第43話
こうしてユリアと創太は無事にランクアップ試験をクリアし、ギルドカードを更新した所で、すぐにギルドから出ていった。創太は行きたいところがあった、そう図書館だ。
創太は地上に出てからここの歴史も地理も知らない。一雫に頼るのもいいが、まあ知ってて損は無いし、時間もあるので図書館に行ってみることにした。
「ユリア、図書館に行くけどついてくるか?」
「んっ、図書館デート…行く」
そんな大それたものではないが、まあいいかと創太は甘い雰囲気になってることも知らずに一雫に聞いた場所に着いた。
そこは「グリューン王国国立図書館」と名の付けられた図書館だが横は体育館を連想させるような大きさで、壁にはズラリと並べられた本が所狭しに並んでいる。3階まであるようでそこを階段で上り降りしながらも本を探しては中央にある椅子とテーブルに腰かけ座る利用者の様子も見られたが、そこになんと我らがアルがいた。
「おお、アルか」
「えっ、創太?何故ここに?」
「いや、俺も暇だったからな、一雫に聞いたらここが図書館だっていうから暇ついでに来たんだ、ところでアルは?何でここに来てるんだ?」
「ああ、ここに創無神の歴史やそれに連なる物語を探していたんだけどね、ずっと見つからないままここにはもう2日経ったんだけどね」
「ああ、そうか。じゃあ見つけてやる」
「えっ?」
創太は<創無神眼>を発動させ、周りを見渡す。もちろん人は入れない。大変な事を引き起こしたくないからだ。
「2階の右奥、横三列目、そこのブロックだな」
「う、うん、わかった。取って来る!」
そういって取ってきた本を中央にの椅子に座りページを開く、もちろんみんな座ってみる気満々だ
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「創無神」 序章
創無神とは、昔にプリム神にあだなした神である。創無神はその眷属7人を引き連れプリム神のいる聖域に乗り込み、プリム神と戦ったが、圧倒的なプリム神の力により創無神は封印され、残る7人の眷属も反逆者として地上のいたるところに封印された。
第2章
創無神のその残虐性は・・・・・・
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他にも第4章まで見ていたが、大体が創無神の歴史といかに創無神が悪いとか残虐だとかのことしか載っていなかったが(そもそもその話を元創無神と当事者の人に会っているし大体のことは聞いているのである程度創造は済んでいた)
アルは少し絶句していた。創太は大体想像がついていたが、アルやユリアは口をぽかんと開けていた。
「今俺の方でも調べたが、大体あっている、大体。な?」
「つまり……?」
「これよりももっとひどいってこと、聞きたい?」
「う、うん…一応―――」
「……創無神が捕まった後だが、創無神シャネル・ヘイズはその後監禁、多分人として無限の時を過ごしている。そして今も」
「えっ!つ、つまり…」
「俺たちが会っているときも捕まっていた、ということだ」
ユリアからハッと息が漏れる。だが創太は話すのを止めず、話し続ける。
「そして7人の眷属は肉体が朽ちる寸前まで魔力を吸い取り続ける魔術をかけられ、地上の端々に封印され、その場所から動けないどころか一歩も歩けない魔術をかけられて今も魂だけが残っている」
ユリアもアルも顔が引きつっていた。この酷い仕打ちに反応する顔もないのだろう。もちろん一雫から聞いた時は創太もハッと息を少し飲んだ。
それを察したのか創太も
「話も終わった、そろそろ出よう」
「そ、そうだね 創太」
「んっ、行こ」
そうして図書館を出たその時、それは起こった。
「た、大変だ!スタンビートだ!冒険者は今すぐギルドに!市民は逃げる準備と、必要最低限の持ち物を持って城に向かってくれ!」
という兵士の声が聞こえるのを尻目に市民がパニックを起こし、一斉に逃げ始める。
「きゃあああああああ!」
「オイ!お前!どけ!!」
「早く!早く!」
というパニックで国中を包まれている所で、一雫から念話が入った。タイミングが気持ち悪いぐらいにいいので、さすがの創太でも少しびっくりしたぐらいだ。
<マスター、会っていただきたい人がいます>
<誰だ?というか何の要件だ?>
<とにかく、会っていただきますか?今回の話はそのスタンビートとも関係があります>
<スタンビートが?……分かった、一雫の所へ転移すればいいのか?>
<アル様 ユリア様もご一緒にお願いします、転移は私の方から、では後ほど>
そうして創太達は転移した。一抹の不安を顔に浮かばせながら……。
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