第12話 The Eternal War of Black and White_The Seven Deadly Sins.

――絶望を捨てた時、希望は甦る――


The Eternal (永遠の)War (闘い) of Black and (黒と)White (白)_The Seven(七つの)Deadly(死に至る)Sins (罪).


 果(は)てることなき黒白(こくびゃく)の闘争(とうそう)_七つの大罪(たいざい)

 奇をてらって、タイトルを英語にした訳ではありません。一つには,外国出身の日本語を学んでいる人や、未来の主役である小学生にも、簡単(かんたん)に読める様(よう)にるびを振りたかった事。二つめには、私が驚(おどろ)いた日本語と英語の類(・)似(・)性(・)の事が、タイトルを英語にした理由なのです。


 黒白(こくびゃく)と「Black and White」、日本語と英語で言葉は全く違うようなのに、その意味は、ほぼ同じなのです。それだけではなく、日本では紅白戦や紅白歌合戦など伝統的な行事があります。英語では「Red」と「White」革命軍は赤軍で反革命軍が白軍と歴史に登場します。

 この日本人とイギリス人との発想(はっそう)の類似性(るいじせい)が、全くの単なる偶然(ぐうぜん)の一致(いっち)なのでしょうか?私は全くそうは思わない。日本人もイギリス人も、同じHomo sapiens sapiens 同種同族なのです。日本人とイギリス人の先祖は、遙か十万年ほどの太古の時代に、アフリカ大陸で共に生活していた同じ一族だった。そうであるならば、人類共通祖語もある事になります。全く違う言語のようではあるが、発想の類似性があるのは当然なのですね。日本人もイギリス人もHAHAHA と笑う。これが共通祖語の名残でしょう。他にもある筈(はず)です。発見する歓びはあるものです、自分で探してごらんなさい。さて、私たちは過去を共有しているし、未来も共有できる筈です。我ら地球人、同じ惑星に住んでいるのですから。


 さて主題に戻ります。

 The Eternal (永遠の)War (闘い) of Black and (黒と)White (白)_The Seven(七つの)Deadly(死に至る)Sins (罪).

 果(は)てることなき黒白(こくびゃく)の闘争(とうそう)_七つの大罪(たいざい)

 このタイトルは七つの大罪が黒白の闘いの原因である事を意味します。


 もう一つ気になる事。

 The Seven Deadly Sins and the Four (四つの)Last thing(終わり)s

 死に至る七つの大罪の結果として四つの終わり方があると言うのだが。この図式「死→最後の審判→天国か地獄」は、カトリック教徒ではない今の00:13の私が受け入れるのは無理だ。

 私にとって、人は死すべきものであり、この世界に不滅・不変の物は何もない。存在する全ての物が変化する。変化するという事だけが変化しない。神も悪魔も天国も地獄も、皆この地上に在る。人間がこの地上に在る物を元にして想像したものなのだから。


 七つの大罪_暴食・色欲・強欲・憤怒・怠惰・傲慢・嫉妬。人の罪の根源とされる感情。

 人の持つ全ての感情が一方的に悪いものである筈がないのです。

 例えば、暴食が必要であった状況も考え得る。日常的に飢餓に瀕していた私たちの祖先は正に暴食する事が必要だったでしょう。そうでなければ、今ごろ私たちが生きている筈もない。私は間違っていますか?

 或いは、色欲がなければ、子供を作る意欲も薄れ、男が女を女が男を愛する事も少なくなっていき、やはり人類は絶滅していたでしょうね。七つの根源的な感情は全て人間にとって必要なものです。

 存在する物の全てに、レゾンデートル(存在理由)があるのですから。


 卵子と精子が結合し単細胞生物として発生する。人の子として誕生して、初めて覚える人の罪の根源とされる感情は何でしょうか?

 暴食・色欲(ぼうしょくとしきよく)か強欲・憤怒(ごうよくとふんぬ)か怠惰・傲慢(たいだとごうまん)なのか、それとも嫉妬(しっと)なのか?


【嫉妬や憤怒にもレゾンデートルはある。考えてみるといい。

 嫉妬や憤怒は成長の極めて初期に発現する感情である。

 例えば、三歳の幼児が独占していた母親の愛情を奪われると感じてまだ赤ちゃんである弟や妹に嫉妬し憤怒から赤ちゃんを傷つけようとしたりする。大人になって、無防備に眠る妻の顔を見て、浮気する妻の姿を妄想すれば、夫は生々しく脳裏に描く妻の痴態の妄想に苦しむことになる。男なら誰でも妻の生々しい痴態を妄想することは簡単だろう。u~にはそのての創作が溢れている。男なら誰でも架空であろうと愛する女の痴態と苦しむ自分の有り様くらい描写できる。】

その七つの大罪にある矛盾即ち全ての人間が内包する矛盾が、終わる事のない黒白の闘争の源泉となっているのです。だから人間は互いに、永遠に争い続けます。そう考えると私も絶望しそうになる。

それでも、全ての物は変化する。変化するという事だけが変化しない。状況は改善できるのです。

人々の努力の積み重ねによって、人の気高い意思の力により未来は変える事が出来ます。


【絶望を捨てた時、希望は甦る】








※デカルトが熱望した「気高い意思」の存在は既に物理学者によって証明されているのではないか。

※転載するに当たり神谷先生に頂いた感想への返信をつけておきます。

ボーロン [2019年 02月 28日 07時 02分]

感想ありがとうございます。

その命題を覆い隠すのは必ずしも悪い事ではないとおもいます。その命題に傷つけられた繊細な心を癒したり覆い隠すのが、Artistの存在理由ではないでしょうか。「私は猿のように簡単に怒りはしたが猿のように賢明に忘れる事にした。」

忘れる事も必要なのですね。そうしないと繊細な心から死に至る病に罹る事もあります。最近必要があって、自殺した有名人のリストを見ました。AV女優の名前が幾つもあり、とても痛ましく思いました。


いざ歌へ、絶え間なき戦ひに疲れはて、節々の痛むとき、いと苦き悲みの迫る時、汝(なれ)が子の死ぬばかり病める時、母に似し物乞ひを 見たる時、汝が恋につくづくと倦(う)める時、物いはぬ空を見て、いざ歌へ、その時ばかり、あはれ、我が飢えたる者よ。 by 啄木

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