第52話:鏡の中
最初に、いきなり戦闘になっても体力的に暫く粘れそうな肉体派のドゥベルさん、ホーウェンさん、ミハエルさんがそれぞれ入り、続いてシャナンさん、キョウコさん、ミランさんアナハイムさん、ヤヒスさん、最後に僕とウォーレンさんの順で鏡の中に入った。
真っ暗だった。
やな予感がする。
ヤヒスさんの魔法を唱える声がした。
間をおかずに、発火するような音が聞こえ、自分達を中心に少し周りが明るくなる。
アナハイムさん、ミランさんも同じように照明の魔法を唱えて、お互いが見えるようになったけど・・・
「避難口は用意されてないねぇ。」
正面の見える範囲までは出れるような場所は無かった。
でもよく見ると、右上のチームと左上のチーム、それに僕たちのチームの間にガラスのような壁がある。
「見事に分断されたね。」
ミランさんが僕たちのチームの間にあるガラス壁を叩くと入り口の鏡とは違い、硬い音がかえって僕たちの方まで聞こえた。
「あら、あなた達もついて来たの?」
キョウコさんが、ウォー・ウルフ親子の存在に気がついた。
キョウコさんとヤヒスさんの足元に警戒しながら、近づいていた。
後ろも真っ黒な壁。
「やばく無いかこれ?」
ミハエルさんが後ろの壁を押し、向こう側へ戻れない事を確認して、そう言った。
「この後の、出てくる物にもよるとは思いますが・・・」
ウォーレンさんも僕達、ドゥベルさんグループの間にあるガラス壁を叩いた。
ガンガン
結構強く杖で叩いた音が響いたけど、割れる様子が全く無い。
ウォーレンさん落ち着いた物静かな感じだけに、大きな音を出すほど力を込めて叩いた姿に少し驚いた。
「簡単にはそちらに合流はできなさそうですね。」
叩いたところを見て肩をすくめる。
「前に行くしか無いか。」
後ろの鏡状の壁も叩いてみて、戻れないのを確認した。
不安が掻き立てる中、足を1歩踏み出した瞬間、太陽の光が渓谷の影から入って来た。
エリア全体が少し暗いフィルターで包まれているような感じだったが、僕たちの足元から正面にかけて徐々に明るくなって来た。
「丁度良いいタイミングの太陽位置。」
ヤヒスさんが冷静にエリアの分析をしていた。
完全に暗かった場所が徐々に差し込む光で見えなかった場所が明るみになったけど、ある所でそれ以上は光が差し込まなくなった。
その明るくならなかった場所の中心に、人影が・・・
「ローリアさん!」
両手腕を広げた状態で闇の帯で縛られ、十字架に貼り付けにされているように、吊るされて頭を垂れている。
そしてその横にいるのが。
「冒険者A!!」
空中で浮いている何処かで見た椅子に座っていた影はまさに彼だった。
「あの椅子、魔王の部屋の椅子か!」
「御大層にこんなところまで持って来やがってたのね。」
どうしてそんな物をここに持って来たかわからないが、僕もみんなもすぐに武器を構えた。
でも、すぐには襲って来なさそう。
目線と、顔の向きが正面のまま、前にあった時と変わらず、目と体全体で微振動している。
気持ち悪い。
僕達を視認しているのかすら判らない。
「私の素体(アバター)がそこにいるの?」
「ええっ吊るされている。」
ローリアさんとキョウコさんが一人芝居をしているように話している。
「マグカップの光がローリアさんを指しています。間違い無いと思います。」
「私ちょっと降臨(ログイン)するね。」
「あいよ。」
そう言うとキョウコさんの声からぷつりと言う音が聞こえた。
相変わらず冒険者Aの真っ暗な触手はウネウネと動く。
だけど、オーフェン・ベルツ近辺とは違い、この場所では空(宇宙空間)の闇に溶け込んで触手はすごい見にくい。
正面で吊るされていたローリアさんの頭が持ち上がった。
「・・・みんな・・・」
すぐそばに、冒険者Aがいる。
彼はローリアさんが意識を取り戻した事には気にしていないらしい。
それが返って不気味に体のあちこちが震えている。
ローリアさんもそのすぐそばに居る不気味な男を見て、少し恐怖に思ったようだ。
「イヤ〜〜!助けて!マ○オ!!」
「ボケなくて良いから、大人しく待ってなさい!」
キョウコさんがちょっと苛立った声を出した。
「ハァ〜い。」
そんな様子を見せられると、少しは僕たちも落ち着いた。
「自分で自主規制かけたね。」
「そりゃ古物遺産の有名なゲームのキャラでも著作権があるからノォ。」
「一度、姫役やってみたいとか言ってた。」
「それ以上やめて!言わないで!恥ずかしくなってきたから!」
「何も恥ずかしがる事はないんだよ。それが、人生を楽しむコツだから。」
「でも、シャナン&筋肉ズと同じ、思考パターンだったとは。」
「え〜〜」
「ちょっと!それどう言う!?」
吊るされた状態で疲弊しているように見える姿とは別に、ローリアさんは元気そうだ。
「今助けにいきますので、もう少し我慢しててくださいね。」
僕がそう言うと、ローリアさんは少し笑ってくれた。
「期待してるよっ。」
そのローリアさんの笑顔が心に刺さった。
少しやつれているようにも見える。
今までずっと拘束されて不安だった思いが少し顔に出ていたけどように見えるけど、なんでそんな笑顔をつくれるんだろう?
彼女の芯の強さ?
こちらを不安にさせないようにする気遣いなのか?
どちらにしても、早く助けなきゃ!
そんな思いの中、ウォーレンさんがガラス壁の向こう側から声を張って叫んだ。
「冒険者A!あなたには我々の世界の法を犯した罪があります!」
ガラス壁があるから少し距離はあるけど、声は届いているようだ。
もう、クランの連絡よう魔法石を使わなくても声が聞こえる。
「説明と罪を償ってもらいます!大人しく連行されなさい!」
毅然とした態度で冒険者Aに言い放った。
彼は言葉を発せず、体も震えたまま・・・?ほんの少し止まったようにも見えた。
「ちょい待った!正面!」
ミハエルさんが、注意を促した場所、正面の冒険者Aの手前んも地面から何か黒い点が浮き上がって来た。
点は、徐々に大きくなると、それはゆっくりと、かがめていた身を起こして立ち上がった。
「魔王・・・」
だけどそれは一つでは無かった。
ミランさん、アナハイムさんの方面でもその影が彼らの正面に現れていた。
「やばいなコレ!」
「あのときでも、他のクランと合同で討伐予定だったのに、今回は俺たちだけときた。」
「しかも三体・・・」
「三体とも倒せば報酬3倍!」
シャナンさんが嬉々として喜んだ。
「倒せればの話だろう?」
「危ない!」
ローリアさんの叫び声と共に、僕たちの正面の魔王が攻撃を仕掛けてきた。
手に持った、人の体より大きい大剣がさっきまで僕たちが居た場所を切りつける。
その大剣が地面にいきお良く叩かれ、地響きが起きる。
ローリアさんの言葉と共に避けなければ間に合わなかった。
「あっぶなー」
他の2方も同じように攻撃され、無事に回避できたようだった。
「もうやるしかないな。」
ミハエルさんの声にみんな頷き、すぐさま体勢を整えた。
みんな移動しながら武器を出し、同じ方向に被害が被らないようにお互い距離を取り反撃に出た。
「ジョナサン!お前に合わせる!前に出ろ!」
「はい!」
とは言ったものの、こんなデカイ敵をどうやって倒す?
前に魔王を倒したとは言え、どう対処したか殆ど記憶にない。
みんなドゥベルさんやキョウコさんは地面を蹴り高い位置にある、魔王の腕関節や、足関節を狙って攻撃をする。
僕にそんなジャンプ力は無い。
できるかどうか判らないけど、どこまで行けるか試しに力一杯跳んでみた。
普段とは違う感覚が自分の足に掛かる。
そうだ、ここは重力が1/6だった。
空中でバランスが崩れ、魔王に切りつけるどころか魔王の頭上を飛び越え、着地時に背中から墜ちた。
ブフォッ!
肺に吸い込んだ空気が地面との衝突で一気に吐き出される。
「っついったぁ!」
身構える事も出来ずに、そのまま思わず叫んでしまった。
「ジョナサン!遊ばない!」
ヤヒスさんが魔法を唱えた後に、ちらりと僕の方を見て言ったあとにまた次の魔法を唱えた。
いつまでも痛みに耐えて寝転がっていたら、魔王の攻撃を回避できずにやられる!
そこらへん、ヤヒスさんが魔王の注意を攻撃の雷魔法で引いてくれたおかげで助かった。
すぐさま起き上がって、身構えた。
立ち上がる時も自分の体に軽さを感じる。
「ジョナサン!空中に浮くと、体勢の変更は自分の重心から反転するしかできなくなるから注意して飛ぶんだ!」
「重心から反転・・」
ホーウェンさんにそう言われてもピンとこない。
「深く考えずに、体で覚えろ!でも重心は意識しろ!」
「はい!」
ミハエルさんもホーウェンさんも自分の戦いに集中しなきゃいけないはずなのに、遠い所からの How to はとっても助かる。
再度、魔王に飛びかかり足元から、飛び上がり可能な限り斬り付けてすぐに後退して、態勢を整える。
ウォーレンさんは、水の水圧を作る魔法で魔王の胴体に攻撃を仕掛けている。
「魔王の噂は聞いていましたが、ここの魔王の耐属性は同じみたいですね。」
「でも・・・こいつ、魔王の間にいた奴とは違う!」
キョウコさん一撃離脱を繰り返し、体制を整えながら叫んだ。
「ああっ。あそこにいた奴より・・・」
みんなの目線が集まった。
「弱い!」
みんな声を揃えて叫んだ。
「合同クランで大人数で挑んだ時の場合によるけどね。」
ミランさんが、人数を間引いた勝算を探っている。
冒険者Aは魔王の攻撃を援護するでも、見守るでも無くその場から動かない。
「おっと」
大振りな魔王の剣が自分のそばをかすめる。
冒険者Aがいきなりどんな攻撃を仕掛けてくるか判らないので魔王だけに集中するわけにもいかない。
「油断するなよ!」
みんなで一旦、後方に下がり体勢を整えた。
あわせて魔王も一旦身を引いて、剣自分の顔の前に立てる。
「何だ?」
みんなも僕も剣を握り直して、次の攻撃を警戒した。
「ヨウコソ。我々ノ世界ヘ。」
予想もしなかった所から声が聞こえた。
「!!」
「魔王が喋った!喋ったよ!」
シャナンさんが驚いて引いているのが遠くからでもわかる。
口を動かさず、それは日本語で僕達のわかるように音として発した。
「いや・・・これは・・・」
ドゥベルさんが考えている事は多分自分が思っていることと同じだ。
「冒険者Aが喋らせている!」
彼自身は何も言わずに僕達を見るでも無く、小刻みに震えた目を泳がせている。
「でも何で?」
そう、キョウコさんが行った通り、わざわざ魔王を用いて喋らせる意味が判らない。
そんな所アナハイムさんが落ち着いた口調で話し始めた。
「ご招待頂いて光栄じゃが、少々オモテナシが過激じゃのう。」
アナハイムさんの言葉に答える気でいたのか、魔王は立てていた剣を自分の正面の地面に突き刺し手を離した。
地響きが足を伝ってこっちまで響く。
月の重力下のせいなのか、地面のチリが膝の高さまで舞って、なかなか落ちない。
「軽イ・・・挨拶ダ。」
みんな、目を丸くした。
「ジョーク!?ジョークなの!?」
「落ち着きなさいシャナン!」
シャナンさんは冒険者Aと魔王を指差して取り乱た。
確かに、そんな事が言えるとは思わなかった。
「それで手厚いオモテナシで、我々に何の要件かの?」
アナハイムさんが警戒を解かずにゆっくりと尋ねた。
「ヤガテ訪レル、世界ノ交差点ニテ、混乱ノ防波堤ヲ築ク為二。」
「言っている意味が判らん。」
ドゥベルさんが不躾に言った。
確かに抽象的すぎてわからない。
そして続けざまに尋ねた。
「冒険者A!お前に聞かなきゃいけない事がある!」
そう言うと剣先を冒険者Aに向けた。
「この世界と同じく、他の世界(サーバー)を渡り歩いて荒らしているのはお前か?」
冒険者Aは考えているのか、少しの間があり言葉を魔王から発した。
「荒ラシテイル?・・・トハ心外・・・」
口も体を動かすことも無く、魔王から言葉が発せられる。
「電界ノ海ハ・・・元々、我々ノ住ム世界・・・アル日ヲ界二、オ前達ガヤッテ来タ。
我々ハ、雲ノ中二生マレテハスグ二消エ、マタ我々ハ、宇宙ノ中、近クハ太陽ノ中デ幾重ニモ進化ヲ繰リ返シ、安定ナル空間ノ海へ帰ッテ行ク電界ノ思考。モシクハ絶縁の闇モ我。月二流レ着イタ意識の磁力モ我。」
「つまりお前は・・・電界の世界に生きている意識?という事ですか?」
「True(真実)」
ウォーレンさんは内容の全てを把握した上で、魔王を介した冒険者Aに尋ねた訳ではないだろうと想像はできたけど・・・。
「電界って雷・・・電気ですよね?その中に人の意識を保てるんですか?」
僕は冒険者Aの意味が飲み込めずにいた。
「ジョナサン。君たちNPCや俺たちの意識も箱の中にある電気で作られたものだよ。それがシリコンの塊の中か、脂肪の塊の違いはあるけどね。」
ミランさんはそういうと、ローリアさんに目線を向けた。
「意識と言う物について詳しいことは、ローリアの方が知ってるから、助け出したら聞いて見るといいよ。」
言われたローリアさんはこちらの事を気にするでも無く、冒険者Aの触手が外そうと身をよじっている。
でも冒険者Aはローリアさんの拘束を強く引き締める。
「うくっ・・・」
ローリアさんが苦しそうな声を上げた。
聞くなら後だ、今は一刻も早く助けてあげる事が優先だ。
「でも、雲の中や太陽や月の中にも意識がある?なんて・・・」
以前、冒険者さんから言われた事がある、僕達NPCも意識があるように話す事が不思議だと。
意識と言うのは正直、よくわからない。
ただ、オーフェン・ベルツでみんなに喜んでもらえるように商売をしていただけで、それが楽しかった。
カレンちゃんの事や、ローリアさんが優しくしてくれた事も楽しい事に繋がっていた。
でもこれが創りられた物だとしても、僕は僕だ。
冒険者Aも創始たる最上世界(現実世界)から来た人だと最初は思った。
でも電界の中にいた意識・・・いつから・・・
「太陽ガ生マレタ瞬間カラ、何十億年ト作ッテハ消サレ、作ッテ消サレ、繰リ返サレタ磁気嵐ノパターンノ中デ生存ト安定ヲ導キ出ス意識ヲ模索シテイタ・・・」
僕達と同じく、あの太陽に意識があるとか信じられない。
「太陽は確かに核反応で磁気嵐が起こってはいるけど、思考する世界がそこに構築されているたのか?」
ミランさんが顎に手をやりブツブツと呟いた。
「TRUE」
魔王はミランさんの呟きにも答えた。
「ダガ、我々ハ知ル・・・安定ナル海、我等ノ意識ノ保存先ノヒトツ、月二、オ前達ガ大挙シ、コノ世界ニ、訪レル事ヲ・・・」
「月・・・コールドスリープ(Hypersleep)の事か!」
「True」
「コールドスリープ!?」
そう疑問を言葉にしたら、クランの会話用魔法石でアナハイムさんが答えてくれた。
「儂等の世界はのぉ、あの星を維持するには人が多すぎるんじゃ。多すぎるから星の資源を消費して元に戻す事ができない。だから一部の人間の体を熊の冬眠のように凍結して眠らせ月に送る事にしたんじゃ。」
ミランさんがアナハイムさんの言葉に続いた。
「ただ、それだけだと体を戻した時、人の動いていた意識に不都合がある事がわかったんだよ。」
「意識が戻らなくなる。」
ミハエルさんがボソッと言う。
「そう、戻らなくなるから色々試した。意識を正常な状態で戻すには、こういった世界に意識を移して生かさいなければいけないんだ。」
ミランさんが、続けて話す。
「そしてその意識を移した世界は月の地下に移設、構築しているサーバー。」
「つまり月に、意識だけの先住民が居たのを気がつかずに、わしら人間とこの世界は移民していた・・・と言う事か。」
「人ハ自ラノ世界ヲ破壊シ、逃ゲ場所トシテコノ月二電界ノ世界ヲ作リ。我等二干渉シタ。」
魔王を介した冒険者Aの話を聞いて、あの空に浮かぶ茶色い惑星に目を移した。
なんだか悲しくなった。
あそこにいる大勢の冒険者さん達が、自分達の世界で生活できないなんて・・・
「コノ月モヤガテ、オ前達人間ハ破壊スルノデアロウ。ソレヲ我等ハ許ス事ハナイ。」
話しながら魔王の目線が心ながら僕に向けられたような気がした。
「人間二作ラレシ我等ガ同胞ヨ・・・」
『!?』
同胞と言われクランのみんなが僕とウォーレンさんに向いた。
みんなが何を思っているのかわかる。
その言葉でNPCである僕とウォーレンさんが敵側に寝返る可能性だ。
「ヤガテ御前達ノ世界モ、多クノ意識ガ訪レ、不安定ナ世界二成ダロウ。黙シテ蹂躙サレルノヲ待ツカ?」
いきなり振られた質問に返事をまごついていたら、ウォーレンさんがすぐに答えた。
「王都を破壊して平和を踏みにじったあなたに、同胞と言われる筋合いはありません!」
その言葉に多少恨みが混ざっているようにも感じる。
「・・・」
魔王と冒険者Aは表情が見えない分、恨みの度合いが読み取れない。
それが、答えに迷いが出てしまった。
「ジョナサン・・・」
遠くで吊るさたままのローリアさんが、僕を見ている。
彼女の目には疑いを持ってみる目ではなかった。
はっきりとした、意思を僕に向けてくれた。
それが僕の回答の後押しをしてくれた。
「大丈夫です!僕もあんな奴の同胞だとは思いません。」
そう言うと、ローリアさんは子供のように微笑んだ。
「急二認知ハ出来ヌト、理解シテイル。ダガ、間モ無ク訪レル意識ノ蹂躙ハ我々ノ世界二不和ヲモタラス。ソレハ、認メラレナイ・・・我々ノ土地ヲ奪ウ人間ヨ、我々ノ尊厳マデ奪ウ事ハ認メラレナイ。」
「だとしても!そうだとしても!ローリアさんを拘束していい理由にはならない!」
ちょっと冒険者Aの言っている事が
「彼女ハ対話ノ交渉材料ト、サセテ貰ッタ」
「キャ!」
冒険者Aの触手がローリアさんを締め上げてた。
「ローリアさん!!」
さっきまでの余裕は無くなり、苦しそうだ。
ドゥベルさんが剣を構え直した。
「俺たちの将来を知っていての行動だとしても、やり方が荒くずさんだな。すまないなが今は力で訴えるしか出来ない。」
「月ハ安定シタ意識ノ貯蔵庫。我々ノ領域ノ中二、自ラノ世界ヲ壊シタ人種族ノ蹂躙ハイラヌ。」
「交渉決裂じゃな。ローリアを返してくれれば、一旦このまま帰るが・・・」
アナハイムさんが落ち着いて、交渉を持ちかけたけど・・・
「同胞デハ無ノナラ害トミナス。」
「ジョナサン左に!!」
ローリアさんが叫んだ!
その方向に意識を向けると、魔王の左拳が僕の横から迫って来た。
剣で攻撃を受けるが、魔王の腕の力押しで僕は飛ばされた。
「グっ!!」
地面に叩きつけられた痛みが襲う。
地面を転がり、ながら足場を確認しすぐに立ち上がった。
ローリアさんの言葉がなければ結構ダメージを食らう所だった。
「リザルト景品ハオトナシク・・・」
「ん景品?」
カレンちゃんの事ならわかるけど、相手はローリアさんだ。
「冒険者Aの意識は、カレンちゃんとローリアさんを識別できない?」
いやその事を今話している余裕は無さそうだ。
「てんめえ!」
僕が攻撃を受けた事で、ミハエルさんと、ホーウェンさんが魔王に飛びかかった。
それが戦闘開始の合図となった。
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