第76話「太くてデッカイ───!!」

「出でよ、ドイツ軍ッ──────!!」




 シュパァァア────……!

 

 中空に召喚魔法陣が輝き顕現する。

 しかし、その大きさッ!!


 今までの比ではない巨大さで、街一個区画を覆わんばかり。

 そして、それが突如として王都の一角に現れたのだから堪らない────。


「ぐ…………!」


 召喚と同時にガクンと膝をつくナセル。

 大量の魔力が急激に抜けていく感覚に、これが自分のレベルには過大なものだとようやく理解できた。



 ブゥン……。



 目の前に現れたのは、召喚獣ステータス画面。

 そこにある項目には、Lv7の文字が躍っていた。


「Lv…………7───?!」


 勇者を連続で倒した効果──いや、弊害か……。

 ナセルのLvは、6から急激に上昇していた。





ドイツ軍Lv7:

※  ※  ※:

Lv0→ドイツ軍歩兵1940年国防軍ヴェアマハトタイプ

Lv1→ドイツ軍歩兵分隊1940年国防軍型、

   ドイツ軍工兵班1940年国防軍型、

   Ⅰ号戦車B型、

Lv2→ドイツ軍歩兵小隊1940年国防軍型、

   ドイツ軍工兵分隊

   Ⅱ号戦車C型、

   R12サイドカーMG34軽機関銃装備

Lv3→ドイツ軍歩兵小隊1942年自動車化

   ※(ハーフトラック装備)

   ドイツ軍工兵分隊1942年自動車化

   ※(3tトラック装備)

   Ⅲ号戦車M型

   メッサーシュミットBf109G戦闘機

Lv4→ドイツ軍装甲擲弾兵小隊1943年型

   ※(ハーフトラック装備)

   ドイツ軍工兵分隊1943年型

   ※(工兵戦闘車装備)

   ドイツ軍砲兵小隊

   ※(10.5cm榴弾砲装備leFH18/40

   Ⅳ号戦車H型、

   ユンカースJu87D急降下爆撃機

Lv5→ドイツ軍装甲擲弾兵小隊1944年型

   ※ハーフトラック装備

   ドイツ軍工兵分隊1944年

   ※火焔放射戦車装備

   ドイツ軍砲兵小隊

   ※重榴弾砲装備

    パンターⅤ号戦車G型

   フォッケウルフFw190F戦闘爆撃機

Lv6→ドイツ軍装甲擲弾兵小隊1944年型

   ※重装備(ハーフトラック装備)

   ドイツ軍工兵分隊1944年型

   ※大型ロケット弾発射機ネーベルファー装備

   ドイツ軍砲兵小隊

   ※自走重榴弾砲フンメル装備

   ティーガーⅠⅥ号戦車

   フィーゼラー通称Vー1Fiー103無人飛行爆弾

   ※He111H後期型に登載可能

Lv7→ドイツ軍降下猟兵小隊1944年型 

   ※ユンカースJu52輸送機装備

   ドイツ軍降下猟兵工兵分隊1944年型

   ※DFS230グライダー装備

   ドイツ軍列車砲兵

   ※80cm列車砲グスタフ装備

   ティーガーⅡⅥ号-2戦車

   メッサーシュミットMe262ジェット戦闘機

(次)

Lv8→SS降下猟兵小隊1944年型

   ※メッサーシュミットMe323ギガント大型輸送機装備

   SS降下猟兵工兵分隊1944年型

   ※重装備空挺型Ⅰ号戦車

   ドイツ軍ロケット砲兵部隊

   ※トレーラ発射型A4ロケット通称Vー2ロケット装備

   マウスⅦ号試作戦車

   アラドAr234Bジェット爆撃機


Lv完→????




 そして、ナセルが召喚したものは───。





 ズドォォォォォオオオオオオオン!!





 召喚されたのは、巨大な大砲。


 いや、もはや大砲というレベルなのだろうか……。


 それ一つで、城をも超えんばかりの建造物。

 複数の線路まで持ち、連結した機関車によって牽引されている。


 その大きさは群を抜いており、召喚された途端に街の一個区画を押しつぶしてしまった。



「ななななななん、な、なによ……それ!」


 ───見て分からんか?


「……お前のお望みの、太くてデッカイ奴だよ!」


 ブゥゥゥン…………。


ドイツ軍

Lv7:80cm列車砲グスタフ

スキル:80cm榴弾

    80cmベトン弾

備 考:1500人規模の部隊で、

    運用される列車砲。


    複線軌条による列車砲で、

    運用に制限が多く展開が困難

    しかしながら、80cmの巨弾は、

    あらゆるものを打ち砕く。


    ほとんど伝説の代物だが、

    実際に運用されたこともある……。

    (あと、作ったやつ、頭おかしい)



 さすがのアリシアも呆気にとられている。

 そして、


「で、デッカイっていうか────……」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る