第一話 転生するときの死因ってだいたい同じだよね
僕の名前は松田優輝。特技はない、苦手なものもないごく普通の人間だ。と、自称している。特に人に自慢できるほど優れた能力もないし苦手なものもなく僕の中では普通だと思っている。しかし第三者からしてみるとありとあらゆることに対して平均的すぎて普通すぎて普通じゃないとよく言われる。
確かにテストで全教科70点だったり合計点が学校内の平均点と全く同じだったことが数回あったし初めてやるスポーツとかも少し練習したら人並みにできるようになるが普通じゃないのだろうか?
「よう、優」
僕に話しかけてきたのは佐々木 潤。高校に入ってからの親友だ。勉強は赤点をギリギリ回避できるレベルだがスポーツが万能というよくあるスポーツ男子ってやつだ。ゲームやアニメのために部活をやめたのに体力はぜんぜんおちない。多分僕の知らないところでトレーニングでもしているんだろう。
「2年は違うクラスだな」
「そうだね」
「まあ、休み時間は優のクラスに遊びに行くから」
「ああ」
そう、今日は始業式。僕達は1年から2年になった。潤とは、違うクラスになったけどどうせ毎日うちのクラスに来るだろう。
「じゃあまた明日な!」
「おう!」
潤とは高校に入ってからの付き合いで家は少し遠い。まあ、僕は両親が死んで一人暮らしで、潤は両親共に仕事であまり家に帰っていないためお互いに家に泊まることも多々あるのであまり関係ないが。
「さて、帰ってゆっくりするか」
僕は家では、ゲームやアニメを見ている。オタクって言われるほどではないが、家だとゲームか勉強くらいしかすることがなく、潤に毎回誘われているので一緒に対戦とかをしている。ちなみに潤はかなりのオタクだ。
と、解説はここまでにしておいて帰り道の半分くらいまできた。信号で止まるといつも通り多くの車の音がする。交通事故なんてひとりひとりが気を付けていれば起こらない。ましてや、よくある転生もののように都合よく神様のミスやらで死ぬことなんてないのだ。
……そう、思っていた。
信号が青になると後ろから1人の女子高生が走ってきた。そして横断歩道をわたる。ここまでは普通だった。しかし、僕は見た。どう見ても速度違反をしているトラックが走ってきていることを。そのトラックが止まる気配はない。このあとの展開は簡単に予想できた。そのとき、僕の体は自然に動いていた。僕は彼女を突き飛ばした、その瞬間僕の視界は真っ暗になった。
そして、目を覚ました。
「本当に申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁぁ」
「なにこれ?」
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