■ここまでの設定まとめ
◆東京審判
平成末期に訪れた二つの大災害〝メトロの氾濫〟〝超菌類汚染〟の総称。
◆メトロの氾濫
東京を襲った大災害の一つ。
都心部を走る東都メトロの路線全域にて発生した謎の変異現象。
構造の変化と増殖、あるいは欠損や途絶を経て東京中に地下迷宮〝メトロ〟を構築させた。シン・トーキョーを覆う巨大な壁もメトロによる構造物と考えられている。
◆超菌類汚染(パンデミック)
東京を襲った大災害の一つ。
メトロ深部から発生した超菌類による汚染現象。
地上の汚染は十年に及び、東京のあらゆる文明を分解、メトロの氾濫により閉鎖された東京内の人口を著しく減少させた。
◆シン・トーキョー
〝東京審判〟により滅亡した東京の地に生まれた新たな国。都庁政府を主要機関とし、各都市やトライブ領による自治を容認した統治形態をとる。首長は都知事、〝東京審判〟を生き延びた〝糸繰士〟。
◆都庁
政府など国の中枢を担う機関を抱える都市。所在地はメグロ。狩人ギルド本部や都庁銀行も都庁に置かれている。市長は都知事が兼任。
◆壁
高さ五百メートルに及ぶ、シン・トーキョーの外周を囲う巨大な壁。メトロが隆起したものとされているが、材質などは不明。
シン・トーキョーでは(教団の圧力もあり)壁への干渉――登ることはおろか触れること、近づくことも禁忌とされる。
壁の向こう側、すなわちシン・トーキョーの外の世界がどのようになっているかは誰にもわからないとされる。少なくとも空に航空機の往来は確認されていない模様。
◆糸繰りの民
〝東京審判〟を生き延びた新人類、シン・トーキョーの国民の総称。超菌類への耐性を持ち、さらに人口の約一割が体内の菌糸を操る能力〝菌能〟を持つ。まれに亜人と呼ばれる「獣の特徴が混じった人間」も生まれる。
◆自由民
糸繰りの民における無戸籍。どの都市やトライブ領にも属さず、個人または集落の単位で生活している。
◆メトロ
シン・トーキョーの地下に広がる無数の迷宮。内部には菌糸植物とメトロ獣がはびこり、貴重な各種資源を抱える。また、それらを利用した上下水道や温泉設備など、シン・トーキョーの文明を支えるものでもある。
◆メトロ獣
シン・トーキョー全域、並びにメトロ内部に生息する獣の総称(小動物や昆虫などの無力・無害なものは除く)。メトロの氾濫を経てその奥部から現れたとも、あるいは既存の動物が超菌類によって変異したとも言われるが、真相は解明されていない。
人間同様、レベルという概念を持ち、菌能を使うものもいる。長年捕食を繰り返した成長個体は従来の種の進化したものとされる。
◆魔獣
人語を介する獣の総称。人間並みの知性を持ち、糸繰りの民との交流を持つ種族もいる。人間と同様、菌能を持つ個体も多く存在する。作中、カーバンクル族、ケット・シー族が登場している。
◆菌糸植物
シン・トーキョー全域、並びにメトロ内部に生息する植物。メトロ獣同様、その由来について真相は解明されていない。
胞子によって繁殖。光合成をする種もあれば、有機物を分解する菌類としての性格を持つものもある。シン・トーキョーの文明を支える重要な資源。
◆トライブ領
古くは強大な力を持つ〝糸繰士〟を族長とした独裁的統治地域。紛争や〝魔人戦争〟を経て数を減らし、現在は八つのトライブ領が残っている。
現存:イケブクロ、センジュ、カメイド、アカバネ、ネリマ、セタガヤ、シナガワ、スギナミ
滅亡:シンジュク、シブヤ、アカサカ、ゴタンダなど
◆メトロ教団
メトロを神聖視し、〝糸繰りの神〟を信奉する宗教団体。都庁政府と並ぶシン・トーキョーの絶対的権威。本部の所在地はアキハバラ。
〝東京審判〟を先史文明の環境破壊による神罰とし、「メトロとの調和(共生)」「自然環境の保護保全」「度を超えた文明発達への警鐘」を唱える。教祖は〝糸繰士〟。
◆菌力、菌能、菌性
・菌力はレベル。体内の菌糸の強度や成長度を数値化した指標。筋力と混同されるため、一般的に「レベル」と呼称される。
メトロ獣の胞子嚢を摂取することで経験値が蓄積され、閾値を超えるとレベルアップする。合図は「身体ビキビキ」。
・菌能はスキル。体内の菌糸を操り、さまざまな効果をもたらす能力。習得できる能力は菌職によって異なり、習得できる数は個々人の資質による。習得の合図は「背中アツアツ」。
・菌性はアビリティ。ごく一部の人のみ、そして一人につき一つしか習得できない特殊能力。菌能との区別がつきづらいが、主にバフ系やパッシブ系の効果をもたらすとされる。習得の合図は「お腹ヒエヒエ」。
◆菌職
クラスとも呼ばれる。習得できる菌能を系統化したもの。
六種の通常菌職と五種の上位菌職がある。上位菌職はメインとなる菌職に他の菌職を混ぜたハイブリッドな菌職であり、上限レベルや習得できる菌能数も通常菌職よりも高い。
通常菌職:〝騎士〟、〝闘士〟、〝細工士〟、〝放術士〟、〝付術士〟、〝狙撃士〟
上位菌職:〝聖騎士〟、〝獣戦士〟、〝絡繰士〟、〝魔術士〟、〝導士〟
※〝狙撃士〟の上位菌職は存在しないとされる。
※菌職を持たない=菌能を習得できない大多数の人間を〝人民〟と呼ぶこともあるが、差別的とのことで今では狩人業界の隠語的に使用されている。
◆糸繰士
伝説の菌職。超再生能力と不老能力を兼ね備える【不滅】を持ち、習得できる菌能に制限がない。〝東京審判〟を経て十二人の〝糸繰士〟が生まれ、やがて黎明期の十二のトライブをつくる創国の英雄となった。
以後それ以外の〝糸繰士〟は現れなかった。〝魔人戦争〟などを経て大半が命を落とし、現存するのは〝糸繰士〟は都庁都知事、教団教祖、ネリマトライブ族長、そして阿部愁の四人のみ。
◆狩人ギルド
菌職を持つ人間のみが組合員として所属できる「メトロの探索を生業とする冒険者たちの集団」、並びにそれをまとめる組織。創設者は〝糸繰士〟の一人。
都庁に本部を置き、各都市やトライブ領に支部を設けている。組合員として登録するには十五歳以上、レベル10以上が最低条件となり、所属地の戸籍も取得できるため審査はやや厳正になる。
◆狩人
狩人ギルドに所属し、メトロの探索やメトロ獣の討伐などを生業とする職業者。もしくは無所属で同様の活動をする個人。
ギルドにおいては組合員=狩人であり、通常は菌職を持つ者のみがそれに就くことができる。主な収入源はクエスト(依頼任務)の報酬や探索による収穫など。
三級~五段までの序列制度がある。
また、慣習的な扱いとして、レベルに応じて
・10~30:駆け出し、初級者など
(とりわけ20未満:新米、ペーペーなど)
・30~50:中堅など
・50~60:上級者、ベテランなど
・60以上:達人、マスター
などと称されることがある。
◆スモー
シン・トーキョーの国技(広く普及するスポーツくらいの意)。土俵の円周内で一対一でお互いの力をぶつけ合い、「膝より上を地面につかせるか」「土俵の外に押し出すか」で勝敗を決する。
「殴打や蹴りなどの打撃の有無、関節技の有無」「菌糸武器や菌能の使用の可否」などは各々のローカルルールに応じて変わる。神事としての性格は失われており、教団が公式に行なう場合のみそれらの形式を模することがある。
◆魔人
人間と似た姿を持つ、異形の知的生命体。人間以上の知能を持ち、人間以上の菌能を操り、人間以上のレベルを誇る。性格は残虐、人の世にまぎれ、人を殺すことと人の世に混乱をもたらすことを喜びとする。
(ひいじいメモより)
五十年前の〝魔人戦争〟からその姿を見せなくなっている。謎が多い存在だが、都庁並びに狩人ギルドは「やがて来たるべき亡国の災厄」として危険視している。
〝魔人病〟と呼ばれる奇病にかかった人間が怪物然とした姿に変異することがあるが、あくまで「魔人のように強く恐ろしい」という由来によるものであり、実在の魔人との関連は不明。
◆三大禁忌
都庁政府とメトロ教団が定めたシン・トーキョーにおける禁忌事項。〝東京審判〟の再来と魔人の襲来を防ぐために(半ば妄信的に)設けられた。個人レベルでも都市レベルでも禁忌であり、抵触すれば都庁による取り締まりを受ける。
・『壁への干渉――壁と接触すること、壁を越えること』
・『メトロの過度な開発と資源の過剰浪費』
・『先史文明の復活』
◆五大獣王
シン・トーキョーに存在する五大最強メトロ獣。推定レベルはいずれも200超え。いずれも知能を持ち、人語を介する。
メトロ奥部に棲む者もいれば、地上で暮らす者もいる。また、人類側と敵対する者もいれば、人類と不可侵の契約を結んだ者もいる。五大とくくられているが、個々は無関係であり、互いに干渉することはほとんどない。
以下の呼び名は狩人ギルド創始者によるもので、獣王たち本人として了承していない者もいる。
・闇紫龍ヤマモト
・鮮血風鼬スズキ
・氷絶龍鮫サトウ
・天獅子タナカ
・無限地象ワタナベ
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