第52話

創太は遂に神殿が見えたと思うと、一気に駆け出し、緊張の趣で神殿の中を覗き、創無神眼で中を確認し、中に魔物がいないことと人がいないことを確認し、創太は中を確認する。



「さて、どうするかな…」



そうして緊張の眼差しで神殿を探索する。中には故意に破壊された魔法陣や、燃えた魔法の書などが置いてあった。創無神眼で解析すると、今回のスタンビートの驚くべき真相が書いてあった。創太は警戒を怠ることなく展開しながら創無神眼を開き、燃えたページの端々に創無神眼を当てながら補足させ、解析させる。するとこんな事が書かれてあった。




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「腐敗の宝珠と、それにつながるグリューン王国崩壊計画」



腐敗の宝寿。過去最上級のマジックアイテムで、魔物をその周辺の魔力を吸い取り魔物を生み出し、生み出した数が一定を超えるとその周りに宝石を吐き出し具現化する。



宝石は全て魔力を帯びており、その魔力を吸い取りさらに強い魔物を生み出す。

時間がたてばたつほど強く、数もどんどん増えていく。



そして最後のステージとして、魔物はまず魔物を生み出す魔法陣を守ろうとする自我を持ち、次に軍隊を形成し、そして最後に意思疎通を図り、人間の様な脳を持てるようになる。



私はこれを以てグリューン王国に攻め込み、グリューンを壊滅させる。



これを以て、魔神様に捧げる供物とする。



魔神軍 四大司教 第三司教 ワズボトル


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「これはこれは……それにしても魔神軍ってなんだ…」




創太は考えながら、白と黒を顕現させる。両手に握りしめ、創太はその魔法陣に辺りをつけ、神殿のさらに奥へと捜索を開始する。警戒を怠らず、その上考え事もしながら、そんな器用なこともしながら、神殿の奥へと向かう。





そしてついに、それがあった。





そう、光り輝く魔法陣と、その周りにある宝石。そしてまるで王者の様な気質を感じる王冠が。




「あった。これが…」



創太はここで創無神眼を使い魔法陣を解析。すると―――



<魔法陣。充填98%>



(ほう?何が出てくるのやら)



そう思った瞬間魔法陣が光り輝き、新たな魔物が召喚される。



「不死者の王<ノーキング・ライフ>」




(なんだ てっきりもっと強いかと…いや、俺が強いだけか。俺は強くなったのか…)



「ケタケタケタケタケタケタ!!!」

「なんだよ、うるせえな、力の差位認識しやがれ。」



そういって創太は久しぶりに<神武>を発動させ、空中に、地上に、地中に神でしか扱うことしかできない様な神剣を顕現させ、ノーキングライフに突きさす。




「ケタケタケタ……ケタ……ケ…タ……」

「ついでに魔法陣も破壊してっと…」



(ついでコピーも取ってっと)



創太はノーキングライフを消滅をさせたことを創無神眼で確認して、魔法陣の反応も消え失せ、そして


「いやあ~この宝石はどうしようかな……貰うか」


宝石を一雫一括のインベントリ(by一雫作)にぶち込み、一区切りついたのでアル、ユリアに念話で連絡した。


{アル。大丈夫か?}

{うんっ、大丈夫だよ、創太。それよりも僕今魔物がじゃんじゃか出てくる魔法陣の前でひたすら魔物を倒し続けてんだけど、壊していい?}

{ああ、むしろそれを壊すために俺たちやっているようなものだからな?すぐ壊せ、いいな?}

{OK創太。今…(バゴオオオン!!)…終わったよ、目でも確認した}

{ああ了解した。お前の力を疑うわけではないが、しばらくそこにいてくれ、こっちも竜を送るので、それに乗って何かあったら援護、それまでは各自の判断に任せる。}





そしてユリアに連絡をかける。すると創太が思わぬ事態が、ユリアの目の前には起こっていた。










{あれっ、ユリア。……おいっ!聞こえるか!ユリア!ユリア!}








{……そう……あ…わた………し…は……}








{おい!ユリア!ユリアっっ!!!}





創太は今すぐこの森全てを創無神眼で確認し、ユリアの居場所を特定する。創太は焦っていた。大事なものが自分の手のひらからこぼれて行こうとしているのだから。それをみすみす逃すほど甘い創太ではない。






そうして創太が見たものは――――











血を流して、まるで死んでいるかのようなユリアの眼と横たわった体、そして黒いローブを被った2人組の姿だった……。

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