ボカロミュージック日の丸プラットフォーム構想 概論

ヘンドリックスSS

はじめに #1

現在、世界で最も知られている日本のシンガーのひとりは「Hatsune Miku」です。真偽のほどは、例えばGoogle USA版(参考URL:https://qiita.com/murata0705/items/f16c73d7bbbdb52322c3)

などで検索してみると確認できます。


とはいえ、多くの方が既にご存じであるように「初音ミク」は人間ではありません。ヤマハが開発した音声合成技術ソフトであるボーカロイドVOCALOIDの代表的なキャラクターです。

このボーカロイドとデスクトップミュージックソフトを用いて、ユーザーが曲を作り、絵師などが描くイラストやアニメーションとセットで動画としてニコニコ動画、YouTube、ピアプロなどのサイトで発表しています。

こうした音楽を「ボカロミュージック」といい、楽曲製作者はボカロPと呼ばれています。初音ミク・VOCALOID、ボカロミュージックは世界に通じるアイコンとして年々知名度を拡大しています。


また、人気のボカロ曲は、「歌い手」と呼ばれるネットユーザーが、ボカロPが無償で提供するoff vocalトラックを使用して歌を吹き込み、ニコニコ動画、YouTubeなどで発表しています。歌い手によっては、多くの再生数を稼ぎ出し、武道館などでワンマンLIVEを開催したりするほどの人気ぶりです。


ふぅ。


ボカロに馴染みの薄い読者をも対象としたテキストであればこのような感じの書き出しになるでしょうか。しかし、ボカロミュージックについて関心のない人の多くはそもそも本テキストなど読まないと思いますので、以降詳細は省いていきます。


では、誰のために書くのか、ですが、

この「ボカロミュージック日の丸プラットフォーム構想 概論」は、ボカロに関心のあるすべての方、ボカロをある程度知っているが毛嫌いしているミュージシャンを含む音楽関係者、加えて政府関係者に向けて、ということになります。

なぜ政府関係者かというと「日の丸プラットフォーム」すなわち国の長年の悲願であった純国産のプラットフォームのお話だからです。

「いやいや、たかがボカロだろ?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

そう思われる方はむしろ我慢して最後まで読むことをお薦めします。既存の邦楽等にも関わってくる要素があるのです。


YouTubeなど動画付きの最新の楽曲が無料で視聴できる現在においても、音楽ビジネスでは「音楽を売り、スターを生み出し、ヒットをとばす(作り手→消費者)」という、天文学的にリスキーなミッションに頑なに取り組んできました。そしてそれは今後も残っていくでしょう。


繰り返しになりますが、日本には、日本独自にユーザー等が育ててきた「ボカロ」というオリジナルの音楽文化があり、世界共通のアイコンとなっています。これはジャマイカでレゲエが発祥したのと同じくらいエポックメイキングな出来事です。しかしながらこれまで誰も、ボカロミュージックで「継続的」、「本格的」に音楽ビジネスをやってみようとはなりませんでした。その理由は明らかです。ボカロミュージックの様々な独自性が既存の音楽ビジネスにフィットしないからです。


現状、ボカロに関わる多くのクリエイターは、「希望」を持って、「持続的」に作品を作れる環境にはありません。「好きなことで、生きていく」ことができている人は、ほんの一握りか、そもそも実在しないと思います。

「ボカロミュージック日の丸プラットフォーム構想 概論」では、「好きなこと(音楽)で生きていく「人と時間と対価」を今より増やしていくための環境づくり」を最終目標に、ボカロに関わる人たちの意欲を高めるシステムを提唱します。

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