第214話 保健室

 保健室のドアを開けると着信音が響いた。

「ン…😒💦💦」どうやらラブリのスマホのようだ。着信画面を見つめ眉をひそめた。


「うゥ…ン…、パパだ…😔💦💦 ねぇ、先に入って待ってて……」

 ラブリは僕を促し、足早に廊下へ出ていった。


「え…ッ、たく……😓💦💦」

 残された僕は保健室に入った。かすかに消毒液のにおいが鼻孔を刺激した。

 保健室には誰も居ないのか、僕は白く清潔そうなベッドに腰を下ろし白いカーテンを引いた。

 これで、ゆっくり図書室で借りた本が読める。


「うゥ…ン…😔💦💦」

 『名前のない悪魔』。文庫本なら裏表紙に梗概あらすじが書いてあるが、豪華本には何も記されていない。

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