『ペンと紙と神託と』教祖さまの日記
よたか
20xx年12月26日
もしかしたらこの日記は私の意思で書ける最後の文章になるかもしれません。こうしてノーパソで書いてても、すこしずつ自分の意思では、文章を書けなくなっているんです。
順を追って書き留めておきます。入学祝にペンをいただいたのが始まりだと思います。『成績がよくなるペンだから役に立つよ』とは言われたけど、一応女子なので文房具よりもアクセサリーとか可愛いスマホケースとかの方が良かったかな。
最初はどこにでもある気安めのラッキーグッズだと思ってたんですけど、そのペンの効果はそれ以上だったんです。
中間テストの勉強をしている時に何となくそのペンを手にとってしまったんです。今から思うとあの時にそのペンを使わなければよかったのかもしれません。
そのペンを手に取って文字を書こうとすると〝ペンが勝手に動くんです〟問題集なんてさらさら解いてくれるんです。紙の上でペンが踊ってるみたいな感覚だったのを覚えてます。勉強できる人になったみたいでとても気持ちよかったんです。
当然テストの時もそのペンを使ったんです。そして結果は、5教科で498点も取れちゃったんです。この時は〝会津〟を〝會津〟と旧漢字で書いてしまったから2点減点されたんです。その時は高得点すぎたので気にしなかったんだけど、わたしは〝會〟なんて字を知らなかったんです。
その時に
やっと〝これ〟の使い方がわかってきました。もう少しですね。
とうとう奴が来ちゃったみたいなのでこの辺にしておきます。
ところで、私は誰からペンをもらったのか思い出せません。
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