第223話 サベローシラ世界の終わりを見る

 

 ……。

 なぜ俺まで?

 ルド様、奥様達って言わなかったか?


「あの、ナルディスナ様。なぜ私も一緒なのでしょうか?」


「なんとなくだ」


 ……。

 俺の勘が行くなって言ってるんだが。


「辞退してもよろしいでしょうか?」


「駄目だな」


 駄目ですか……。

 いや、それでも。


「レイラ様」


「駄目です」


 やはり駄目ですか。


「サベロー」


「アスクリス様」


 予想外な方向からの支援!


「本気の旦那さま、楽しみですね」


 まあ、そうですよね。

 アスクリス様ならそんな感じてわすよね。


「杏華、ここっておじいちゃんのいる空間だよね?」


「多分それであってると思うけど」


「108号もダンジョン君もイマセン。イツモ、ワタシ達が来ている場所ト少し違うみたいデスケド」


 ……。

 歴史から抹消された神様が封印されてる場所に、気軽に出入。

 俺も慣れたなあ。


「サシチ様の本気か。一体どの様なものなのか」


「兄貴の本気。この目に焼き付けないとな」


「そもそも私達の前で見せた力は、先生にとってどのくらいの力だったのでしようか」


『少なくとも、本気しゃなかったってのは確実』


「そうだね、ポピーさんの言うとおりだと思う。サシチさま、ちょっとなんかした、くらいの感じだったよね」


「ナセルリナ、機械言語わかるんだ」


「カシュタンテよ。妾も驚いたのじゃが、ナセルリナは言語方面の天才ぞ」


 しかし12人か。

 毎日この感じなんだろ?

 村長、これだけでもあんたはすごいな。


「さて、そろそろ到着ですね」


 あそこにいるのは、村長とランガー様、リシャル様。

 あとはガンドラル神か。


「はじまりますよ」


 !?

 な、なんだこりゃ……。

 冷や汗が止まらねぇ。


 体が前に進むことを拒否しやがる。

 奥様達も同じ感じか。

 竜や神すら怯むなんざ、尋常じゃねえだろ。


「皆様、絶対に私より前にでないで下さい」


 大丈夫です、ルド様。

 前に出たくとも体が全く動きませんので。


 障壁?

 ルド様か?


「きますよ」


 ?


 うおいいいいい!

 なんつー衝撃だよ!

 ルド様の障壁がなかったら消し飛ばされてたぞ。


「まだまだ、きますよ」


 ホントだよ。

 なんなんだよ!


「ルド殿これは、我が夫が?」


「そうですね、我が主の修練の余波ですね」


 修練?

 これが修練?

 魔王とかそんな感じの奴が世界を破壊してるって言われた方が、まだ現実味があるぞ。


「この距離では、いまいちわかりにくいですね」


 いえ、ルド様。

 俺には十分に伝わりました。

 村長の本気はヤバい!

 なのでこの距離で十分です。


「ですがこれ以上近付くと、我が主も気付いてしまいますね」


 ふう、助かった。


「ふむ、ではこちらをどうぞ」


 これは村長達の様子か。


 ……。

 ありえないだろ。

 殴りあいであの衝撃波かよ!


「ここからですよ」


 ここから!?

 これで終わりじゃないんですね。


 ありえねぇ。

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