第15話 クエスト
翌日。
放課後、茜と待ち合わせ、部員の募集。
「だんじょんぶに入りませんか~?一緒にDDSで全国を目指しましょう~。毎日が冒険・・・休日には泊まり込みでダンジョンアタック。貴重な青春を、ダンジョンに捧げませんか~?」
「捧げたくないっす。先輩といちゃいちゃしたいっす」
神様。
後輩が非協力的です。
「先輩、18時になったっすよ。そろそろ私の家に行きませんか?」
「後輩、俺の時計はまだ17時30分なのだが、何故その時計は30分進んでいるのかね?」
「先輩、そこは気付いても、可愛い後輩をたてるところじゃないっすかね?」
「後輩、間違いを正してこそ先輩だと思わないかね?」
「先輩、そこはそう、可愛い彼女に騙されてあげるっていうのはどうっすか?」
「・・・可愛い彼女なら、彼氏としては騙されても良いかもしれないな」
・・・まあ、早くDDSをしたいのも事実だ。
今日はこれで切り上げるか。
--
茜の家に着く。
自分の家で買っても良いのだが、複数人でプレイした方が楽しいからな。
エア残量に余裕ができれば、夜に1人でコツコツと、ディガーするのも良いかも知れないが。
DDSにログイン。
エア残量を確認すると・・・
2000/2000
無事、全快している。
「先輩、今日はクエストを受けるっすよ」
「クエスト?」
「そっす。特定のモンスターを、一定数倒す・・・すると、経験値とリソースをボーナスで貰えるっす。キャンセルしても特にデメリットは無いので、お得っす」
「それは確かにメリットしかないな」
「まあ、代わりに、ダンジョンを指定できないんすけどね。その魔物が出てくるダンジョンが自動生成されるっす」
「なるほど」
昨日は、レベルとか調整してたな。
「クエストはPTで受注っす・・・受注したっすよ」
クエスト:
ゴブリン あと3匹
スライム あと2匹
コボルト あと1匹
確かに表示されている。
「アイテムを収集するクエストとかもあるっす。特定のボスを倒すとかもあるけど・・・こういうのはフルPT用っすね」
フルPT・・・ウォリアー、スカウト、メイジ、プリーストを全種含み、かつ、6人で構成されたPTの事・・・かな。
ダンジョンに降り立つ。
曲がり角のむこうに、さっそくゴブリンが見えた。
キッ
こちらに気づき、向かってくるが、
す
青い光を目印に、攻撃を躱し、
ザシャア
派手なエフェクト、クリティカルを発生させ、倒す。
「先輩、相当動きが良いっすね。あと、クリティカル発生させるのも上手いっすね」
「最初は戸惑ったけど、慣れたよ」
マークが出るから分かり安い。
ザンッ
コボルトもあっさり倒し・・・あとは、スライムか。
いた・・・良
よし、
ふに
俺の渾身の一撃が・・・効かない?!
「スライムは、通常武器は効きにくいっすよ」
茜が斬りつけると、あっさりとスライムは死亡する。
「茜の武器は、通常武器じゃないのか?」
「これは、ミスリルインゴットを入れてあるっす。スライムや幽霊等も切れるっすよ」
く・・・鉄じゃ駄目か。
とはいえ、ミスリルなんて手にはいる筈が無い。
「まあ、本来はこういうのは、メイジが倒すんすよ。初級冒険者がミスリルや銀武器なんて持ってないっすからね」
「なるほどな」
こんな低階層の、初級クエストでも、4職揃わないと厳しい感じなんだな。
クエストはあっさり終了。
エアは100も減っていない。
「もう戻るのか?」
「そっすね、クエスト受注と討伐繰り返すのが効率良いっす」
「できれば、連続で狩りたいかな」
「そうすか・・・では、クエストはやめておくっすかね」
いったん拠点に戻り、クエストを報告。
経験値とリソースが貰える。
俺もダンジョンを作ってみるか。
出入口横の操作パネルを操作する。
レベルは・・・5・・・いや、6で。
9999まで選べるけど、怖すぎる。
種別、森で。
難易度・・・?
普通、凶気、絶望、即死・・・凶気、で良いか。
キーワード・・・?
なし、で。
「設定したぞ」
「レベル5、フィールド森、か。難易度表示が消えてる・・・?」
茜が小首を傾げる。
言葉は怖いけど、下から2番目だから大丈夫だろう。
ダンジョンに・・・
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