第6話千羽鶴

 折り紙で鶴を作るとする、しかも千羽。あなたは作れますか?

 例えば、友人が入院しているとする。そこにお見舞いとして千羽鶴を持っていく。そのために作るとする。このとき、あなたは千羽折れますか?

 鶴を折れる人は、少なくとも自分だけで折ることが可能である。折れない人は誰かに教えてもらうことで作ることが可能になる。さて私はどちらだろうか?

前者?はたまた後者?

いえいえどちらでもありません。

私は皆さんが想像している鶴は折れません。ですから、そういう意味では「折れない人」になるでしょう。しかしそれ以外の鶴は折れるので「折れる人」にもなり得ます。

 ここで本題に戻るとして、「千羽鶴が折れるかどうか」について考えていきたいと思います。結論から言うと、長期入院の場合に限って折ることができます。なぜかというと、私の鶴は一羽折るのに早くても二日かかるからだ。単純計算で千羽折るのに二千日、つまり約五年半かかる。なので、大抵の場合、折っている最中に退院することになる。そうなると、退院は嬉しいが何のために作るのかがわからなくなってしまう。なのでこのような結論となる。

もうお気づきだろうが、これを解決する方法は至って簡単なことだ。普通の鶴の折り方と覚えればいいだけのこと。なぜしないのか私でもわからない。

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