手に誤魔化しや

励ましは駄目な気がして率直で誠意で

シンプルに断る。

「・・・・・・。」

頭を上げると、涙目ちがう。水滴を流れ

嗚咽をする名前と人柄知らない女の子。

「ごめん・・・俺は君のことを知らない。

だから、付き合えない。」

なるべく優しい声と意識して発する。

俺は、安易に友達を作らないし恋人も

作らない決めている。

「・・・あの、彼女さんがいるんですか?」

「えっ?いやいないけど?」

「でしたら、わたしと友達に

なってくれませんか?」

強い意志を感じさせる瞳。

その意志に俺は、答える。

「わかった・・・友達なら

構わないですよ。」

「ありがとうございます!!」

頭を下げられ感謝される。まっすぐなトンボのような猪突猛進な人で驚いたけど、

友達ならいいかと思った。

「そう畏まなくてもいいですよ。」

「そうですね!はい。」

頭を上げ、嬉しそうに今にも走りそうな

明るさが感じさせる。

取り合えず自己紹介が妥当か。

「俺は、高坂真人こうさかまなと。君の名前は?」

「あれ?知らないですか、

同じクラスなのに?」

当然のように発言に驚きだが、

その当然が当然じゃないと思わないのか。

「同じクラスでも知らないのもある。」

友達なら、敬語はいいだろうとため口。

「なんですかそれ?」

だが、通じず言葉は難しいもの。

「とりあえず、名前を。」

「うん。曲直瀬彩音まなせあやねです。」

なつこい笑顔を向けられる。

帰りは、一緒に他愛のない話をする。

本当に他愛のない気を遣い損しかないが

何故か楽しかった。

帰りが別になれば、一次的の別れと

明日には会おうと約束ごとのような言葉。

家に帰り夕食を食べ、ゲームをして

就寝の時間になり俺の部屋に入る。

机でペンとノートを置き、

今日の出来事を思い出し綴る。

失敗や、ちょっとした成功や出来事。

そして・・・最初の友達を。

「日誌に書くと恥ずかしいなぁ。」

独白して、羞恥心を軽減しようとするが

減っていない気がする。

高校生活は退屈が当分の間、暇は

しないだろうとため息して

ノートを閉じる。

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