第159話
渋めの落ち着いた声。
鍛えられているであろう体格。
重ねられた年齢が見える整った顔立ち。
俺でも洗練されているんだろうなと感じる仕草。
そしてトサカと豪華な尾羽。
「はじめまして、ヒダリ様。ゼラマセン・ヴィーヨと申します」
くそ、チョコ太さんとピョン次郎さんで免疫ができたと思っていたが。
また強敵かよ!
トサカと尾羽に視線が惹き付けられる!
「ヒダリ様、どうかされましたか?」
「いえ、なんでもありません。それよりも急な依頼を受けていただき、ありがとうございます」
「いえ、私達も仕事が失くなるところだったので助かりました」
「そうだったのですか」
「しかも複数人をまとめて雇っていただけると」
確かに複数人で頼んだからな。
「部下達を紹介させていただきますね」
三人か。
みんなルドみたいな感じの人達だな。
ライオンに狼に馬。
鶏を加えてブレーメンの音楽隊か。
まあ、あれは猫と犬とロバだけどな。
「レザラオル・ヴィーヨと申します」
「ウロフロス・ヴィーヨと申します」
「アシアウェス・ヴィーヨと申します」
ライオンがレザラオルさんで狼がウロフロスさん、馬がアシアウェスさんね。
全員名字が一緒ってことは兄弟かなんかなのかね。
「サシチ・ヒダリです、よろしくお願いします。誠に申し訳ないのですが、最後に採用を担当している者の審査を受けていただくことになりますが、よろしいでしょうか?」
レイラさんとナディには一度あってもらっておかないとな。
まあ、なんとなくだが問題なく話が進むと思うんだけどな。
「それはもちろん構いません。伺っている給金や勤務場所を考えると当然のことかと思いますので」
ゼラマセンさん、普通に話すだけでも渋いな。
そしてトサカと尾羽の存在感も半端ないな。
「そう言っていただけると助かります」
「話がまとまったようですね。私も仕事が使えています、追い出すようで申し訳ありませんがそろそろお帰りいただいてもよろしいでしょうか?」
うーん、タルホロさんの態度はなんなんだろうな?
歓迎されたい訳ではないが、ここまで邪険にしなくても。
しかも対象が俺じゃなくて、ゼラマセンさん達みたいなんだよな。
こっちに喧嘩売ってくるつもりも無さそうだし、放っておけばいいかね。
「わかりました、それでは失礼させていただきます」
「ヒダリ様」
「なんでしょうかゼラマセンさん」
「是非とも会っていただきたい方かいるのですが」
?
「このような事をお願いできる立場にないことは重々承知しております。もし気に入らなければこの命を差し出しても構いません」
命を差し出すか。
人に会ってくれと頼むだけにしては随分な覚悟だな。
「私達からもお願いします」
レザラオルさん達も同じってことか。
一体誰に会えってんだ?
「わかりました、その辺は方の所に案内してもらえますか」
「ありがとうごさいます!」
はてさて今度は何が出てくるのか。
次は三匹の小ブタでも出てくるかね?
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