第23話
そしてすかさず前のめりになって倒れる少女をキャッチ、そのままお姫様抱っこをしてアルの所へと戻る。
「ひゅうひゅう~王子様~」
などとアルがほざいてくるが、気にせずこの少女の容態をチェックする。
この少女は、身長は165cmぐらいで髪は金髪、そして何よりそのあふれ出る胸部だ、創太も化け物とはいえ男だ、少しは反応してしまう。一応布はかけている。
「んで?創太。この子のステータスは??」
とアルに言われていたので、すかさずチェックする。
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アリー=マーガリスト
種族 吸血鬼 職業 神の使い レベル 172
ステータス
筋力: 1030
体力: 1080
耐性: 1050
敏捷: 1240
魔力: 14570
魔耐: 14570
スキル
全属性適正
全魔術完全防御
魔力回復速度×100倍
再生
魔力吸収
魔力変換
称号
神の使い
魔神
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とステータスを確認する、魔力と体力が1になっていたため創太が神術で回復魔法を使う。そうすると、アリーが目を覚ました。
「あっ、うっう、ああああ」
とうめき声をあげながら、目を少しづつ開けていく。
「あれ…ここは、私は、貴方たちは……」
「まあまあ少し落ち着いて、俺は創太 中宮創太で、こっちはアル 貴方は?」
「わ・・私は、アリー。よ、よろしく。創太、アル」
そしてアリーとしばらくの対話が続いた。勿論アルは放置だ。
アリーも大分思い出したみたいで、一応言葉を話せるぐらいには回復した、精神状態もよくなったみたいだ。
◇
「ああ、とりあえず服を着てくれ、俺も男だ。見るに堪えない」
「……創太のエッチ」
これに口を挟むとろくなことがないと思い口を閉じた、なかなかアリーはすごい……いろんな意味で。そしてアリーは服を選び、簡易的な更衣室を創り、アリーをそこで着替えさせる。
「えっと とりあえずアリー、君はなぜここにいるんだい?」
「そのアリーっていうのは嫌だ、創太が名前…付けて?」
アルが本気で冷やかしに来るが、鉄仮面のリアルスキル(笑)を発動させる。
「ちょっと~本気で無視しないでくれよぉ~」
とかさえずっているが無視安定だ、そしてアリーとの語らいを再開する。
「う~んそうだな。じゃあこれはどうだ?ユリア。どうだ?」
「んっ ユリア…良い名前、ありがとう創太」
ユリアはすごく喜んでくれたみたいだ、ネーミングセンスのかけらもなく、意味も特にない即興の名前だが不機嫌にならなくてよかった…と、実にヘタレである。
「じゃあ話を再開しよう、ユリア。君はなぜあそこにいたんだい?」
「私 とある国のお姫様、国のためになんだってした 戦争でも私は戦った……、国のためになると思ったから…凄く怖かった。でもお母様やお父様がいたから、でもある時お父様がお前は死刑だ。と言われた、国の為ならなんだってした。戦争でも…勝った、何で?とお父様に聞いた、けど答えてくれなかった。で殺そうとしたけど殺せなかったからここに封印された、そしてあの魔物に吸収された。そこに」
「俺が現れたと」
「んっ…そういうことになる」
創太は正直すごいなと。壮絶だ、こんな体験をこの少女がその身一つで受けたことに感動と称賛を送った。そしてその人々によって不幸になった少女にせめてでも、と創太は切実に思った。
「ユリアは、どこか行く当てはあるのか?」
「もう、私には、帰る場所。無い……」
そこで創太は覚悟を決めユリアに提案をした。
「ああ なんなら、俺たちと一緒に来るか?どうなるか分からない旅になるけどさそれでも君が望むなら 連れて行ってあげるよ」
創太のその言葉にユリアは、
「…プロポーズ?」
「えっ、ちょま…なんでやねん……違うユリアこれは」
思わず関西弁で突っ込んでしまった。情けないと創太自身も思いながら、それでも情けないという事実に変わりはないとまたしても落ち込んでしまった。
「ありがとう、創太」
と何よりも優しい笑みを創太に向けてくれた、ユリアはこれからをどう生きるのだろうか創太はそばで見る事にしよう。と湿っぽいことを思いながら
「ちょ、少しだけでもかまってよ~創太ぁ~」
完全にアルの事は頭から抜けていたようだ。だがしかし、ユリアの名を貰った少女が創太と共に迷宮を進むことになった。この選択がこの先どのような結果をもたらすのか、それは誰にも分らない…。
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