ネタ帳まとめ

牙桜

ボクと君

まるで黒光りするヤツのような話を聞く

 ふむ、ようやく目覚めたか。


 お主は記憶はあるか?ふむ、やはりあの不完成な魔方陣では記憶回路に異常が出るか。


 まぁ、言語が通じて会話も成り立つんだ。召還は概ね成功といえるだろう。


 お主は転生召喚により呼び出された我が軍期待の新人だ。


 せっかくだ、分からないこともあるだろうし我の紹介もかねて色々説明しよう


 我は魔王、この星の大体1/3から1/4くらいを支配している者だ。


 しかしそこまでは奇襲等をして侵略できたが、戦力的には負けている敵対勢力を相手にしているせいでそれ以降は遅々として進まない……


 あぁ、すまない。起きたばかりの君に愚痴を言ってもしょうがないだろう。


 今から会議が始まる、そこの秘書の横で見ていたまえ


_______________



 向こうのという種族は、どうやら我の種族達と同じように知力に偏った進化をしているようだ。


 だが、我々の種族の方が知力でも筋力でもまさっていた。寿命もこちらの方が長い。


 しかし繁殖力は向こうの方が高いようで、数という圧倒的不利があり、さらには我を脅かすような潜在能力を秘めたものがかなり頻繁に現れているようだ。恐らく、この潜在能力の保有者が多いのも種族特徴なのだろう。


 それのせいで、こちらとしても気が進まないがまだ小さい赤ん坊等も当然殺戮対象に入っている。


 それでも優秀な潜在能力を持つものは生まれるし、殺しに行けないようなところや見逃しなどもあり、結果このように膠着状態に陥っている。


 また、以外にも高い知能やそれに代わる身体能力や特殊な力を備えた種族がこの星には多く存在していた。侵略する星を間違えたと反省はしているが、後悔はしていない。


 それに、ここまで侵略出来ている。いくら潜在能力保有者が産まれやすいと言ってもそれは確率。総数を減らせばそれも減る、つまり侵略を進めれば進めるだけ楽になっていくのだ。


 ただでさえ初期制圧時に星に影響を与える生物兵器を相当数使ったので、もうこれ以上は使いたくない。だが使わなくてももう侵略出来そうな目処は立っている。


 総員、各自が保有する力を以ってそれぞれの担当区域を早急に支配、あるいは殲滅せよ!


「すいません、それは私もですか?」


 うむ、秘書もだ。これから数日は現場で指揮を頼もう、我も暫くは研究と、この者と話をしなければならない。


 くれぐれも手を抜いて負ける、などという恥は晒してくれるなよ、以上だ。


 これにて会議を終了する。総員持ち場に戻り以上の話を各々の部隊に伝え、侵略に励め。


_______________



 でも、やっぱり問題は潜在能力なんだよなぁ。この前は隕石を降らせるとかいうフザけた能力持ちもいたし、何か対策しないと……いや、隕石への対策ってなんだ?

 まぁなにか探してはみるか。


 全く、なんでこんな種族特徴備えてるんだよ……



 あ、放っておいてすまんな、ボクは魔王。名はラグド。


 持ち備えた能力は多種多様な薬物を作る事ができる力と、それとは別に風の魔法適正がある。あとは趣味や特技の話になるから割愛だな。


 作れる薬は治療薬から麻薬まで多種多様。もちろん毒とかも行ける。RPGで言うなら補助や回復のできるPTに一人いれば便利なやつって感じだな。


 さっきは会議をしていた。どうやら俺は人望はある程度あるみたいでいろんな人が俺の侵略作戦を手伝ってくれる。敵対種族からも来てくれたりするぞ。


 そういえば君を呼んだ理由を説明してなかったな、ただ単純に暇だったからだ。こうやって日々書類やめんどくさい部下に囲まれたりしてばっかりで退屈なんだよね、最近。

 一応秘書をいいくるめる為の表向きの理由もあるんだけどね


 しっかしあの秘書。最近特に口うるさくなっちゃって……


 あーやだやだ、思い出しただけでイライラするな。


 さ、そんなことはさておいて遊ぼうか。


 研究?そんな研究するようなことなんてないよ。


 、いやあえてと呼ぼうか。彼らのことはあらかた調べたし、言語の研究その他もとっくに終わってる。それ以外の種族ももちろんな。


 ただ、そんなのを一気に公開したら確実に仕事量が増やされるだろ?


 だから小出しにして苦戦してるけど少しずつ進んでるよって演出をするんだ。

 どうせ報告してもしなくても変わらないような情報が沢山だしね


 さーてと、何をして遊ぼうか。挟めば自分の、挟まれたら反対に……ほう、そっちの世界にも面白そうなボードゲームがあるね。どれどれ、サクッと作ろうか。


 実は自分たちのいた星群、君たちで言う太陽系とかの括りの外にある星の侵略は初めてなんだよね。


 全く未知の生物がいるかもしれないってビビりながら来たけど、そうでもなさそう

 で安心したよ。


 そうそう、君に名前を付けなくてはいけないね。


 んー……素体になった体はライオン系の獣人だしと呼ぼうか。


 ん、どういうことだって? なんのこと……あぁ、素体の意味か。


 簡単さ、君の体には元があるのさ。まぁ死体だけどね。


 いい感じに魂の召喚で出た魂を入れる体が必要でなおかつ傷も少ない体を探していたら、腕を吹き飛ばされて死んだ体があってね。


 ん、腕が飛ぶのは重症じゃないかって?そんな3秒で治せるケガは傷にならないさ。


 さて、今日は何もしないでもう寝ていいから、明日から仕事を手伝ってもらおうか。


 でも、今はボクのオセロの相手をよろしく頼むよ♪

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