第31話
「よしっ!今日の訓練はここまで!もどっていいぞ」
といつものように木剣を振って終わった、もちろん反発する奴もいる、例えば
「何でこんなことやってんだよっ!意味ねえだろ!」
「早くまた迷宮行こうよ~」
などの意見がクラスメイト内で殺到している中、坂上までこんなことを言い始めた。
「団長!俺たちはこんなことをするより、早く魔王を討伐して元の世界に帰らなければなりません!だからこそ早く実戦を積むため迷宮に行きましょう!」
「お前たちは死んじゃならない存在なんだ!だからこそ前に行って思い知らされただろう!お前たちの目の前であの小僧が死ぬのを!」
それに対してクラスメイトのモブどもがギャーギャーと喚きだす
「だってあいつは無能だろうが 仕方ないだろ死ぬのは」
「そうだそうだ 死ぬべき存在だったんだよあいつは」
等という意見が飛び出す中、最後に団長がこう言った。
「お前達はずいぶん平和な世界か来たように私には目に見えて分かる、だからこそ命を重さを知らない…お前らは人という人間を殺した事は無いだろう、そしてここは人を殺さないとお前達の世界には帰れない、だからこそ俺からのアドバイスだ!命を重んじない奴は迷宮に行ってもあしてまといになるだけだ、覚えておけ!いいな。じゃあ次の訓練があるだろう、早く行け」
こうして勇者たちクラスメイトが渋々次の魔術学に行くの尻目にそこに残った2人がいる、優衣と凜だ。
「あの…団長!」
「ああ 何だユキカゼ達か、何だ俺に何か用か」
「はい団長。単刀直入に言いますが―――私達2人を強くしてください!」
「おお。そうか…で――――そこまで覚悟を持った目をしているという事は何かあったのか」
「はい それは、中宮く…創太君のことで気になることがあって、それで迷宮の最深部に行きたいんです!そこに行けば、何かヒントになると思うんです!」
「そうか……」
団長は正直迷った、個人的にナカミヤ ソウタの事は興味があるしこの2人も知りたがっている。そしてこの2人ならば――――彼の事実や、私の推測を言ってもいい気がしたからである。
「そうか……分かった、じゃあ2人には俺から課題をやろう」
と言いつつ取り出したのは片づけるところであった木剣を取り出し、2人に向けてこんな課題を出した。
「まず1つ目。2人がかりでいい、俺に木剣を当ててみろ、俺も手加減なしで本気で行くからな、こんなもので止まっていちゃあ魔物とだってやり合えないからだ。そして2つ目。これはユキカゼ・ユイだけだが、魔力を4000以上にあげてこい」
「そしてもしもこの条件が達成できた時には2つ褒美を渡そうかと思う」
「それは具体的にはどういうものですか、団長」
「う~む。そうだな…うむ。ではヒントその1 中宮創太の情報、これはヒントではないが迷宮の解放だな、もちろん同伴は団長である私が務める、ただしこれは勇者たちには内緒なので一日夜から2時間と設定させてもらう」
それを聞いたとたんに優衣達はピクッと、それでいて そして覚悟を持ち、全てをやり遂げようとした、常人には持てない覚悟を団長は心の中で称賛した。
「よしっ!これだけの覚悟を持っていればどんな困難でもなんとかなるだろう、だからこそ私は認めよう。じゃあもしもこれから一つ目を達成したい場合は2人でクラスメイトに内緒で10の刻(10時)に来い、俺が待っているはずだ!」
「「はい!!」」
こうして2人は創太へと続く道を駆け上っていく。創太がもうはるか高みへと居ることに気付くのはもう少し後の話…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます