第99話 診察券と愛情

 先日、眼科の定期検査と眼鏡合わせに行ってきました。その病院には生後まもないころから二十年あまり定期的に通っているのですが、今回は初めて一人で行きました。親から診察券を渡され、免許がないので片道一時間以上列車とバスを乗り継いでいきました。


 無事につき、再診受付を経て、診察待ちの間ひまだったので診察券の発行日を見てみることにしました。


 物心がついたころからの定期通院、通い始めのことなんて何も気にしたことのない習慣、その原初はいつなんだという疑問、遅すぎる問いかもしれません。


 そんなことを思いつつ、ちょっとわくわくしながら確認すると、生後一カ月過ぎくらいの日付が印字されてました。思ってたよりも通い始めが早くて少し驚きましたが、病状を考慮すると納得できる時期でした。


 我が子の微細な異変に気付く親の愛情を感じて、その日はほっこり過ごせました。


 検査も問題なく終わり、平穏が続きそうでよかったです。

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